2019/01/22(火)10:51
若手社員へのおすすめ本『仕事は段取りとスケジュールで9割決まる!』
以前、会社で自分が面倒を見ているチームの
メンバにグループスタディとして、
『プロジェクトマネジメント』を行いました。
自分は主にソフトウェアを用いたソリューション
チームをいくつか持っており、インフラ系の
仕事を国内外で手掛けています。
チームメンバにはアジアの外国人や欧州人もいます。
(しかし、所謂ダイバーシティ化を標榜する
ものでは無いです)
ちなみに、冒頭で”以前”と申しましたが、
ついこの間、2017年の事です。
1997年の事なら頷く人も多いと思いますが、
去年、改めてプロマネについてをやり直す
必要性を感じて、半年かけて実施しました。
そのときのことは、凄く長いブログですが、
以下にリンクを貼ります。
よろしければご覧になってみて下さい。
童話で分かる・・の本を使ってのプロマネスクール
こういった本を活用してのスクールは、
・OJTの限界を感じた
・年齢差の障壁を除去したかった
という状況に於いて、大変有益でした。
その際はスクール方式として、先輩社員が本を
使って理路整然とした説明をしつつ、
自分の体験を織り交ぜながら、
若手社員の現状を聞き出し、
会話をする・・・という点にとても重きを
置いて進めました。
一般的に、街で売られている本の内容は
素晴らしいですが、チャンピオン・データの
集まりとも言えます。
際立った例示をもとに説明が繰り広げられ、
読者はとても納得がいきますが、
実際の自業務に照らし合わせてみると、
ちょっと適合が難しくなったりします。
この適合の度合いというのは仕事で成果を
出すことに直結する一番のポイントですが、
定性的なものであり、新入社員や2年目といった
若手にはかなり難しいポイントです。
多くの場合、ちゃんとやろうと意気込んで
やりすぎてしまい、時間が大量にかかって、
その反面効果は大して体感できない・・・という
ディレンマに陥ります。
これはかわいそうなことです。
せっかくやる気があるのですから、それが成果に
すこしでも結びつき、本人が「よし」と納得
できるようにしたい次第です。
結果的に前回のスクールを行った後、
自分のチーム・メンバーの若手たちは
上手くこなせなくて時間ばかりがかかり、
長続きしない、という悪い状態になっていました。
どんなことでもそうですが、”本当に必要なこと”
にかける時間を上手くコントロールしないと、
時間が足らず、やりきれなくなってしまいます。
ところが、この”本当に必要なこと”は
当初の計画から着手し始めたあとで動的変化する
性質があります。
(どんなに頑張って計画をしても、やり始めてから
分かることがある、というひとつの事実です)
所謂、お仕事が出来る人は、この変化点を
見逃さず、即座に”必要なこと”への対処を行い、
コントロールできるレベルになるようにします。
ひと昔前までは、こういった受動的な動的変化
検出にもとづく対処行動は、計画性が低いと
揶揄されることも多かったのですが、
現代社会ではそんな完璧な計画立案も、
進行管理・操作も簡単にできるとは思えません!
そのため、目的に向かって多面的な構成を持つ
チーム・ワーキングというものが改めて重要です。
このようにプロマネ教育で中堅は伸びる方向
になれましたが、若手は戸惑いやプレッシャ及び
中堅とのギャップを感じ、停滞気味となって
いました。
チームで働くことを意識して、昨年プロマネの
スクールをやったのですが、それだけでは
まだ不足がありました。
(これは自分の若手に対する認識の不足が原因です)
そこで、まずは成果管理、着手管理うんぬんでは無く、
一番基本の時間管理について、どうしたものかと
考え、若手と交換日記のようなことをしたのですが、
自分は海外へ渡航しての業務が50%もあるので、
全然直接の交流ができません・・。
こういったギャップやディレンマというのを
若手たちが感じられる職場になっただけでも、
まあいいのか・・?と思いつつ、
そんな緩慢で婉曲な環境頼りの社員育成では
相手の時間を浪費するだけなので、
いいわけないだろうという気持ちも強く、
どうしたものか・・・と困り果てていたところ、
一通のメールが届きました。
昨年、自分がスクールを社内で行ったとき、
使わせてもらった『童話で分かるプロジェクト
マネジメント』という本の著者である飯田さんから
のメールでした。
面識は全くない方ですが、何点か本の誤植を
指摘して、メールのやり取りを少ししたのを
覚えていて下さったようで、連絡をいただけました。
ありがたいことです。
飯田さんは、その後も様々なビジネスの傍ら、
執筆活動を続け、新しい書籍を出版されたようです。
『仕事は
「段取りとスケジュール」で
9割決まる!』
飯田剛弘著(明日香出版社)
嬉しいことに、飯田さんからこの本をプレゼント
していただけました。
届いてすぐに完読し、何点かメモを書いて、
2.5度ほど読み直しました。
題名からして的を射ていますが、
若手メンバのことを頭に描きながら、読み返すと
大変納得のいく内容が書かれており、
自分のチーム員分の本をネット購入しました。
(電子書籍では無く物理的にページをめくる本です)
この本の明示的な対象読者は若手ですが、
敢えてマネージャやGMクラスも読むべき
内容だと思います。
特に、この本を読んだマネージャクラスの人物が
どういった感想を持つか?
