オリーハウス　　

DVDと原作

昨日は実家に片づけに行かない！と決めて
自分のための休日を作りました。

二つのＤＶＤを見たのです。
で、一つ目は「しあわせな孤独」2002年配給のデンマーク映画。
デンマーク・アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品です。

007の悪役シップル役で有名なマッツ・ミケルセンが主役です。

デンマークでは国民的俳優だそうで以前からこの人、気になっていて
ブリュッセル滞在時も新しい映画の主役の看板を見てしまったりで、
見たかったんですよ～～～。

ヒロインにはソニア・リクターが出演しています。
マッツ・ミケルセン以外はすべて初めて見た人ばかり。

ストーリーは
結婚を目前に控えた幸せなカップル、セシリとヨアヒム。
ある日、不意の事故でヨアヒムは全身不随になってしまう。
ヨアヒムは未来に絶望し、愛するセシリにさえ心を閉じてしまう。
そんな彼女の孤独な心を救ったのは、加害者の夫ニルスだった。
運命に翻弄された男女4人のしあわせと孤独についての物語。

非常に考えさせられました。身近にこういうこと、
あると思うんですよ。
話す事以外、首から下は麻痺している恋人と何とかやっていきたいと
看病をするセシリをヨアヒムは拒絶します。
ヨアヒムはあまりのショックにとても現実を受け入れられないので
セシリとも分かれたくなるのです。
一方妻の起こした大変な交通事故の被害者のフィアンセに
償いの気持ちで一杯のニルス…

ストーリーを知らずに見たのですが、
病院の食堂でニルスがセシリに二度目に会った際に
まじめ一方の医師ニルスの眼差しの奥にときめいてしまった
一瞬があるのが私には分かってしまってドキッとしてしまいました。

許されない事…でも止められない事…
人の世には常にそれがつきまといます。
そうした環境の中で誰も傷つかずに生きて行くにはどうしたらよいのだろう…
登場人物はみな「善良な人」なのでそれぞれが違った形で
非常に悩み、苦しみます。
このあたりがクリーンな国、デンマークを感じてしまいました。

すっごくピュアな作品で、また心の奥深くに
ずしっとくるストーリーです。

この作品はテレビドラマでも良いかもしれない…とも
思えました。スクリーンが大きい必要があまりないのです。
心の中の表現だから…

北欧の映画のテンポ感はやや邦画のそれにも似ており、
違和感がありません。北欧家具もたくさんでてきて、
さらにセシリのファッションが、超キュートで、
セシリの着ていたコート、カーディガン、全て
着てみたくなりました。女の子らしい、手編み風、
キルト風な洋服の数々。

007の時とは全く違う真面目で不器用な医師を演じきる
マッツ・ミケルセンの演技の奥深さにまたまた感動してしまいました。
よく働く医師ですが、子煩悩で子供達を買い物に連れて行ったり
華美ではないけれど、みんなでお誕生パーティをしたりと、
彼の演技からヨーロッパの質素でありながら心の豊かさが溢れている、
そんな生活環境が読み取れます。
この役どころは、個性的な役ではないから難しかったと思います。
繊細な目の動き、心の動き…言葉の間合い…
悪役ではない彼もたまらない魅力でしたよ。

是非オススメします。
しあわせな孤独 公式サイト