テーマ:暮らしを楽しむ(383621)
カテゴリ:U子。「家」とは「ハウス」のこと。
僕の妻は、昨年度、次女の保育園の保護者会の会長を、一年間務めました。
例年通り、立候補者がいない為クジ引きとなり、見事会長のクジを引き当てたのです。 妻は、ここ一番という時、ことごとく運が悪い。 ねえ、ひょっとして計算? 狙ってる? あえて災難引き寄せちゃってる? なーんつって問いただしたくなるほどに、余すところ無き悪運の持ち主なのである。 とは言うものの、前年度の会長が準備した公平なクジによる、公平な選挙である。 妻は、帰宅するや否や、 最悪! そう雄叫びを上げ、いきなり僕の頭を思いっきりどついたこと以外、 あとは文句も言わんと黙って一年間、会長の任務を果たした。 さて。 その騒動は、妻が会長の任務を終える最後の日に起こった。 その日は、保育園の先生と保護者一同での懇談会を終えた後、次期保護者会の役員を選出する日だった。 妻は不器用で生真面目なA型女。事前に入念な告知やクジの準備して、最後の仕事に臨んだ。 うちの保育園は、保護者会には、原則全員参加しなければならない決まりがある。 恐らく自由参加にすれば、誰も参加しなくなるかも? そういう地域性だからだろう。 誰もやりたがらない保護者会なら無くしてしまえばよいかというと、それは違う。 本来、園が独断で決定出来ぬ事柄については、保護者達の総意で決定する必要がある。 保護者会に協力的でない保護者に限って、園の独断や横行には、火を噴くように非難をするでしょう? また、本来、園が責任を負う必要のない事件やトラブルについては、保護者を中心に解決するのが筋だ。 現にうちの保育園では、園側の再三の注意にもかからわず、 一部の保護者たちの、お迎え時の駐車マナーが悪く、近隣からクレームが相次いだというので、 妻が保護者の代表として謝罪に赴き、ご同行いただいた園長先生と共に、 近隣住民たちに怒鳴り散らかされたという辛い経験がある。 ・・・うち、自転車通園なんすけどねえ。 まあ、しゃーねーっす。然るべき民主主義っす。 でさ。 先生と保護者一同との懇談会は滞りなく終わり、いよいよ次期保護者会役員選挙へ。 と思いきや、まあ、これも通例のことらしいのだが、一部のママたちが、しらぁ~と帰ろうとしたらしい。 あの~、事前に告知したとおり、次期役員の選出を行いまぁ~す! みなさぁ~ん、席に戻ってくださぁ~い! 下駄箱で、逃げるように靴を履き替えるママたちを呼び止め、妻は言った。 しぶしぶ戻る、ママ数名。 ところが、呼び止める妻を余所にして、一人のママが頑なに帰ろうとする。 そのママ) 私、仕事があるんで。忙しいんで。帰ります。 妻) いや、でも、欠席者は事前に連絡いただくことになっていましたよね? そのママ) ちょうど今、急な仕事が入りました。何か問題でも? 妻) あなたが欠席すると、現会長である私が、あなたの代理で、あなたのクジを引くことになるのです。 そのママ) ・・・どうぞ、好きに引いて下さい。 妻) 私は、引きたくありませぬ。 そのママ) あなたに一任します、私のクジを引いて下さい。 妻) 嫌です。一任されたくありませぬ。 そのママ) ・・・・・・? 妻) 私、クジ運悪いんですうう! そのママ) ??????? 妻) 私があなたのクジを引けば、あなたはきっと次期保護者会会長になるでしょう。 そのママ) ・・・ま、まさかぁ。 妻) なるのだ! たはははは。 妻も必死っすね。 でね、話はこっからでね。 そのママ、妻に、返す刀で痛恨のひと言を言い放ったらしい。 てゆーか、私、 シングルですけど! 妻は、口ごもってしまった。 僕が妻の立場でも、恐らく何も言い返せず、口ごもっていただろう。 もうね、これは、ちょっと、アレだよ。 これを言われちゃあ、こっちは意気消沈し、こうべを垂れ、 小さな声で「ああ、そうですか、すみません」と言うしかねーだよ。 ・・・てゆーか、何故だろう? ・・・この気持ちの正体は何だろう? ひとり親に対する、配慮?同情?情け?思いやり?憐れみ? どれぐらい高い位置で相手を見れば湧いてくる感情だ? お前はいったい、何様のつもりなのだ? よくよく考えりゃあ、笑っちゃうくらい当たり前の話だが、 ひとり親が、ひとり親であることに負い目など感ずる必要がないように、 夫婦を続けている者が、それに負い目を感ずる必要など、あってはならないはずなんだよ。 逆にさ。 だから何ですか? シングルだから何がどうなるのですか? そこで話を区切らず、是非その続きをおっしゃって下さい。 シングルのあなたと、夫のいる私と、保護者として何が違うのですか? あなたと、ここに残り公平な選挙に参加する他の多くのシングルマザーたちと、いったい何が違うのですか? なんつって本気で相手と話合いを出来た時にこそ、 私は「ひとり親」をこれっぽっちも色眼鏡で見ていません! と言い切れるのかもしれない。 まあ、その気持があっても、難しいのかな、現実の駆け引きでは、まあ色々と・・・。 結局、そのママは、帰った。 結局、妻は皆の前で、そのママの代理として、そのママのクジを引いた。 自分の配偶者だからつって、妻をかばうわけじゃね~けども、 嫌だと思うよぉ~、他人のクジを代理で引くなんちゅ~役はよお。 もし会長を引き当てしまった日にゃあ、責任を取って自分がもう一年会長をやるつもりだったとか何とか・・。 結果、妻が引いたクジは、奇跡的に負担の少ない平役員だったとのこと。 めでたし、めでたし。 まあよお、兎にも角にも、クジなんてなあ、自分で引いたほうがいいよ。 保護者会のクジも、結婚も、仕事も、人生も同じこと。 吉と出るか、凶とでるか、それは分からないけれども。 自分の運命は、自分で引き当てるべきなり。 例えば、僕にとって、あの妻との結婚が、吉であったか凶であったか、 それは今のところ、何とも言い切れないけれど(言い切れんのかーい!) 少なくとも、自分で引き当てたクジであることは確かだからね。 言い訳したり、人のせいにしたり、開き直ったりなど出来ないのである。 いきなり頭をどつかれようが、出来ようはずがないのである。とほほ。 にほんブログ村 ↑ポチッと一枚! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.07.28 05:55:18
[U子。「家」とは「ハウス」のこと。] カテゴリの最新記事
|
|