テーマ:暮らしを楽しむ(383421)
カテゴリ:Q輔とU子と「新型コロナウイルス」
母が交通事故で死んだ時、僕は母の代理として警察から事情聴取を受けた。
先ず警察から、事故の詳しい報告と、加害者の見解を伝えられ、 その後は、生前の母の生活の様子を事細かに聞かれた。 僕は、母が車の免許を生涯取得しなかったこと、 昔から横断歩道を渡る時は、ドライバーに苦笑されてもお構いなしで、 ピンっと手を上げてテキパキと渡る、ちょっと変わったオバちゃんだったこと、などを伝えた。 そして事情聴取の最後に、 被害者の遺族として思うことがあればお聞かせください、と言われたので、 加害者を恨んではいません。 僕の発言で罪の重さが変わるなら、どうか出来るだけ軽くして下さい。 この度、母を交通事故で失って分かったことがあります。 車を運転するということは、 ピストルに弾を詰め、引き金を引き、銃口を人に向けながら街を歩くようなものです。 もちろん、誰だって好き好んで人を殺したいわけじゃありません。 でも、小石に蹴つまづいた拍子に、うっかり発砲してしまう。 車を運転する以上、誰もが加害者になりうる。 車は便利な乗り物であると同時に、時に恐ろしい凶器になりうる。 べつに車の運転そのものを非難しているわけではありません。自分もこれからも運転は続けますし。 只々、生涯を通じて安全運転に努めたい。そう肝に銘じるだけです。 と警察に伝えました。 この新型コロナウイルス禍で、ふとそんなことを思い出しました。 緊急事態宣言が、多くの地域で解除されましたね。 そんなこんなで愛知県も緊急事態宣言が解除されたのであるがしかし。 いつまでも「ステイホーム」とは言っていられない。 経済のため、教育のため、もはやウィズコロナは否めない。 感染者を非難するような風潮は、絶対にあってはならない。 感染するのも、感染させてしまうのも、悪いのはコロナだ。 はい、解るんです。 正直、僕自身、この自粛生活、も~限界です。 で、あるからこそ、 今、僕が、かつての日常を取り戻すために、一歩街へ出るということは、 ピストルに弾を詰め、引き金を引き、銃口を人に向けながら街を歩くようなものだ。 ということを、あらためて肝に銘じなければならない。 悪気はなくとも、小石に蹴つまづいた拍子に、うっかり発砲してしまう可能性はあるのだ。 ちなみに、交通死亡事故を無くすためには、 「道路交通法」というルールと、「交通マナー」というモラルの、 双方によって厳しく呼びかけられます。 ピストルを無くすためには、 「銃刀法」というルールと、「人は人を殺してはいけない」というモラルの、 双方によって厳しく呼びかけられます。 ところが不思議なもんで、この新型コロナウイルスについては、 全世界で30万人の死者を出す恐怖のウイルスであるにもかかわらず、 この国は、大方「モラル」のみに軸を置いた呼びかけであるようです。 空き缶のポイ捨ては止めよう! 列を乱さず並ぼう! あ、そうそう、それからマスク、手洗い、うがいをしよう! ってなもんです。 ところが、そんな呼びかけにもかかわらず、 何故か、なかなかの自粛の成果が得られちゃったというニッポン。 問答無用のルールで国民をガチガチに縛った諸外国と比べると、 良くも悪くも一線を画す、実に珍奇な国風と言えますニッポン。 誇るべきか。 嘆くべきか。 ここが思案のしどころよニッポン。 交通事故やピストルや自然災害やなんかの、ダイレクトな恐怖と違って、 感染症の恐怖って、まるで五感で察することが出来ないじゃん。 迫り来る恐怖が、見えない、聞こえない、臭わない、味しない、触れない。 そんな至極単純なことが、多くの人々の恐怖心を希薄にしている原因ではないかと。 ここからは、あくまで僕のファンタジーだけれど。 仮に新型コロナウイルスの一匹一匹が目に見えたとしたらさ。 例えば濃ゆ~い紫色かなんかでね。 感染者が街に出て、咳でもしようもんなら、濃ゆ~い紫のウイルスがぶわーーっと空中に舞う。 街行く人の手にも、こってり付着している濃ゆ~い紫が見える。 てな状況であれば、も~呑気にモラルなんかで呼びかけてる場合じゃないよね。 そっこーで激烈なコロナウイルス法が執行されるよね。 感染者に対して「逮捕」とか「罪人」なんて言葉が飛び交っちゃうよね。 想像するだけで、ちんちん縮み上がる。 銃口向けられてる度、ちょ~高め。 ウイルスの脅威は同じでも、見えると、見えないでは大違い。 見えない。 ただそれだけで、僕らは余裕しゃくしゃくだ。 そんなこんなで、愛知県は、緊急事態宣言が解除された途端に、 明らかに県民の気の緩みが、街に色濃く出ていますよ、ここだけの話。 どうなることやら。 まあ、人の価値観は十人十色。 モラルを軸に呼びかけている以上、それぞれが正しいと思う価値観で行動するわけです。 日本人が道徳心を貫いてコロナを終息させるのであれば、 それはそれで、素晴らしいことだがね。 んが、まあ、どう考えても、 第二波は避けられませんね、こりゃ。ははは。 まあ、この先何が起きようと、 それは、僕たちが出した答え。 僕たちが、あえて選んだ道です。 また、出直しましょう。 悩んだり。 学んだり。 わーわー暮らしとります。 お時間です。 さようなら。 にほんブログ村 ↑ポチッと一枚! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.30 10:37:20
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