シャラポワ復活か!
東レ パン・パシフィック・オープンテニスストーナメント9/30(水)のセンターコート第1~5試合を観戦してきた。 第1試合: C・ブラック/L・フーバー 6-2, 7-6 F・ペンネッタ/L・レイモンド世 界ダブルスランキング1位のC・ブラック/L・フーバー組が貫禄勝ちを収めた。しかし、各プレーヤーの実力は非常に拮抗していた。40−40の ゲームを全て取ったC・ブラック/L・フーバー組は、接戦となった第2ゲームでもタイブレークを一方的スコアーで勝利をものにした。大事なポイントをしっ かり取るC・ブラック/L・フーバー組とプレッシャーのかかるときにイージーミスを繰り返したF・ペンネッタ/L・レイモンド組の差が目立った試合であっ た。中ロブに近いスピードのあるストレートロブリターンで、相手の陣形を崩す。前衛がセンターでしゃがんでネットより背丈を低くして構え、その頭の上を通してセンターを狙っ ていくサービス。2バックのレシーブフォーメーションから、2アップに変化していく組み立て。スライスロブで頭上を抜かれても、二人のうちどちらかが諦めずに追いかける。トップスピンロブに対しては、頭上を抜かれる前にボールに飛びついて、ラケットに当てる。等々、最近のダブルスの戦術の勉強をさせて貰った。 第2試合: M・バルトリ 4-6, 6-2, 7-5 A・パブリュチュンコワ今 日1番の長時間の対戦となった。予選から勝ち上がり、V・ウィリアムズを破って3回戦位上がってきたM・バルトリ。強力な両手打ちフォアハンド、コートを 縦横無尽に走り回るフットワークは目を見張った。第1セットからデュースの連続、試合は際限なく続くのではないかと思われた。誰もが第3セットのタイブ レークを予想したとき、A・パブリュチュンコワのダブルフォルトで大接戦の幕が下りた。第3試合: J・ヤンコビッチ 6−1,3−0 E・ベスニアシングルス世界ランク1位のJ・ヤンコビッチの安定した強さを見せつけられた。E・ベスニアが股関節に違和感を覚え動きが悪くなったこともあり、試合は一方的になってしまった。彼女の途中棄権で試合は終わった。第4試合: M・シャラポワ 2-6, 6-2, 6-2 A・クレイバノバ第 1セットは、A・クレイバノバの強力なサーブ、ボールに追いつくスピードに圧倒され、M・シャラポワは、ダブルフォルトを繰り返し、一方的なゲーム展開と なってしまった。このままA・クレイバノバに押し切られてしまうのかという不安をよそに、第2ゲームからのM・シャラポワは、別人のようにA・クレイバノ バのサービスをしっかりリターンし、ファースとサービスを決めた。グランドストロークのラリー戦も、コートをフルに使って相手を振り回し、最後は、コート 隅にぎりぎりにエースを決めるという素晴らしいテニスをやってのけた。強く美しい、M・シャラポワがかえってきた。この試合が、サーブ、ラリーのスピード、力強さ、ストロークの正確さ等あらゆる点で、今日1番のハイレベルのゲームであった。第5試合: A・ラドワンスカ 6-4, 3-6, 6-3 A・ペドコビッチ M・ シャラポワの試合が終わり、観客、報道カメラマンが一斉に帰ってしまった後、素晴らしい試合が展開された。クールに試合をすすめるA・ラドワンスカと、闘 志を前面に出すA・ペドコビッチの対戦であったが、互いに、ベースラインの撃ち合いから、チャンスを見て前に詰める、ドロップショットを使うなど、多彩な 攻撃の応酬となった。第1セットは、A・ラドワンスカが落ち着いてキープしたものの、第2セットは審判の判定に集中力を失い、一方的にセットを落としてし まった。このまま、流れは、A・ペドコビッチに行くのかと思われたが、結局冷静さを取り戻したA・ラドワンスカが勝利をもぎ取った。今日は、ダブルス、シングルス世界ランキング1位の試合と、復活の兆しを見せてくれたM・シャラポワの試合を観戦でき、非常に満足した。M・シャラポワ、優勝のチャンス充分ありという感触だった。一方、審判の判定が不明瞭で、選手が不満を訴えるシーンがたびたびあった。このトーナメントが今後も上位ランクの選手に参加し続けて貰うためには、4大トーナメントで行われているようなハイテク技術によるin-outの判定方法の導入は必須と思われた。