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福内鬼外(月日が往く)

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カテゴリ:カテゴリ未分類
ゲームソフト【ライフキング】は子供の間で爆発的な人気を得た。
攻略の為に、独自のネットワークが形成され、様々な噂がとびかう。
そんな中、“解かなければ死んでしまう”という【ノーライフキング】というソフトの存在の噂が・・・。戦いが始まる。

コンピュータシステムが売りの全国展開するチェーン塾・あすなろ会に通う、まこと。“ランダム模試”後の反省の時間、モニターを通して札幌支部の洋太と会話をかわす。その中身は、ライフキングのことであり、噂についてであった。

噂のネットワークはどんどん大きくなる。
ノーライフキングについての噂は子供たちの間を駆け巡り、何とでも結びついていく。噂はデマとなり、社会問題となる。世間は、ようやく騒ぎの源が子供であることに気付く。
そして、大人たちはディス・コン(ディスク対応型キーボード付きコンピューター・ゲーム・ハード)禁止運動のキャンペーンをはじめた。

まことの友人たちも戦う。
《泣き虫トリオ》。いじめっこといじめられっこ。
「ギョエー!!」と目を見開く、みのちん。自分の成分表を書く、サトル。
それぞれの戦い方がある。そしてまことは・・・。

いとうせいこう。
テレビなどでたまに見かけますが、実はどんな人なのかよくわからない(笑)
以前読んだ『からっぽ男の休暇』は、「南の島で休暇をとった男が、童話を思い出そうとする。が、どうもよく思い出せず、何かがずれている」という、どこかのんびりとしたおおらかな話だった。
それに比べると、この本は随分と切羽詰った雰囲気で、必死でさえある。

解説で岡田幸四郎さんが、この本が書かれた頃の【噂】をとりあげている。
【ドラえもんとサザエさんの悲惨な最終回】についてである。
そこにある《死》のイメージ。時間が先に進まないものを拒否したという。

そう結びつけるのかぁ。
確かにこの本でも、多くの《死》の迎えかたが描かれている。
内なる子供としての死。誰にでも必ずやってきてしまうもの。
ゲームに登場する【ハーフライフ】は、まさしくその象徴でもある。
半分の命。そして彼らは《自分の物語》を封じ込める。

ゲームというファインダーを通しているのが、馴染み易いのか否か。
もともとは15年ほど前に書かれたもの。
ここに書かれている世界は【リアル】なのか?
子供ならではの論理と世界。
懐かしいようでもあり、悲しくもあり、諦めもある。
大人になる、というよりも、もう子供ではなくなってしまうのだ。
成熟するものとは別に、退化してしまうものが確かにあるのだろう。






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最終更新日  2004年02月23日 23時54分16秒
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