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タンポポが伝える環境破壊
■「タンポポ調査・西日本2010実行委員会」(産経新聞ニュース~) 道端に咲くタンポポ。よく見ると昔のものとはどこか違う。日本在来種が姿を消し、ヨーロッパ原産の外来種が勢力を拡大しているためだ。大阪自然環境保全協会(大阪市北区)などの調査では、ここ30年で分布図は大きく変わった。最近の調査では在来種と外来種が交配した雑種の存在も明らかに。保全協会などは来年までに「タンポポ地図」を作成しようと「タンポポ調査・西日本2010実行委員会」を組織。日本固有のタンポポが住めなくなった現状を通して、環境破壊の実態を訴えている。 「誰もが知っているタンポポを調べ、自然がどれだけ破壊されているかを知ってもらうことで、一般の人に環境に興味をもってもらいたかったのです」 タンポポ調査会のメンバーで、泉北高校(堺市南区)の木村進教諭(55)は調査を始めたきっかけをそう語る。昭和50年ごろから始め、5年ごとにサンプルを集める調査を30年以上続けた。 前回平成17年の調査では対象地域は近畿7府県だったが、来年の調査に向けて中国四国地方でも協力してくれる博物館や大学が現れ、18府県にまで広がっている。前回集まったタンポポは3万6000点だったが、今回は10万点が目標だ。 押し寄せる外来種と肩身が狭くなった在来種。木村教諭によれば、両者の見分けは誰にでもできるという。花の下にある総苞(そうほう)外片という緑色の部分が反り返っているのが外来種、総苞外片が花に密着しているのが在来種だ。 もう一つの大きな違いは、外来種は花粉に関係なく単独で種子を作るが、在来種は花粉を介して種子を作る点だ。つまり在来種は、虫が花粉を運んでくれないと繁殖できない。田んぼのあぜや原っぱなど里山に生え、自然が破壊されると外来種に置き換わる。 つまり外来種の存在は、「都市化の指標」になるのだ。当初の調査では外来種は大阪市街地に集中していたが、17年の調査では、京阪神地域の大部分で外来種の割合が高くなっていた。 平成時代に入るころには、外来種の花粉で在来種と交配した雑種が広がっていることも判明。この「第三勢力」がやっかいなのは、外見で外来種と区別できないことだ。総苞外片が反っているからといって外来種とは限らない。このためタンポポ調査会は、前回からDNA解析を取り入れるようになったという。 純粋な日本固有の種が失われつつあるが、調査会は保護活動はしない。木村教諭は「あちこちから採ってきた在来種を植えても、遺伝子を攪乱(かくらん)させることになるからです」とあくまで強調する。「『都市化の指標』という観点で、人間の活動で環境が悪くなり、外来種が増えているという警告を出していきたい」と話している。 ▼環境の「自然度」調査 タンポポ、在来種割合測定(下野新聞ニュース~) 身近な自然環境を理解しようと、若草中(三百一人)はこのほど、全校生徒による学区内での「タンポポ調査」を実施した。 タンポポの在来種と外来種の分布の割合を調べ環境の変化を知る目的で始まった調査で、今年二十三年目。独自の取り組みが評価され、これまでに緑化コンクールで特選などを受賞している。 在来種のシロバナタンポポ、エゾタンポポ、外来種のセイヨウタンポポ、アカミタンポポの四種類の株数を調査。在来種と外来種の割合で「自然度」を独自に決め、在来種の割合が大きいほど自然度の高い環境としている。 生徒らは学区ごとに五十六班に分かれ各定点を調査。タンポポを見つけると、見本の写真と見比べながらタンポポの種類、数などをチェックして歩いていた。生徒らはごみ袋を片手に調査地点周辺のごみ拾いも行った。 班長を務めた三年生の金山朋比皇君は「先輩から受け継がれてきた行事。場所が分からなかったりして大変だったが、環境の変化などいろいろ勉強になった」と話している。 ■ 在来タンポポと西洋タンポポの違い 在来種と西洋タンポポの間にはいくつか違いあります。在来種は水分や栄養の多い土を必要とし、花が咲くまでに2~3年かかります。 一方、西洋タンポポは乾燥した栄養の少ない土でもよく育ち、成長が速いので芽が出てから半年あれば花が咲きます。さらに、在来種は花粉を運ぶ昆虫がいないとタネができないのに対して、西洋タンポポは受粉しなくても、つまり昆虫がいなくてもタネができます。 つまり、在来種は生息するのに豊かな自然が必要なのに対して、西洋タンポポはかなり厳しい条件でも生息できるのです。 西洋タンポポのタネは落ちるとすぐに芽を出しほぼ一年中花を咲かせるのに対し、在来種のタネは夏の間は土の中で眠っていて秋に芽を出します。自然が豊かな環境では、他の植物との競合が激しい夏に休眠してエネルギーを蓄え秋に発芽するという特性は、種を維持させるために有利に働きます。実際、都市部においても、自然度の高い緑化公園や川の土手などではいまも在来種を見つける事ができます。 ■自然が破壊された結果、在来種の危機を招く しかし、都市化が進み環境が破壊されていく中では在来種は生き延びる事ができません。そして在来種が生育できなくなったところに、西洋タンポポの厳しい環境でも成育できるという特徴がうまく適応したため、西洋タンポポが一気に広まっていったと考えられます。 つまり、在来種は西洋タンポポに駆逐されてしまったのではなく、人間によって豊かな自然が破壊された結果、生存が脅かされているのです。在来種の危機を招いてしまったのは、ほかならぬ私たちの責任ともいえます。 ◇ 人間の自然破壊が西洋タンポポの拡大を引き起こしたのですね。そして、都市化がどこまで進んでいるのか、も西洋タンポポの分布を調べれば判るわけです。 都市近郊の田園のどこまでが都市なのか、興味深いですね。恐らくわれわれの常識を越えて都市化がすすんでいることでしょう。 田舎に住みたいという都市住民の欲求がますます強まることでしょう。あ~田舎に住みたいですね~。(^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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