テープ起こし悶々~オコシストの縁側

2006/09/20(水)02:39

反訳の話題/速記者養成所、最後の卒業生

雑記(21)

とうとう、国会速記者の養成が終わってしまうそうです。 衆参の速記者養成所90年の歴史に幕 今月、最後の卒業生 今まで、速記者養成所のことは、ほとんど知りませんでした。 記事によると、 ----------------------------  養成は国費で行われ学費は無料、議員の発言だけでなく、ヤジ(不規則発言)も書き取る技術が求められるため、授業は厳しい。最近では、1学年の生徒数が7、8人という少数精鋭主義を取りながら、その生徒をさらにレベル別に「A組」と「B組」にクラス分けして授業を行ってきた。速記の習得だけでなく、大学教員らによる法学、英語などもある。  また、養成所の定期試験で基準を超えるミスを出した生徒には「退所勧告」も行われる。衆院養成所ではここ数年、毎年2、3人の生徒が心ならず去ったという。衆院養成所の原邦雄所長(58)は「退所勧告を本人や親御さんに伝えるのが一番つらかった」と振り返る。だがこの厳しさを乗り切ると、2年半後に両院に採用されるころには分速360字(秒速6字)という、一般の人が文字を書き取る約10倍の速度に対応できる技術が身につく。 ---------------------------- とあり、「厳しいんだろうなあ」と漠然と思っていた訓練の具体的な姿が見えてきます。 この時代、速記文字を「書く」部分が、ほかの技術に置き換わるというのは仕方ないでしょう。 そこが一番華やかに「特殊技能」に見えるからでしょうか、その技術が置き換え可能になったからとおしまいにするのは、なんだか納得がいかない気がします。 変幻自在、意味不明、天下御免の話しことばを正しく聞き取る技術。その訓練。 聞き取ったことばに最低限(あるいは最大限)加工をほどこして、読んでわかる文章に整える技術。 そこの部分が本当は大事なはずなのに。 まさか「音声認識」にそんなことができるようになると? 「音声を文章にする技術」を評価するような指標は、私の知るところではまだありません。 もしかしたら、音声認識の開発の場には、そういうものがあるのでしょうか。 でも、それは例えば、美しい鳥のさえずりを楽譜にしようというような努力に似て、どこかトンチンカンなものになってしまうのではないでしょうか。 コンピューターが情報を処理できるのは、人間が教えてやってるからなんですよね? 話しことばをきちんと聞き取って、微妙な判断を加えて文章にするということを、誰がコンピューターに教えるんでしょう。 仮に、教えられる人がいるとしても、無限にあるパターンを網羅するわけにはいかないと思います。 すると、どこかに抜け落ちる「必要な情報」が出てくるのではないかと。 介護ロボットとか、自動手術マシンとか、そういうものと本質的には同じなのかもしれません。 夢としては素晴らしいけど、ほんとにできたらコワイような・・・・ この最後の速記者さんたちが仕事を引退するころ。 どんな時代になっているのでしょう。

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