|
カテゴリ:disillusion
![]() 彼もやはり時代の先駆者であり、常識を超え理想を現実に変えていった作詞家、プロデューサー、そして音楽家であった。 この「企み」の仕事術という冷徹なタイトルの中に潜む、こよなく音楽、言葉、歌を愛して、その上でいかに時代の中で「作品」と呼べるものを残すのかに一生を捧げた想いが詰まった本だ。 とても勉強になった。 この本を読んだ事で、詞や言葉というものにまだ漠然としていた摂理のようなものが少しだけ身に沁みたように思う。 どんな仕事でもそうなのだろうが、作詞家という仕事もやはり社会で生きる人間の縮図を体現することに変わりはないようだ。 そして大御所と言われた彼はやはりあくまで青年であった。 グループサウンズに端を発した彼のキャリアは3000曲以上の作品を残していく中で、歌と世、歌と音楽、歌と人間、歌とビジネス・・・どの角度ひとつをとっても最終的決断において迷いがない。 そしてそれはあくまでこだわりと理想と信念に貫かれていたのである。 詞を書く人間として自分の未熟さを実感し、しかしながら自分の信じてきたことに自信と勇気をもらい、もはや迷うことなくより自分を信じることができるような気がする。 そんな読後感である。 ぼくにとって今後最高のバイブルとなるであろうし、砦となるであろう。 音楽関係者すべてに読んで欲しい本だなと思った。 (デビュー前24歳の頃に多摩大学の校歌をCDにした折、そのパーティーでご挨拶をした。 とても優しいまなざしで一言褒めて頂いた想い出がある。 せめてもう一度、大人になった今お会いしてお話を聞きたかったな。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 29, 2007 01:34:02 AM
[disillusion] カテゴリの最新記事
|