を試してみると良いと思います。
「自分も同じようなことをやってきたな・・うむ」
と自分の過去キャリアになんとなくテンプレート
マッチングさせ、学ぶチャンスを放棄してしまうか、
「なるほど、そういわれてみると今の若手には、
いやそれどころか自分にも・・」
と自らの視野を広げ、チーム員と共に自らのキャリアも
アップデートする意思を持ちなおせるか、です。
今回、若手と向き合うに際して、
自分のキャリア・ベースドでのスクールにしては
いけないと考えていました。
プロマネのスクールは中堅以上に十二分な効果が
あったと断言できますが、若手には自分らの
行動理念、目標及び目的が時に暗示的になって
しまったため、戸惑いを起こさせたと考えます。
この本の前半を読んでいる最中に、
「ここまで丁寧に言う必要があるのだろうか」
「おや、これはわざわざいう事なのか」
という考えが何度か頭がよぎります。
若手に対し、明示的に
・会社や社会の要求事項は何なのか?
・要求事項を探ったり、理解したり、本質を考えたり
することとは、どういうことなのか?
を説明することの大切さが書かれています。
こういったところから若手との接点や
意識の共有を行っていけば、若手は中堅社員との
差を認識できるようになるのではないのか?
と思えます。
実はこの点について、飯田さんからもある程度
若い世代に向けて書いた本である旨を聞いていたので、
心構えが出来てから読めたのもラッキーでした。
本の内容を一部ご紹介します。
・「すべてがうまくいけば間に合う」願望を捨てる
・余裕があっても締め切りギリギリになるのが仕事
・「切り替えコスト」を体験してみよう
・「1日は480分しかない」と考える
・「合格ライン」をハッキリさせる
・助け合うと自分の時間も増える
・予定はできるだけ共有するほうが話が早い
ほかにも挙げたい項目がたくさん書かれています。
前のプロマネ本もそうでしたが、飯田さんの本は
余白が多く、読みやすいうえに、自分の意見を
書き込みやすいので自分は非常に好きです。
(著作権保護のため、ぼかしています)
自分はこれまでプロマネのスクールを行って、
中堅、若手と十分な交流が行えたことに満足し、
あとは頑張って個人がやれば、チームは輪を
もって周っていくでしょう、と考えていました。
実際、それは中堅社員から十分に見て取れました。
そのため、自分はちょっと勘違いしてしまいました。
「ようやく自分の普段言っていることが理解して
もらえたな、ああ良かった」
というような楽観的過ぎるものです。
昨年より改めてプロジェクトマネジメント、
スケジューリングのスクールをチームメンバーと
開催し、最終的に気づいたのは、自分が一番
考え方やセオリーをガチガチに凝り固めている
という現実でした。
自分も常にアップデートし続け、それに終わりは無い
という考え方はこの本に書いてある通りですが、
そこに改めて気がつけました。
まだ、気づきのはじまりですから、これからも
たくさんキャリアを更新していきたいと思います。
自分は20年以上前のサービス残業てんこ盛り世代
であるため、自分の自由な時間を犠牲にすることで
仕事を覚えてきた悪いキャリアを持っています。
しかし、相当数の仕事をこなした結果、様々な人脈が
いつの間にか生まれ、結果的にそういったルートから、
個別に声が掛かるようになり、欧州の団体に呼ばれ、
国際規格の作成メンバになったり、
ここ数年はアジア各国の仕事もするようになりました。
日本の文化が一番好きですが、仕事をするうえでは
外国に学ぶべき点も多くあります。
(特に個人の尊重、休暇、会議と議論の仕方)
そろそろラストチャンスかもしれませんが、
この度の気づきでまた新しいキャリアが積めると
良いなと思います。
こうして読書感想を書いていると、若手への教育本
レビューのつもりが、自分のこれからのことに
なっていました。
PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント [ 飯田剛弘 ]
仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる! [ 飯田 剛弘 ]
自分はコンピュータエンジニアですが、
万年筆の筆記がこの上なく好きです。
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