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フリーライター・奥田実紀のブログ

2017.10.23
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スコットランドでお茶が栽培されてているの???!!と、私も驚きました。
 紅茶の国として知られるイギリスですが、寒いので自国でお茶の栽培はできず、植民地だったインドやスリランカでお茶を栽培させていたのです。しかし、コーンウォールの「トレゴスナン・エステート」で、英国初の自国産紅茶が完成したということで、大きな話題になったのが2005年でした。
 それが、もっと北部のスコットランドでもお茶が栽培されているなんて!! え、お茶を栽培しているのは、スージーさん一人じゃない?! 9人のグループ??? 知れば知るほど興味がわいてきます。

 スージーさんたちは「Tea Gardens of Scotland」というグループを作って、インドやスリランカのお茶とブレンドしない、100%スコットランド産のお茶作りを成功させたいと、がんばっておられます。(前述したトレゴスナンの紅茶は生産量が少ないため、インドの紅茶とブレンドされています)
 スージーさんはスコットランドで個人的にお茶栽培を始めた先駆者で、茶の苗木を20株植えたのは2007年。しかし自己流で作った紅茶はうまくいかず、きちんとした紅茶が作れるようになったのは2015年からだそうです。現在「Kennettles Gold」という名前で販売している紅茶は、トレゴスナンから譲り受けたダージリンの茶樹300株から作られた100%スコットランド産、手摘み、手揉みの紅茶です。エディンバラの「Pecoe Tea」が買い取ってくれたことは、スージーさんの大きな自信になったそうで、スージーさんの紅茶は現在このお店でのみ販売しています。

 寒さで苗がだめになったり、植え直したり…という苦労をされながらもこれまで諦めずに挑戦し続けてこれたのは、一人ではなく、仲間がいたからでもあるでしょう。お茶を栽培したい仲間と一緒にグループをつくり、スリランカで茶園復活の経験を持つべバリー=クレア・ウェインライトさんをティー・コンサルタントとして迎えたことで、スージーさんの紅茶のレベルも、グループの士気も大きくあがりました。他の真似ではない、スコットランドでしかできないオリジナルの紅茶がきっと作れるはず!!!と、べバリーさんもスコットランド、その土地に合った栽培や製造方法をアドバイスされているそうです。

 お茶専用の道具もなく、工夫をしながら作ってきましたが、これから量も増やしたいし、レベルもあげたいし、紅茶以外のお茶もつくりたいということで、10月はじめ、静岡に10日間ほど、お茶の視察体験旅行に来られました。(スージーさんと一緒に来日された、デボンでお茶栽培を始めるアリソンさんについては、現在発売中の雑誌「RSVP」に記事が載っています)

 東京のCha Tea紅茶教室さんからのご紹介で、私は、スージーさん達の希望に合わせて、農家さん訪問やお茶体験などをコーディネートさせていただくことになりました。私が直接スージーさんたちとやりとりしたわけではなく、間に、アンティークカップのディーラー・ウィルク弘美さんが入られました。弘美さんは通訳担当として、10月の静岡視察ツアーにも同行されました。ツアー内容の打ち合わせで、弘美さんと私は何度もお電話やメールのやりとりをさせていただき、まるで古くからのお友達のような(まだお目にかかっていないのに(~_~;))親しみを(勝手に・笑)感じていました。

 私のイギリス訪問が、スージーさんたちの静岡訪問よりも一カ月早かったため、せっかくスコットランドに行くなら、お目にかかれれば、と思い、スージーさんにご連絡。(だって、キリミュアから車で20分のところにスージーさんがいらっしゃるんですから!!!) ぜひ家に遊びに来て!!!と喜んで受け入れていただいたんです。うちで夜ごはんも食べてね!!との、ありがたいお申し出。
 さらに、「べバリーも呼んだからね~」とのメール。きゃ~~~どうしましょう~~~。心配なのは私の英語力。結局、半分くらい(いや、半分以下か!?)、会話がわからなかったけれど、スージーさんも、べバリーさんもいい方で、あっという間に4時間以上がたってしまったのでした。

 スージーさんの3代前のおじいさんは、なんと、あのチャールズ・アレグザンダー・ブルース(インドでアッサム種の茶樹を発見したロバート・ブルースの弟。亡くなった兄の思いを継いで、中国種とは異なる変種・アッサム種であるとイギリス政府に認めさせ、その後紅茶生産の責任者に任命された)だそうです!! まじか!!!というくらいの、一番の驚きでした!!! 遺伝子が、スージーさんをお茶栽培に向かわせたのかもしれませんね。スージーさんがお茶に興味を持ったのは、農場の多角化と、機械が入らない変形した土地の有効活用にお茶がいいのでは、と思ったからだそうです。



 冬は寒さが厳しいので、ビニールハウスで育成(広さは10アールくらい)。ここにある300本の茶樹からKinnettles Goldの紅茶が作られます。収穫は5~6月と言っていました。一回の収穫からできる紅茶はほんのちょっと、ファースト、セカンド、という分けができないので、作った紅茶を保存しておき、ある程度まとまったところでブレンドしているそうです。2015年は2キロ、2016年は1・5キロという生産量です。



 広いウォルド・ガーデンWalled Garden一面にも、苗が植えられています。『秘密の花園』のイメージが強いウォルド・ガーデン。まさか茶園になっている姿を見るとは!! 驚きと同時に感動さえ覚えました。ウォルド・ガーデンは寒いイギリスで植物や野菜を育てるための知恵なので、確かにここを茶園にしてもいいわけですが、スージーさんのウォルド・ガーデンはとても大きいので(1エーカーくらい?)、本当に圧巻でした。この大きなウォルド・ガーデンは、お隣に建っているKinnettles Castle(1860年代築城)の所有だったそうです。納得! 当時のヴィクトリア朝の人々は、将来ここで、お茶が栽培されるとは、想像もしていなかったことでしょう!!
 苦労している点は?と聞くと、雪、霜、そして強風、虫だそうです。(寒いスコットランドにもやっぱり虫がいるんですね)



 ↑ ヴィクトリア朝の温室の中でも苗を育成中。(この温室の建物に私のハートは高鳴りましたよ・笑)
 強い茶樹にしたいと、種からも育てています。種から育てるのは、おそらくイギリス初の試みだろう、とのこと。寒さに強い品種ということで、ジョージア(旧グルジア)の中国種の種と、ネパールの種から現在30~40cmまでに育っている茶木は4000本ほど。地植えして大きくし、それらをいずれは選抜して、丈夫で良い木にしていきたいといいます。時間もお金も忍耐もいる仕事。スージーさんたちはオーガニック栽培を目指しているので、さらに手間がかかるでしょう。

 こちらの動画で、スージーさんたちグループの取り組みのお話が聴けますよ→https://teagardensofscotland.co.uk/japanese

 余談ですが、べバリーさんと、TGSのメンバーの一人であるキャサリンさんは、来月11月、京都のお茶博に来日され、発表されるそうです! 発表は11日らしいのですが、私はその日からまたイギリス取材へ行ってしまうので、行き違いで発表は聴けませんが、しばらく京都に滞在されるのでどこかでお目にかかれればと願っています。お茶がつないでくれたご縁が、思いもかけず、どんどん広がっています。

(旅行記はつづく)

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最終更新日  2019.05.17 16:23:50
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