がんと戦うために…

2006/02/12(日)17:45

吸入式インスリン

病院にて(52)

糖尿病の患者さんへ インスリンの注入器(注射器)の説明をしていると 『注射以外のインスリンはないの?』という質問をされることがあります。 内服では、スルホニル尿素(SU)剤やフェニルアラニン誘導体のような 膵β細胞を刺激してインスリンの分泌を促す薬はあっても インスリンの代わりとなる薬はないのが現状です。 インスリンの注射といっても 今はインスリン一体型のペン形注入器を 使用することがほとんどで、一般的な「注射」とはすこし異なります。 針の部分も細く・短くなっているため、そこまで痛みはないそうです。 ただ、針を身体に刺すといった行為自体は同じため、多少の痛みや 人前での注射に抵抗がある等の問題があります。 1年くらい前に 肺でのインスリン吸収について論文か報告を見たことが あります。そのときは、吸入のインスリンなんてほんとにできるんかなー と思っていましたが、先日ネットで医療ニュースをみていたらこんな記事が ありました。 注射なしのインスリン登場 粉末を吸入、欧米で認可 記事:共同通信社 提供:共同通信社 【2006年1月30日】  【ワシントン27日共同】米食品医薬品局(FDA)は27日、米医薬品大手ファイザーの吸入式インスリン「エクスベラ」の販売を認可した。  欧州委員会も26日に認可済み。注射をせずに体内に入れられるインスリン製剤は世界初で、糖尿病患者の治療の選択肢を広げる手段となる。米国では今年半ばまでに販売が始まる見通しだ。  エクスベラは遺伝子組み換え技術で製造されたヒトのインスリンの粉末。眼鏡ケース大の専用吸入器を使って口から吸い込む。効果が表れるのが早いため、即効型のインスリン注射の代わりになるが、作用が遅いタイプのインスリンも必要な患者は注射と併用になる。  AP通信によると、インスリン注射をしている患者は米国だけで500万人以上。ファイザーは「注射が嫌でインスリン治療を遅らせ、合併症の危険に直面している人も多い」と説明、吸入式はそうした人への朗報だとしている。  糖尿病は人口の高齢化などのため急増中。世界保健機関(WHO)は、2000年に約1億7000万人だった世界の患者数が30年には3億7000万人近くに倍増すると推定している 吸入式インスリン! 糖尿病患者さんにとって、夢のような薬がアメリカで承認され発売されるそうです。 さっそくファイザーのMRさんに日本にはいつ頃承認されんるですかぁ? と聞いてみたら、日本では治験も行われておらず まだその予定もない とのことでした… この調子だと日本で使えるようになるのは数年先かも知れませんね…

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