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カテゴリ:景観
先日、瓦組合からある冊子が送られきした。
瓦のある風景「甍」~IRAKA~という冊子なんですが、 (社)全日本瓦工事業連盟、日本屋根外装協会、全国陶器瓦工業組合連合会などが 全国の瓦のある風景を写真で見てもらい、その歴史背景などの説明を載せ 瓦の良さ、伝統をを知ってもらおうと作った冊子です。 なかなかいい出来栄えなんですが、この冊子の1ページをめくって この国の景観をダメにしているものがわかりました。
美しい、いぶし瓦で葺かれた甍の屋根並なんですが、 なんか美しくなく、 中国の麗江の屋根並と比べると雑然としています。 そうさせているもの、それは「電柱」!そして「電線」! 普段見慣れているので、そんなに気にしてないのですが、 考えてみれば日本の至る所に電柱が立てられ電線が縦横無尽に張り巡らされてます。 最近は地下に埋められ電線のない街づくりも見られるようになりましたが まだまだ、日本は電線だらけです。 いくら屋根や外装を揃えて美しい建物を造っても、この電線がある限り 本当の美しい景観は程遠いですね。 いままで景観を重視してこなかった、行政、電力会社には かなりの責任があると思います。 太陽光発電もいいですが、これから、美しい街並みを残して行くために 官民一体となって取り組まなければならない問題でもあると思います。
それとこの電柱から、我々も含め日本人の景観に対する意識の変遷を 垣間見ることができました。 なぜそう思うかというと、この冊子の写真の電柱を見たとき、 ある映画を思い出しました。
それは「新世紀エヴァンゲリオン」。。 この映画の監督の庵野秀明は、描画に電柱や電線を多く描きます。
なんとなく、普段生活している私たちの街の風景ですよね。 雑然とした景観ではあるが、どこか日本をイメージさせます。 そう考えると、もう我々の頭の中に、電柱、電線はインプットされ日本的な風景として とらえてしまう節が根付いているようです。
日本の昔ながらの景観は、心のどこかに安らぎを感じるかもしれないが 今の日本人には、実はすでに現実的な景観としてとらえられなくなっているのかも しれませんね。
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最終更新日
2010年04月10日 16時50分34秒
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