－唯一無二－

朝からバイトだった。
今日は寝てないせいで全然体が動かないし声も出ない。
当然、チーフに注意されまくり。
チーフはきっと正しい。だから凹む。
だけどバイトの帰り際、チーフが話してくれた事で久しぶりに涙が出た。

「この間テレビで観てね、思ったんだ。
　リスカはファッションでやる人もいたりするんだって。
　だってね？本当に死にたい人は死ぬから。
　だけどそうじゃないんだよね。生きて行く為に、逃げ場なんだよね。
　それは誰にも奪えないよね。
　大事な貴方からのSOSだもんね」

ってさ。
チーフには病気の事とか全部話してあって、それ全部受け止めて、雇ってくれてて。
しかもさ、理解までしてくれようとしてんだよ。
嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
こんな人もいるんだな。


で、帰宅後。
荊が酒飲んでリスカしてた。
薬も、リボトリールを少々。

これで抜け出せるとは思わない。
だけど少し空の青さを感じられるくらいには余裕が出来た。

有り難う。
日々は悪い事ばっかりじゃないね。