不登校初期~スマホを手放さない頃
中学生の子どもが不登校になりました。不登校になってからはスマホ(携帯、ネット、ゲーム)を片時も離しません。一晩中見ている時もあります。そして朝は起きれません。子どもが不登校になってスマホやネット、ゲーム、子どもによっては深夜アニメや好きな芸能人のDVD等をずっと見ている、…なんてことは実によくある現象。不登校生のほとんどが通る道と言っても過言ではありません。特になりたての頃は親御さんのスマホを執拗にせがんだり取り上げると暴れたり、怒って部屋にこもったりなど、その依存ぶりに「ウチの子大丈夫だろうか?」と多くの親御さんが不安になられます。スマホやパソコンの電磁波は睡眠ホルモンの分泌を悪くするしひと晩中起きて日中寝てるなんてすごく不健康。それにネットは何処に繋がっているか分からず、怪しげなサイトに行ったり変なネット友達が出来てしまうかも知れない。一刻も早くこの状態から抜け出してもらいたい。「いっそのこと、見れないよう取り上げましょうか!?」…そうおっしゃる親御さんも少なくありません。しかし僕は安易にスマホやゲームを取り上げることをあまりお薦めしません。朝起きて学校に行って夜寝る、という習慣が小学生時分に身についていたお子さんなら、今のこの状態を心から望んでいる訳ではないのだと思っていいでしょう。何せ初めての不登校体験。右も左もわからず、どうなっていくかわからない不安と自分を責める声で頭も心もいっぱいです。何も考えず、自分を受け入れてくれる世界に避難するのが今の彼らにできる唯一の対処。『やめよう、こんなこと』と思っていても現実と向き合う力が足りない内は同じようなことをくり返します。自分を受け入れてくれる大切な癒し空間、そこを取り上げると行き場を無くします。「(ゲームを捨てられて)…自殺も考えた」 と、包丁を前にし思い詰めた子もおりました。行き場がなくなったからといって、学校に行くわけでもありません。社会的に自分は恥ずべき存在だと思っているからスマホの世界に籠るので、安心して外の世界に出て来られるよう子どもがやっていることは否定しないでおきましょう。見ている内容について教えてもらったり関心を持ってあげたりしてその話題を親子で共有できるようになるとスマホやゲームが『子どもの依存相手』『子どもを囲う存在』『現実逃避の場所』から社交のための『道具』へと変わっていきます。子どもが選んだ動画やゲームで 大人が楽しんだり喜んだりすると、子どもの自信回復にもなります。大事なのは見ている時間よりも内容。「内容」と「見方」が、その子が今「求めているもの」と「心のあり方」を表しています。子どもが話してくれる内容や閲覧履歴などを見てどのようなゲームや動画、サイトを見てるかは把握しておくといいでしょう。残酷なものや暴力的なもの、性的なもの法に触れそうなものではなく一般的なゲームや面白い動画、子どもの趣味のものである場合はとりあえず安心してもいいと思いますよ。『スマホと子どもの一対一の関係』から『スマホを介した、大人と子どもの対話関係』へ内から外へと広がるようスマホをうまく利用していけるといいですね。