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ぼくがもっとも尊敬する人物の一人がこの人です。
別に偉人でもありません。
一自動車会社の総務部の平社員です。
ばりばりな社員でもありません。
総務という部署はいわば会社の専業主婦のようなとこです。
花形でもないし、脚光を浴びるチャンスも他の部所と違ってまずありません。
でも、もしなかったら会社は動けなくなります。
暴力団絡みの総会屋からトイレットペーパーや蛍光灯の交換まで扱います。
六平太はなぜか社長や役員から事務の女子社員まで皆から慕われ、頼られています。
人が求めるべき人生や幸福感のつぼを心得ているようです。
おそらく出世していこうが社長になろうが同じ人物像でいるのでしょう。
上昇願望は人を鍛えますが、本人は決して気付かない哀れな存在にもしてしまう両刃の剣です。
そんな人は些細な物事の判断までも「損得」と「ステイタス」を基準に求め、そしてオイシソウな場所、人を求めて歩くのが大好きです。
成功者と人格者の似ているようで月と太陽ほどの違いは、そんな心の目線次第のようです。
いわばこの六平太は「無冠の王」といったところらろか☆