なんでもいい屋

2005/01/21(金)02:03

アメリカの年金制度ー1

現地情報(109)

私の働く会社には、日本で働いていた頃のように、辞める時に会社が支給してくれる確定給付型退職金制度がない。その代わりに401Kと言う年金制度がある。簡単にアメリカの年金制度を説明すると、公的年金(社会保障制度、連邦議員、州、知自体職員退職制度など)と私的年金に大きく分かれ、私的年金は個人年金(個人退職金IRA等)と企業年金(利子分配制度、従業員貯蓄制度など)に分かれる。そして、この企業年金の種類のなかで、401条K項の要件を満たしたものを401Kプランと呼ぶ。 第二次世界大戦後のベビーブーマー(1946年~1964年生まれ)の人達が退職し始めた今、アメリカも日本と同じで、この公的年金は当てに出来ない。そこでお国に頼らず自分で退職後の生活を少しでも確保しようと言うのが私的年金。もちろん私的年金なので加入しようが、しまいが個人の自由。 私の働く会社の場合、401Kに加入するには最低1年勤めた後でないと出来ない。これさえクリアーしていれば、会社専用の401Kのウェブサイトに行って登録するだけ。 自分の給料から所得税課税前に給料天引きされる。金額も限度額範囲内(給料の1%~50%又は$14,000迄)なら自分で決められる。 プラス会社が5%まで(会社によって違う)マッチングと言って追加掛金を出してくれる。私の働く会社の場合は3%までは全額、4%-5%の部分は半分のマッチング。例えば、給料が100ドルで5%の設定とすると、私の給料から5ドルが天引きされ、会社のマッチングの4ドル、合計9ドルが私の401Kの口座に入金される。 この掛金の運用は企業が提供する投資信託などの運用商品の中から自分で選ぶ。簡単に言えば、元金を割るリスクが少ない堅実型、リスクが大きい株式型、その中間のバランス型。私が投資しているのはリスクが大きくてもハイリターンが望める株式型に80%、バランス型に20%。大統領選挙以来けっこう好調だったのだけど、今年に入ってから汗、汗、汗って感じで、今日の時点で今月は赤字!!!でも、会社がマッチングしてくれた分が減っていると思えばそれほどストレスにもならない。 401Kのメリットは、所得税課税前に給料天引きされるので、社員の納める所得税が下がり、企業側はマッチングとして支払った金額は損金扱いとなるので、会社にも節税となる。そして、そこから出た利益は掛金と同様に給付時まで課税が持ち越し出来、これは401Kだけに設けられている優遇措置。急にお金が必要になった時など、ここからローンが可能。会社を辞めた場合でも、銀行などで簡単に口座開設出来る個人年金IRA又は転職したのなら、その転職先の401Kに移行できる。401Kが拡大している理由も充分納得できるでしょう? 利点もあれば不利点もある。デメリットは、投資選択はすべて自己責任だから、リスクを負う事もありえ、将来の受給額と退職後の生活計画が狂う可能性がある。受給を開始した時に所得税を引かれるので、退職時に他にも収入があったりした場合には高い税率を払う事になる可能性がある。今の税率自体が変わる事だって充分ありえるし。 日本でも検討、既に導入している会社があると聞いた。実際、どこまでの段階なのか分からないけれど、アメリカより日本の公的年金制度が危うい現在、私的年金は少しでも確保しておきたいものです。 *Mikaちゃん、お誕生日おめでとう!

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