|
カテゴリ:カテゴリ未分類
「マブイ(魂)が落ちている」とユタに告げられた優子。落としてしまった7つのマブイをはやく拾わないと死んでしまう!?行く手に登場するのは魚屋、豚肉屋のオバァたち、脱サラしたドレッドヘアのアイスキャンディー屋などなど。果たして優子のマブイは無事か…『マブイの行方』 短編集
沖縄のさわやかな風が吹いてきそうな物語。と、思ったらそんなこともなく(笑) 『マブイの行方』は微笑ましく、あ、もう終わっちゃうのね、という感じ。 でこのあと『サトウキビの森』『失踪する夜』『カジマイ』と沖縄が舞台。個性あるオバァたちと空気が軟らかくなってしまうかのようなウチナーグチ。必ずしも明るいテーマではないが、オバァホステスはたくましいし、そんなに重くない。お世話にはなりたくないけど(笑) 他のも簡単に。 『復活、ヘビ女』見世物小屋のヘビ女って何するか見当がつきませんでした。教えておじいさん。 『前世迷宮』何となくそのままいっちゃった。盛り上がらず。 『宗教新聞』街には見つめあう男女が氾濫する。 『木になる花』この中で一番よかった。色彩と香りにあふれる物語。 ただ、最初と最後の「現在の私」の描写が無いほうが綺麗。 全体的に軽快な雰囲気。同じく沖縄を舞台にして、芥川賞をとった『豚の報い』又吉栄喜 よりも読みやすいし読後感もいい(随分と乱暴な比較ですが)。ただ、登場人物の年齢がよくわからない。一応年齢そのまま出ていますが「ほんとに?」というのが何度か。(読解力の問題かも)あと、一番最初の『マブイの行方』と本の題名が微妙に違うのは何でだろう?(話の中で「あたしのマブイを見ませんでしたか?」という台詞は有ります)と思っていたのですが、実は、それぞれマブイを落としてしまって探している人々の物語なんだなーと、勝手に納得。気付くの遅いか。 私の祖母の姉が宮古でユタをやっています。方言しか使わず、もうだいぶご高齢なので私はほとんど話をしたことがありません。ですが、以前友人達と遊びに行った時には皆の為にお祈りをしてもらいました。今でもユタとしてお客さんのところに行ってお祈りをして、それで生活しているとのことです。母の話によると「身内の未来は見えない」のだそうです。 作者の池上さんは『バガージマヌパナス』という、ユタ(巫女)がからんだ長編も書かれているのでこちらも楽しみです。 読書中『五十円玉二十枚の謎』 若竹七海 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|