2018/10/15(月)08:38
マナーとは、理に適ったものであ~る。
学生の頃、お付き合いしていた彼女と喫茶店に入った。
ホットコーヒーを注文すると、トーストとゆで卵がついてきた。
でさ。
その時、その彼女、ゆで卵を何気に手に取り、な、なんと、自分のおでこでコチンと割った。
僕は、驚きのあまり、飲みかけていたコーヒーを、志村けんのコントばりに、
んばああってテーブルに垂れ流してしまった。
僕が、彼女の奇怪な行動を問いただすと、彼女曰く「うちでは家族全員そうする」と言う。
お金を払う立場とはいえ、人様が所有するテーブルに、無断で卵をコツコツぶつけるほうが非常識だと言う。
逆に、ゆで卵の殻の割り方の「マナー」があるなら教えて欲しいと言う。
まあ、確かに彼女の言う事にも、一理ある。
でもさ、するかね、ふつー。ははは。
本編とは全く関係ありませんが、先日、長久手市「モリコロパーク」に行ってきました。
この「モリコロパーク」、近い将来「ジブリパーク」として生まれ変わります。
さて。
マナーとは、理に適ったものであ~る。
ご飯は右、味噌汁は左という、和食の配膳位置から、洋食のナイフやフォークの使い方、はたまた公共マナーに至るまで。
どんなマナーにも、その行為の道理に合う、もっともな理由があるから存在するのであ~る。
社会人たるもの、最低限のテーブルマナーや公共マナーは知っておきたいものであ~る。
で、あ~る。
あ~る。
R。
んんん?・・・いや、待てよ。
逆を、言えばさ。
逆をね、かなり乱暴な言い方で言えばさ。
テーブルマナーや公共マナーなんて、ことさら勉強せずともよい。
日々、深く広く考え、常に理に適った行動をとっていれば、おのずとマナー違反は回避できるし、
知らず知らずに、ばっちりマナー通りの行動をとっていたりするものであ~る。
という理屈も成り立つなぁ。
うーむ、一理あるよなぁ・・・。
んなことを、
昼時のラーメン屋のカウンターで考えながら、
僕は、オーダーした豚骨ラーメンにのった具、四角い「海苔」の切れ端を見ていた。
チャーシューとメンマの間に挟まれて、スープの湯気にわずかに揺れる「海苔」を睨み据えていた。
うーむ、いつも思うけど、
これ、いつ、どう食べりゃいーんだ?
いつのタイミングで、どう食べるのが正解なん?
おい!ラーメン屋!どないせいっちゅーねんっ!
気なしだった頃はね、メインの麺やスープを食すのに、只々邪魔くさいだけだから、
割り箸割るや否や、さっさと海苔を食べて片付けていたのね。
でもよくよく考えたらさ、今日は麺硬こってり豚骨ラーメン食べたいぞー!って日にさ、
何で、先ずパリッとした磯の香から楽しまにゃならんのじゃ?と思うじゃんね。
でさ、このラーメンの海苔にだってね「正しい食べ方」「理に適ったマナー」ってのが、きっとある筈だろうと思ってね。
んで、まあ、ラーメンの海苔に出くわす度に、いろいろ試してきた訳なんだけどさ。
いっそのこと、スープに溶かしたらどうだろう?と思ってやってみたけど、
なんか、あおさの味噌汁みたいになっちゃって、あーあ、スープ台無しって感じで。
湯葉みたいに喰ってみるかと思って、スープにしゃぶしゃぶっと潜らせて、パクっと口に放り込んだら、
口んなかの上んとこに、海苔がてろんって張り付いちゃって、
かっかっかーって、かーってなっちゃって、取れやしねーんだこれが。
うーむ、きっと理に適った食べ方がある筈なのだか・・・。
観覧車を手に持つP子。ははは、あほくさ。
・・・てかさ、
そもそも、マナーなんて気にせずとも、飯は食えるし酒は飲める。
べつに、お上に捕まる訳じゃなし。
ただ、
まあ、
経験上、この浮世で、こっ恥ずかしい思いをし続ける事は否めぬ。
僕なんか、子供の頃、家族で初めて「ステーキのあさくま」に行った時、
店員に「焼き加減はどうしますか?」って聞かれてさ。
