また、怪人ネタです(⌒-⌒;)
扶桑ミステリー社から出ている「ファントム上下」。
上のほとんどを読み終わったのですが…
泣ける~。可哀想過ぎる~。
ファントム=エリックが生れ落ちる瞬間から物語は始まるのですが、母親は病で亡くした最愛の夫の忘れ形見に逢う事を楽しみにしていました。
なのに生まれた子は、産婆さんまでが言葉を失い、「これ」呼ばわりする此の世の者とは到底思えないような不気味な子だった。
「間違いなく死にますよ。神様のお慈悲で、朝までにはきっと死にます。」
こんな祝い(呪い)の言葉を産婆さんから貰ったファントム。。いえ、エリックです。
若い母親は絶望し、エリックが産まれて一番に彼に作ったものは・・・仮面だった。
悲しい。。。その後の彼の生活は想像を絶します。
母に一度もキスしてもらえない。
5歳の誕生日に初めて「誕生日」というものを知り、プレゼントにキスをおねだりした。
母から返ってきた言葉は「そんなこと頼んじゃいけません。二度とそんなことを頼んじゃいけません。決して!」
あぁ、ここまでの拒絶の言葉があるかしら。。。
エリックにとって、母ほど恋しいものは無かっただろうに。
エリックは生れ落ちた瞬間から、音楽の天才で建築に関しても素晴らしい才能を持っていて、それは尋常なものではなかったのね。
5歳の誕生日にママの友達から貰った「腹話術」の本で、咲いてる花から歌声を出すというよな離れ業もしてみせる。
でも、周りからは「化け物」呼ばわり、母には愛してもらえない。
自分がいると母に危害を及ぼすと、9歳の時に家を出ます。
これがね、ママが「やっぱり、私はこの子を愛している。明日からはやり直そう」と決心した夜に出ちゃうのよね。
何とも皮肉よね。(まぁ、小説ですからそうなる訳ですが・・)
その後はジプシーに捕まって、見世物にされ悲惨な生活です。
そこも人を殺して飛び出し、理解ある建築家に拾われて建築の知識を益々充実させ、人並みの幸せを堪能するのですが、そこの娘がその生活をかき乱し、悲しい結末を迎えます。
その後エリックは、マジシャンとして大道芸人のスペシャリストになり、エリックを見に遠路遥々やって来るお客も少なくないほどメジャーな人物になります。でも、いつも仮面は外しません。
それを外すとどうなるか、エリックが一番良く知っているからです。
そんなエリックの噂を聞きつけて、ペルシャの王宮が彼を欲しているところまで読み進めました。
ここで出会うペルシャ人が、ガストン・ルルーの原作にも登場します。
いよいよ、オペラ座の怪人に迫って来ました~。
下巻は今、取り寄せ中ですので今しばらくの辛抱ですね。
さて、いつまでファントムに縛られるのかしら。
自分でも怖いくらい、のめり込んでいます。