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巻舌道場2(のどひこ音)

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のどひこ音

のどひこって?

要は「のどちんこ」です(これは書いてもいいんですよね?)。ということは、海彦・山彦とか俊彦、達彦はどうなんだとかいうことは、とりあえず置いといて。。。

のどひこ音って?

のどひこを震わせて出す、ちょっと巻舌っぽい音です。うがいの音に似ています。フランス語のR、ドイツ語の一部Rで使われます。ただし、フランス語では無声子音、ドイツ語では有声子音という使われ方の違いがあるようです。

有声、無声の違いは、声帯を使うかどうか、つまり母音(的な音)と抱き合わせになっているかどうか(という説明が妥当かどうかという問題もありますが)の違いととりあえず思ってください。他の例で言うと、、、
bが有声、pが無声
dが有声、tが無声
vが有声、fが無声
zが有声、sが無声
といったように、同じような口の形を作りながら、息(声)の出し方の違いによって発音しわける、、、という対応です。「アダムのリンゴ」のあたりに手をあててみると、有声子音のとき震えて、無声子音のときは震えないことが確認できると思います。

さて、のどひこ音に戻って、、、

うがいのように、と言いましたが、水モノなしにうがいしろというのも、ムチャっぽい話です。ただ、、、できます。

どちらかというと、無声のほうがとっつきやすいですが、どうしても「ハ行っぽさ」が抜けなかったりしますので、
その点、「らしく」するためには、有声を経て、あらためて無声の練習をしたほうがよさそうです。
以下、その順番でトレーニング手順をご案内します。

のどひこ音道場

1.「とりあえず無声」
とりあえず、ということであれば、「タン吐き」をイメージしてください。
「コォォォワッ」と気道を広げるやり方ではなくて、
もうちょっとで出るのに、のどち。。。いや、のどひこに絡んでしまったヤツを出したいときの、「カーッ」が基本です。
そこから、「カっぽさ」を「ハっぽさ」に変えながら、、、
、、、「カ」のために口やのどに入っている力を抜きます(ヒソヒソ声でカカカカカ・ハーーーーーーと繰り返すと確認できます)、
変わる途中のどこかで、息の力でのどひこが震えるポイントを探します。
どうしても、見つからなければ、とにかくのどの奥の奥(それこそ、のどひこのあたり)で「ハ」の音を出すつもりで、、、

2.「有声」
これは、とにかく「うがい」です。
まずは、水を口に含んで、
上を向き、のどの奥の奥ほうに水があたるようにして、
ただ声をだしても「うがい」にはなりますが、
さらに奥まで洗いたい気持ちで(同時にタンを出してしまうつもりで)
「ぐわらららー」とやります。
(気道に入ってむせるとツライので、注意してください)
だんだん水の量を減らしていくと、、、できます。

いつも上を向いてしゃべるわけにもいかないので、
徐々にあごを引いて練習します。
このとき、できなくなることもありますが、
これは、あごを引いたこと自体ではなく、
のどひこのある気道口の開き具合が変わったことによるものです。
「開け閉めがわからん」という場合は、
「あー」と「ごー(といういびきのマネ)」を繰り返してみてください。
「あー」は開きで、「ごー」は閉めです。
この「あーごー」の間で、「うがい音」が出せるところを探してください。

なんとなくできるようになったかな。。。というところで、
定着のために、少し時間をかけたほうがよいようです。
歩行中などに、「あ~あ~」とため息をつきながら、練習できます。
ちょっと豪快なため息になります。

3.あらためて無声
有声ののどひこ音が出せるようになったら、あらためて、「声」を「息」に変えて練習してみてください。「うがい」も「あーーー」と言いながらではなくて、息だけでできるように、
同じ形で「あー」を「(ひそひそ話の)はー」に変えるようにします。
歩行中などに、「は~はっ」とため息をつきながら、練習できます。
ちょっと個性的なタン吐きかと思われます。

4.軽い無声のどひこ音⇒ハ行のようでハ行でない音
ブラジルのポルトガル語では、語頭のR・子音に続く音節頭のRと、母音RR母音を「軽い無声のどひこ音」で発音します。
Rei [ヘイ] 王
Genro [ジェィンホ] 婿
Carro [カーホ] 車

その他の位置のRは舌をレロンと一発弾きます
Curou [クロウ] (傷害・疾病が)治った
Cabra [カブラ] ヤギ 音節はCa + Bra
Caro [カーロ] (値段が)高い

どのくらい軽いかと言うと、
フランス語のRを習っていて「そんなに苦しそうな音すんの?」とちょっとひくような、そういう意外性が起きない、
「強い『ハ行』みたいなもんね?」と思えるぐらいの音です。

近似値で言えば、、、田中邦衛さんの「ハ行」です。
-ほーたるのことさぁ、、、
と彼が言うときの「ほ」と、一般に我々が話すときの「ほ」の違いを考えてみてください。その違いがわからん、という方は、、、仕方ないです、やっぱり理屈から練習してください。

ちなみに、そういう子音+母音という組み合わせが原則なので、
RUは「(息を吹くような)ふ」ではなく、「ハヒヘホ」と同じく、のどのほうで鳴る音(のウ段)です。

ちょっとだけ、のどひこに引っかかる感覚を残すぐらいが、
サンパウロ=リオを中心とする、デファクト標準語らしさですが、速く話す分には、「ハ行」系で十分です。

もうひとつ。
ここから、のどひこが震える感じをなくして、ガーゴー方向に少しよったところの音が、スペイン語の J の発音です。こっちのほうが田中邦衛さんに近いかもしれません。

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