音読の指導
私の勤めていた塾では英語指導において「音読」を重視していた。(今はどうだろうか。少し心配。)「音読」を授業中にさせるのであるが、単調に読ませるだけでは生徒もだんだんだれてくる。そこで色々工夫をする。・先生の模範読み(ゆっくり)→生徒(テキスト見ながら)リピート・先生の模範読み(速く)→生徒(テキスト見ながら)リピート・先生の模範読み→生徒(テキスト見ずに)リピート・生徒だけで(初見の文を)音読・一人で音読など手を変え品を変え、テンポよく音読をさせる。ときにはこんなこともやる。音読がうまいといい思いをする状態も作っておかないとなかなか練習をしないので、うまい子は誉める。また練習が足りないときはとても怖い先生になる。「音読」は明日のテストの点数が上がるわけではないので、生徒たちは当初積極的には取り組まないので指導がとても難しい。でも音読をしないと学力はつかない。音読をすると何故英語ができるようになるのか。それは音読をすれば「語のまとまり(句も含む)」を瞬時に捉えられるようになるからだと思っている。Her husband had died a few years before that, so the mother was raising her son all by hersef.という文を音読するとき、音読の上手い子は自然に頭の中で「語のまとまり」を捉えている。つまりスラッシュリーディングの基礎のようなことをしているわけである。音読はこれを瞬時に行う訓練だ。音読の上手い子はスラッシュリーディングを習ったら、あっという間にできるようになり、音読をまったくしない子は「どこで区切るか分かりません」ということになる。また音読が好きな子は英語好きになりやすい。はっきり言って「英語好き」になれば、ほっておいても英語はできるようになる。こっちは楽なものだ。音読指導が塾でなかなかやれない理由は「授業時間との兼ね合い」だろう。音読指導は時間をかなり取る。少ない授業時間で教えたいことは山ほどあるのに音読なんかに時間は掛けられないというところではないだろうか。でも上手く工夫をして、音読への意識を高めさせると生徒たちの英語の学力が上がるのは間違いない。チャンスは定期試験の対策のときではないだろうか。教科書の「本文暗記」をやらせている塾は多い。チェックテストのときに暗唱させれば、音読指導につなげられると思う。