いま　ここにあるもの

着替えを取りに帰り、翌日出勤するという。

朝、いつものように「おはよう」のメールを入れる。

昼頃出社するというので、
昼少し前に「行ってらっしゃい」のメールを入れた。

途中で気が付く・・・

ランチ、一緒に取れば良かったな・・・。


彼が会社に着いてから、そうメールした。

「明日、ランチしよう」そう返ってきた。

うん。



日曜は朝からウキウキ

彼に会える嬉しさから、頬が緩む。

約束よりも早く着いた。

一秒でも長く感じる。


目の前に立っているのに、彼の視線は私の上を行く。

彼の前を遮る。

彼が驚いた「あっちに似た感じの帽子の人がいるから・・」


エレベーターの混雑の中、乗り降りする人の波に飲まれないよう
はぐれないよう、彼の腕を取る。

降りる時に彼の腕から下へ、そのまま手を繋ぐ。

彼が確認するかのように、何度も手を包み直す。

その仕草がそのまま彼の今の気持ちのようで、嬉しかった。


少ししか会えなかったけど、それでも彼と過ごせた時間は
私にとっては貴重だ。

エスカレーターで出来る段差くらいの差がある私達。
彼が一段低いと、私の目線に彼の顔が来る。

そっと頬にキスしたくなる。

それだけで、幸せな気分になってしまう。


仕事の合間のわずかな時間だったけど、
会えたのと会えないのでは、随分と違う。

連日彼の夢を見る。
会えない寂しさからだろう・・・。



「今日はありがとう。会えて嬉しかった。
仕事にやる気が出てきたよ。」

そう、彼からメールが来た。


私もよ・・・会えて取っても嬉しかったよ