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家曜日~うちようび~

2017.07.29
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「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」山本五十六



つい先月のこと。二階の四畳半に机を設置しました。僕と妻の学習机です。
机は無印良品の折りたたみテーブルを二台並べています。


椅子は結婚当時なけなしの金をはたいて買った、格安ホームセンターの食卓テーブル用の椅子です。
妻のおかげで物置から出て再び日の目を浴びたこの椅子たち、角が欠け、あちこち傷んでいて、なんだか昔の学校の椅子みたいで僕は好きです。
普通は机に合わせて椅子も新規購入するものですが、うちの妻は時々こういう変化球を投げます。


それにしても無印良品の机は、こんな変化球をぶん投げられても、名捕手の実力で見事に受け止め、サラッと調和してみせますなぁ。
たぶんこの「個性的でありながら他と合わせるとサラッと溶け込む」という「調和ぢから」に、無印良品の人気の秘密がありそうじゃなと。
素人ながらに。

実は妻は今、資格試験に挑戦中です。これまで一階のリビングの食卓で勉強していたのですが、製図道具なども使う資格なので、家事や育児や食事の度に机の上をオールリセットしなければならないのが大変だったとのこと。二階に机を置いて勉強すれば、他事に迫られても机の上を一時停止状態にしておける。というのがこの度の購入理由。
ちなみに僕は仕事柄、一級なんたら施工管理技士という資格を2こ、なんたらかんたら技術者という資格を2こ、あわせて4この国家資格を取得してます。
講習代がもったいないので独学で勉強し、試験代がもったいないのでほぼ現役合格しました。高卒で現場作業員あがりの工事監督として、
他の立派な大学を卒業した同僚たちに負けたくなかったし、そもそも頭の出来がわりーので、ふつーにすげー勉強しました。
僕の受験中には当然こんな机は無い訳で、僕はもっぱら四畳半の床にナメクジのようにうつ伏せに寝そべって勉強しました。
個人的には集中しやすい姿勢なので、勉強の気分がのった時は、寝そべったまま気が付くと窓から朝の光。逆に疲れた時や気分ののらない時は、
同じく四畳半の床に寝そべったままグーグー眠った。

殺風景だった四畳半が、やっと部屋らしくなったなぁ。と感慨深く眺めていると、妻から突然の提案。「私が試験に合格したら、この机は不要になる。オシャレな机なので、娘たちの学習机として子供部屋に移したいと私は思うが、あなたはどう思うか?」とのこと。
これを聞いて僕の心中、何とも整理しがたいモヤモヤが渦巻く。が、とりあえず返事はしなければならない。そんで返事した。
「絶対嫌だ。」
妻、「えっ?」と驚き、同時に眉間に深かきしわ。以下夫婦の会話。
「嫌だとは何だ!大人げない!子供に机を譲るのがそんなに惜しいか!このケチ!」
「ケチではない。これはパパとママの学習机だ。子供の机はまた別で考えればよい。そもそも机などなくても勉強は出来る。」
「気でもふれたか!机なしでどうして勉強ができる!」
「僕は『ナメクジ勉強法』を発案した、ある偉人を知っている。」
この時、妻の表情が豹変。我が子のことで議論しているにもかかわらず、「貴様!これ以上訳の解らんことほざいてみろ、貴様の子々孫々、末代まで祟ってやるぞ!」と言わんばかりの憎悪の眼光。いや~妻と僕は長いからね。こうなると、この後、イーッとなって、キーッとなって、ワーッとなるのは間違いないのだ。だから僕はしらーっとトイレに避難。トイレに逃げ込み、ズボンをおろし、何も出ないのに便器に着座しながら、僕は自分が何故子供に机を譲ってやるのが嫌なのか、自分の気持ちを整理してみた。そんで、整理がついた。


冒頭の、軍人・山本五十六氏の言葉を再度読んで下さい。人材育成のすべてを言い表している名言です。「言葉ぢから」が凄過ぎる。入力しているキーボードにビンビン伝わってくる程に。ではひるがえって、日頃子供たちに「勉強しろ、勉強しろ」と口うるさく言っている我々親は、勉強を先ずは自ら「やってみせ」ているだろうか?毎日働く姿、家事をする姿、子育てをする姿などは、自ら懸命にやってみせてはいるが、そして子供が自らの背中を見て学んでくれることをどこか願っているが、ことが「お勉強」となると「かつてはやっていた。」と過去形で言ってみるばかり。または「自分は訳があってまともに勉強ができなかった。だからお前たちはしなさい。」と開き直ってみるばかり。人材育成で大切なしょっぱなの「やってみせ」を省略し、
いきなり「言って聞かせて」「させてみせ」、あとはひたすら「ほめてやる」。これじゃいけねー。・・と思う。
資格試験に限らず、広い意味での「お勉強」を、「学問」を、親は止めてはいけない。親として先ずは子供にやってみせなくてはならない。そうすりゃガミガミ言わんでもガキも勝手に勉強するわい!・・と思う。だから妻もこの資格試験が終わっても「お勉強」は止めてはいけない。だから机はいる。僕もやめない。今年、新たな資格に挑戦します。だからあれは、パパとママの学習机だ!子供なんかに絶対やらねー!

そう僕は心で叫んでいた。いや、心中で叫んだつもりが、感極まって最後の「絶対やらねー!」の一節をつい声に出して叫んでしまった。
すると、薄暗い便所の扉の向こうから「・・・聞こえたぞ。」と地響きするほど低い妻の声。腹の虫がおさまらずトイレまで追いかけてきやがった。
扉の向こうで仁王立ちしてやがった。開戦前夜の兵士のような殺気が扉越しに漂いまくってきやがった。
僕は恐怖のあまり、ズボンをおろしたまま、尻を浮かせ、施錠してあるはずのトイレのドアノブを必死で掴んだ。

助けて。…怖い。

親は子供に「お勉強」をやってみせなくてはならない。
そして、間違ってもこんな姿はみせてはならない。



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最終更新日  2017.11.03 17:35:16
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