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警察手帳の大量盗難事件発生!?
一括保管していた30人分の手帳が全て消えた。 紛失防止を狙って導入した新制度。起案した貝瀬は・・・ 表題作他3編収録。 『陰の季節』に続いて、警察の内部を描くこの事件から始まります。 警務科企画調査官。 という今まであまり見たことのない設定の主人公・貝瀬。 外勤警察官の鑑と讃えられた父は、定年後発病し入院中。 面会に訪れた病院で受けた事件の連絡は、貝瀬にとって致命的だった。 またもや地味目の話。 ですが、これがまたしっかり読ませます。 外部犯は考えにくい状況。となると、疑いの目は・・・内部へと。 警務部といがみあう刑事部。現場の当直員責任者の刑事一課・益川。 手帳の保管責任者、『軍曹』とあだ名される県警きっての堅物・大和田。 警務部への憎悪。“揺らぎ”。 捗らない調査。迫り来る制限時間。マスコミへの発表。父の病状。 犯人は誰?【動機】はいったい? 唯一(?)のアクションシーン、 貝瀬と益川の取っ組合いでのやりとりが印象深い。 「てめえらの仕事って何だよ。俺らは体張ってんだ。街ィ守ってんだよ。てめえはなに守ってんだ?」P53 と激高する益川。 それに対する貝瀬のせりふ。 やはり横山さんはこれを書きたいのではないかと思う。 皆、必死で守ってんだよ。というところを。 (そんな単純じゃないかもしれませんけど) 警務部と刑事部。営業と管理みたいなものか。(違う?) 他に『逆転の夏』は、かつて殺人を犯し刑期を終えた男が、 見知らぬ男から“殺人依頼”をされる話(100頁超。一番長い) 『ネタ元』は地方紙事件記者もの。 『密室の人』公判中に居眠りをし、妻の名前を洩らした判事の話。 (これだけだと訳がわかりませんが、意外な展開に) 『動機』 横山秀夫 文春文庫(2002年11月第1刷) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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