テーマ:心のケア(1129)
カテゴリ:子どもの鬱
子どもの手首に カッターか何かで 切った痕があることがあります。 リストカット、 通称リスカと呼ばれる、 自分で自分を傷つける行為で、 手首以外の場合もあります。 このリストカット、 一般によく誤解されているのが というもの。 たしかに注目されやすい行為なので、 『リスカをしたら、人に構ってもらえる』ということを 切った本人が 無意識に学んでしまうこともあります。 ですがそれはあくまで 二次的なもの。 自傷する動機の多くは、 などの、 ひじょうに強い不快な気分からぬけ出すためしている、 というもの。 と言う子がいますが、 変なことを言っているのではなく、 本当にスッとするのです。 血を流すと血圧が下がりますから イライラなどの興奮はマシになります。 特に血液は、 手首足首などに溜まりやすく、 (ちなみに邪気も手首足首に溜まりやすいのだそうです。) そこを切ると スッとした気分になりやすいのでしょう。 と言う子は 自分の身体に強い刺激を与えることで 身体の輪郭(自分がどこにあるか、どこまでなのか)を確認し、 意識を保つのです。 傍から見ると ギョッとする方法かもしれませんが、 その子なりの、とっさの対処法なのです。 なので子どもに 「いいか悪いか」を論じても 根本解決にはなりにくいでしょう。 どんな不快な気分への対処としてしているのか、 を知ることが大事です。 子ども本人も、 なぜしてしまうのか分かってないことも多く、 その場合、 「どんな気分の時、切りたくなるのか覚えていてね」 「切る前と切った後、どんな風に気分が変わっているの?」 など、その子に リスカの前後をモニタリングしてもらうようお願いします。 そして 不快な気分を変える方法が他にないか、 今までに何か試してみたことはなかったか、 あるのなら その方法だとどうなったのか、 どのくらいうまくいったのか、 なかったのなら 他の方法を一緒に考えたり、 考えてもらうようお願いしておきます。 自分を傷つける行為を続けていくと (意識的にしろ無意識的にしろ 『自分を大事にしていない子』という目で見られるので) 『甘えてる』『病んでる』など言われたり 被害的な目に遭うことも多くなります。 なので何よりも 子どもに 『自分は大事にされるべき存在である』ということを思い出してもらうため 傷の手当てを丁寧にしてあげましょう。 手当てされる感覚が、 『大切にされている』という感覚なのです。 「そんなことすると ケアされたくてリスカすることが増えるのでは?」 と心配される方もいるかも知れませんが、 リスカは 不快な気分に対するとっさの対処法。 ケアを求めてやっている行為ではなく、 ケアが必要になっている状態を表す行為。 リスカに関心を向けるのではなく、 リスカに走ってしまうような、 その子をとりまく不快な状況が何かについて 関心を向けましょう。 『こんなことしてるなら精神病院に入れるよ』など脅すと 「私が辛い思いをしていることを、分かってくれないんだ」と 子どもは深く傷つきます。 『あなたが大事だからもうしないで欲しい』 とお願いする方がまだマシです。 「あなたが自分を傷つけているのを見るのは心苦しい」ということを 素直に伝えましょう。 以前、辛くなるとリスカをしていた子が お母さんとの関係が良くなって 『親からもらったこの身体を傷つけるわけにはいかない』 と、 リスカを我慢するようになったことがありました。 子どもは 「自分は大人から大事にされている」と感じられると強くなるんですね。 一コマ目で読んでいる本はこちらです▼ 『漫画リストカット症候群から卒業したい人たちへ』 ←全く効果がなかった左手フィギュア お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 3, 2018 09:16:12 PM
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