テーマ:本日のお勧め(389945)
カテゴリ:Q輔とU子と「Z級グルメ」
その昔、妻の友人がうちに遊びに来た時、僕等に同棲中の婚約者について、こんな愚痴をこぼしました。
彼が、義母の「手作りパン」以外のパンを食べてくれない。 市販のパンはもちろん、有名店の一流が作った美味しいパンも食べない。 私の下手な手作りパンなどもってのほか、ハッキリと「悪いけど食べる気がしない」と言われる。 他の料理の好みに偏りはない。しかし、ことパンに限っては、頑としてお母さんのパン以外受け付けない。 デート中でも、義母から「今、パンが焼き上がった」旨の電話があると、必ず実家に寄って焼きたてパンを受け取る。 確かに義母の作ったパンは、とても美味しい。けれども、何とも複雑な想いがする。 うーん、なるほどね。「人をダメにする家庭料理」の典型的なパターンね。 んで、そん時僕、何やら深刻な様子の彼女を和ませようと、こんな冗談を言った。 んじゃ「究極の選択」っす! ショックなのは、どっちーーー!? 最近ダンナが私の手料理にあまり手を付けず、そそくさと自室に籠ってしまう。 まさか部屋で隠れて、こっそり何か食べているのではないかと思い、そーっと覗いてみると・・・。 ① 暗がりで「コンビニの100円パン」をむさぼり喰っていた。 ② 暗がりで「義母の手作りパン」をむさぼり喰っていた。 さあ、どっち? ねえ、どっちがショック? そしたら、彼女、憤慨の形相で、 ②に決まってます! つって、以後ご機嫌斜め、話そこそこに帰っちゃった。 ・・・ははは、悪気はなかったんすけどねえ。 今思えば、意地悪な質問をしたかもしんない。ごめんなさい。 彼女、最近音沙汰ないが、「ママのパンしか受け付けないダンナ」と息災に暮らしているだろうか? ま、余計なお世話か。 そう言えば、会社の部下にも「僕は、家の畑で採れた無農薬野菜でお母さんが作った漬物があれば、何もいりません!」 と、爽やかな笑顔でニカッと笑う三十路前の社員がいるが・・・。 すんげー好青年なんだけどねえ、いまだに彼女もおらんし、とにかく食事が過度に偏食で・・・。 彼、これから、どんな女性と出会い、結婚してどんな衣食住を共にするのだろう? いささか心配。 ま、これも余計なお世話っすね。 でもまあ、母の家庭料理が美味すぎるってのも、時に、場合に、これ、罪な話だねえ。 さあ~て、今回のZ級グルメは? ご存知、「チキンラーメン」! うおお! こいつぁあ、ただのキチンラーメンじゃねーぞい! 「やみつき旨辛 アクマのキムラー」ときやがったかコンニャロー! こう言っちゃなんだけど、僕と「日清食品」の付き合いは、長げえぜ。そして、深けえぜ。 思春期の頃、母が夜遅くまで働いて家にいねーから、妹と二人で「日清食品」ばかり食べていたからな。 なおかつ、僕の母は、僕が高校を卒業してから二十歳ぐらいまで、僕に一切メシを作ってくんなくてね。 当たり前だ。定職に就かず、バイトも続かず、実家に食費も入れぬバカ息子に、喰わすメシなど無いってこった。 「お願いだから、さっさと出て行って下さい。これが母の愛です。」とか言われたもんだ。とほほ。 だから当時の僕は、夜中に母の食べ残しを漁るか、なけなしの金で買った「日清食品」を食べ、飢えをしのいだ。 僕の血と骨は、日清のチキンラーメンとカップヌードルで出来ている。と言っても過言ではない。ははは。 いやあ、当時流行り始めた「ニート生活」が出来ると思ったんすけどねえ。 やっぱあれね、「引きこもり」になるには、先ず衣食住が整った環境が最低限必要なのね。 僕、腹ぁ減ってしょうがねーから、しぶしぶ働き始めたっちゅーの。ははは。 まあ、あの頃、労働の義務を果たさぬバカ息子に、雨風をしのげる実家の一室をタダで貸してくれた母には、感謝しかねっす。 どんぶりにチキラ入れてお湯かけて、付属のカヤクとラー油をかけるだけ。 でも今日は贅沢に、生卵と白いご飯までつけちゃうわん。 いや~出世したもんだ。オラぁ、がんばっただよ。 当時はチキラのこと、 苦し紛れに「米」って呼んでたもんなあ。 チキラにお湯をかけること、 「炊く」って自分に言い聞かせたもんなあ。 ラップをかけて、生卵を蒸らしまーす。 2・3分待ったら、はい、出来上がり。 僕はこのように、はじめに黄身をプチンと潰してからいただく派です。 母は晩年、幼い頃僕が「お母さんの作ったコロッケは世界一だね!」と言ったことを、 ことあるごとに、それはそれは嬉しそうに語ったが・・・。 正直僕は、自分がそんな発言をしたことも、その母のコロッケの味も、これっぽっちも憶えていない。 そんな僕だから、「おふくろの味が、どうたらこうたら」というたぐいの話を、 妻に一度たりともしたことはない。味覚が鈍いのよね。出来ようはずがない。 結婚当時、妻の料理は、お世辞にも美味いとは言えない代物だったが、 半月も妻の手料理を食べ続けたら、僕の味覚は、すっかり妻の味付けが基準となった。 僕は、妻の手料理を、世間の味と比べたことが無いので、 妻の手料理が、よそ様の舌を唸らせることが出来るものか否か、よく分からない。 ただ、妻の料理は、いつもふつーに美味しい。 僕にとっては、それで十分だ。 世間にゃ、グルメだとか亭主関白だとか、喰いもんにうるさい男が多いようですが・・・。 てか、作ってもらっといてガタガタ言うなっつーの。黙って喰え、黙って。 だからね、U子さん。 ダンナの味覚が鈍いと嘆くなかれ。 それはそれで、実は夫婦円満の秘訣かもしれませんよん? なんちって。 僕は、いきなりかき混ぜず、食べる分だけホロホロと麺をほぐしながらいただきます。 うーん、旨し! そして辛し! 是非ご賞味あれ! なんかね、生物的には、男性より女性のほうが、そもそも味覚が発達しているんだって。 これは、その分野の研究では明確なことらしいよ。 んじゃ、世間には何故女性の料理シェフが少ないのかと言うと、 女性はホルモン分泌の変化で、日によって味覚に変動があるようで、 プロとして安定した味をお客様に提供し続けるのが、男性に比べて難しいとのこと。 この事実を踏まえ、家庭で理想的な料理の作り方を実施するとすれば、 鋭い味覚の妻の指示のもと、安定した味覚の夫が料理を作る。これが理論上ベストかと。 ・・・でもなあ。 僕が作った変わらぬ味を、日々味覚が変動する恐妻が、毎日試食するわけでしょ? 怖ええよお。 うわああ、考えただけで、おぞましいよお。 ・・・あの~、やっぱ僕、食べる係でいいっすかあ。 てか、もう僕は、妻の家庭料理で、人としてダメになりたい! 美味しい家庭料理を食べ過ぎて、ダメダメ人間になってしましたい! てか、毎日誰かが美味しい料理を作ってくれる、この幸せは何だ?? 当たり前じゃねーっちゅーの! ダンナもガキも、感謝しさらせっちゅーの!! は~い、すみません。 まあよ、食器ぐらいは、運ぼうぜ、みんな。 にほんブログ村 ↑ポチッと一枚! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.16 06:21:21
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