カテゴリ:社会問題
これまで一部店舗で先行販売されていたドーナツを、今後セブンイレブンでは全国展開するという。
これはミスタードーナツだけではなく、ファーストフード業界全体に大きな構造変化を促す可能性がある。 以前、マクドナルドの社長が「ハンバーガーだけではなく、チキンもコーヒーも日本一を目指す」と豪語し、見事に失敗したが、セブンイレブンはすでにコーヒーでも日本一に近付き、ドーナツでも頂点を目指そうとしているのである。 これは明らかにセブンイレブンの店舗数による力である。 この結果、少なくともファーストフード店におけるコーヒーの消費量の減少を招いているし、ドーナツの先行販売地域ではミスタードーナツの売り上げが減少している。 全国展開ともなれば、競合するミスタードーナツにとってはまさに「今そこにある危機」である。 さらにファミリーマートのプレミアムチキンの展開とそれに追随するローソンの黄金チキンあるいは他のコンビニの動きは、ケンタッキー・フライド・チキンにとっても脅威になっている。 つまり、コンビニのレジ周辺の配置次第では、従来型のファーストフードは多大な打撃をこうむる可能性があると同時に、ファーストフードチェーンの経営形態の見直しが迫られている事態になっているといっても良いと思われる。 チキンの例を出したが、例えば麺である。 今はレンジで加熱する麺が主体であるが(一部コンロ加熱もある)、コンビニが暖かいラーメンをそこそこの出来で500円で提供したらどうなるだろう。一部の名店といわれるラーメン店は大丈夫だろうが、名前に胡坐をかいて高額でラーメンを提供しているチェーン店には大打撃になるだろう。(オペレーションさえちゃんとできれば可能だろう) ただ、問題がないわけではない。 すでにコンビニのレジ周りはホットケースだ、コーヒーサーバーだ、おでんだ、と飽和状態になっており、新たな機器を備えることが難しくなってきていることだ。 もちろん、セブンイレブンであればレジ周りを一新することも可能だろうから、それまでの間にファーストフードチェーンは、何らかの独自性を出すことでコンビニとの共存を考えていかなければならないだろう。 コンビニは、その伸長によって物流をはじめ、日本社会を大きく変革してきたが、今回も食品業界に多大な変革をもたらす契機になるかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/12/24 10:47:45 PM
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