僕等三姉弟、レア、ミディアム、ウェルダンなんて親に教えてもらってねーから、知らねーしさ。
てか、実は親も全然よく分かってない感じでさ。
父)しっかり焼いてください。
母)私も、しっかりで。
妹)がんばって、焼いてください。
僕)がむしゃらに。
姉)しゃかりきに。
なんつって、家族一同、店員に「お肉を焼く時の心意気」お願いしちゃったりとか。とほほ。
あと、前の会社の社員旅行で北海道に行った時、夕食に豪勢な蟹料理をふるまわれたのだけれど、
今はみんな知ってるのかなぁ、フィンガーボールっていう、蟹を食べる際に汚れた手を洗うボールがあってさ。
職人一同、この金属のボールに入った水は何だ?つって首かしげちゃって。
結局、親方が「てめーら馬鹿だな、こんなもん蟹酢に決まってんだろ」つってさ。
職人一同、親方がそう言うのだからそうなのだろうってんで、
殻から取り出した蟹の身を、フィンガーボールの水に浸して、うんめーうんめーつって喰ってました。ぶわはっは。
うーん、本場の蟹酢は違うなあ、やっは素材の味を生かすために、まるで水道水のように薄味なんだな。
よ~く味わうと、霞のようにぼやけた酸味があるような、ないような・・・。
つってさ。
後で知ったけど、あれ、消臭の為に、レモンが絞ってあるらしい。ははは。
そうそう、妻と結婚する前、僕達も一応それなりの店で「両家の顔合わせ食事会」というのをしました。
僕、その時その店で「土瓶蒸し」という料理をはじめて見たんすけどね。
てかさ、僕の妻、両家の親、その場の誰もがファーストコンタクトだったのよね。
妻のお父さんなんか、
おやおや、高い料亭は違いますな、お茶を飲む急須も各自一つずつ・・・。
・・・あれ? お、おい!U子!なんだこりゃ!中に松茸やらネギやら具が入っとるがや!
おい!U子!こりゃ、お茶じゃねーぞ!ダシだ、ダシ!U子!こ、こいつぁ~ダシ汁だぁ~!
なんつって「これ、UFOかっ!土瓶型のUFOかっ!」ってツッコミ入れたくなる程「未知との遭遇」感ハンパ無く。
んで、その後「土瓶蒸し」の食べ方を知らぬ我ら一同は、「自称美食家」の義父の浅はかな憶測のもと、
なんと全員「土瓶蒸し」のダシ汁を白いご飯にしょぼしょぼと注いで、
へぇ~、料亭のお茶漬けはこうなんだぁ~、とか言いながら、しゃかしゃかっと、かっ込みました。
あと「自称美食家」の義父の浅はかな憶測のもと、急須の中の美味しそうな松茸などの具は、
こんなもん、扱いとしては煮干しや昆布と同じだぞ!ダシをとった後のカスだぞ!
ということで、誰一人手をつけることを禁じられました。たはははは。
おっと、んなこたぁ、さておき、
問題は、ラーメンの海苔である。
僕、この度、ついにラーメンの海苔の、
おそらくこれが「正しい食べ方」「理に適ったマナー」であろうという食べ方を発見しました。
①いきなり食べない。
②なるべく海苔をスープで濡らさぬよう注意しながら、先ずは麺やスープを楽しむ。
③ちょうど中盤にさしかかった頃、麺やスープの味に退屈せぬためのアクセントとして食す。
④スープにどっぷり浸すのではなく、海苔のパリッとした触感が残るように、適量の麺に巻いて食べる。
どう?どう?理に適ってません?
おそらくこれが、ラーメンの海苔のマナーだと思われる、間違いない。
さて、「ラーメンの海苔、どないせいっちゅーねん問題」を解決した僕は、充実感に浸りながら残りのラーメンを食した。
で、あとはスープを飲み干せば完食って、その時。
んんん?どんぶりの底で、何かがうごめいている。
・・・ゆで卵である。
レンゲで突っつくと、どんぶりの底をぶりんぶりんと縦横無尽に動き回る、半分に切ったゆで卵。
また、最後まで残ってしまった・・・。
うーむ、いつも思うけど、
これ、いつ、どう食べりゃいーんだ?
マナーとは、理に適ったものであ~る。
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