☆陰陽師 小箱☆

2006/04/28(金)22:51

第38回 彦根城能(3) 

つきうさの舞台鑑賞日記(50)

■能 「巻絹」   あらすじ   時の帝の霊夢により、諸国から千疋の巻絹を集めて、熊野三社に奉納する事になります。   勅使(ワキ)が熊野にあって、とりまとめていますが、都からの分だけがまだ到着しません。   勅使は従者(アイ)に都の者が着いたらすぐ連絡するように命じます。   都からの使者(ツレ)は、初めての紀伊国下りであり、また大事な勅命でもあるので緊張して   旅を急いだのですが、熊野に着くと、まず音無天神に参詣し、折からの冬梅の見事に咲いている様に   和歌を一首詠じ神に手向けてから、勅使の前に出ます。   勅使は使者の遅参の罪を責めて縛らせます。   すると、音無天神の霊が憑り移った巫女(シテ)が現れて、勅使に縄を解くように言い、遅参の理由を伝えます。   勅使は、賎しい身で和歌など詠める筈はないと疑います。   そこで巫女は、使者に上の句を「音無にかつ咲きそむる梅の花」を読ませ、自ら「匂はざりせば誰か知るべき」   を下の句をつけて証明し、縄を解かせます。   そして、勅使の求めに応じて祝詞をあげ、神楽を舞ううち、神がかり態で熊野権現の神徳を語りますが   やがて神は去り、巫女は狂いから覚めます。 まず最初に登場したのは、ワキの勅使とアイの従者。 アイは茂山茂さんが勤められました♪ 茂さんも最近、益々よい漢(おとこ)ぶりになってきましたね~。ついつい、そちらに目が行ってしまうわん♪ 勅使どのは熊野にあって、全国から巻絹が届くのを待ってるのですが、都からの巻絹が到着しなくって、とてもイライラモードでした。 ワキの原さんは偉丈夫な人で、こういう偉そう~~な役が良く似合う。 従者の茂さんは線が細いので、主従の感じが体型からも良く出ていましたわ。 そして、次に登場したのが、シテツレの都の使者。 宮本茂樹さん。。あらま! この人も男前やんか!(←だから~~。舞台の目線が違うってば!) 肩に巻絹に見立てたものを持っています。 え~っとね、萬斎さんが「にほんごであそぼ」の「昆布売」で肩に昆布をかついでるでしょ? あれとほぼ一緒です。形が真四角で色は生成りでした。 このシテツレが演じてる間、ちょうど茂さんが座してらっしゃる方向が私の目の前~!みたいな状況で、「茂さんの視界に入ってる?」(〃∇〃)と思うと、ソワソワしてしまいました(←ただのバカ!) 天神さんで梅を愛でる和歌を詠んでいたら、すっかり 到着が遅れて、茂さんに「ガッキメ!やるまいぞ!」と縛られてしまう都の使者。 あ~~ん。それってないでしょう。なんと御無体な~~~(ノ_・、)シクシク 縛るだけ縛ったら、茂さんはサッサと切戸口から退場されました~~( ̄Д ̄;) そしてそして。ここでシテの巫女さん登場~~。 手には白梅を持ってます。 天神さんとくりゃ~、梅ですもんね。 この巫女さんには天神さんが乗り移ってて、和歌を詠んでくれた使者の縄を解こうと試みるのですが、その縄はご丁寧にも「岩代の松の何かと」結んであるから、巫女には解けない。って言うの。 「岩代の松の何か」って、何だろ~~? それがとても気になったヮ。 「松竹梅」で言えば、梅は松には敵わないからかな~? なんて事も思ってみたり。。 多分、全然違う意味だと思うけどね。 巫女さんがまるで愛しい殿御に恋焦がれているようで、艶のあるシテでしたよ。 天神さんで和歌を詠んでいたから遅参した事がようやく証明されて、都の使者は縄を解いてもらい、巫女さんは乞われるまま神楽を舞うのですが、最初は静かな出だしの神楽が段々UPテンポになり恍惚状態になっていきました。 神が乗り移ってますからね~。 そして、急に神が体から離れ、素に戻る巫女さん。そして、退場~。 さて、ここからは、私の想像ですが。 熊野の山奥の音無天神。。 多分、さほど人が訪れる場所ではなかったんじゃないかしら。 そこへ、身分は卑しいけれど、都人が来て天神の梅を愛でて和歌を詠んでくれた。 神様も梅もさぞかし、喜んだんでしょう。 都人が巻絹を納めに来たのはその様子から察っせますので、後々を気にしてみれば、「遅い!」って事で縛られてしまっていた。 これは是非とも助けねば!と思うのが普通ですね。 それで、都人が詠んだ和歌の上の句と下の句をお互い、言い合わせて窮地を救った。 ってな感じじゃないかしら。(もうちょっと、想像力を膨らませたいところですが。。) 天神さんといえば。。菅原道真ですが。。 このとき、巫女に乗り移ってたんは。。菅公? さてさて、どうでしょうね。 この「巻絹」を鑑賞している時。。実は席を移動していました。 最初は正面席の真ん中で見てたのですが、「途中退席」もありうるか。。と思って、会場の方の許可をもらって、脇正面の右端の席に座ってたんですよ。 今回は、脇正面の席は空席が多くて、数名の方しかいらっしゃらない状態でした。 で、茂さんの視界に入るのは私ただ一人! な、現実! うひょひょ~。嬉しいやら恥ずかしいやら。 いやきっと、視線は違う所に定めてらっしゃると思うのですが、そう思い込みたい私なのでした。 そうそう、急に思い出しましたが、狂言「口真似」で太朗冠者が何某の家に行っている間、主人の正邦さんは喉の調子が悪かったのか、何度もエヘン虫と戦っておられるような口と喉の動きをされてましたわ。 心配してましたが、自分のセリフの時には、いつもどおりの美声を聴かせてくれました。 狂言師も喉が命!って側面も持ってますよね。 花粉の飛ぶ季節。。苦労されてる能楽師もいるんだろうな。。(野外の時は最悪でしょうな)

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