カテゴリ:短歌
11月25日『NHK短歌』 題「待つ」または自由 選者 山埜井喜美枝 選者による入選十二首から、私が注目した歌をいくつか。 お遍路と 高知県黒潮町 三木美和子 選者によると、この作者は地元でお接待している人だろうという。作者が高知県の人なのだから、たぶんそうなのだろう。お遍路をしている深い事情なんかを察知してしまったりして、バスを見送ったあとに一抹の寂しさを感じることなんかもあるのかな? そうすると、この待っている間には一期一会のような特別な意味が出てくる。 来世は男に生まれ ゆふぐれの食卓に 和歌山県紀美野町 助野貴美子 夫がなかなか帰って来ないで妻はいつも待たされている状況を逆転させてみたいという歌。問題はどういう気持ちで待っているかなんだな。いつまでも帰って来ないでイライラさせたり不安にさせたりして・・・と考えている妻ならば、復讐の歌。しかし、夫も比較的きちんと帰ってきて、待つ楽しみを知っている妻ならば、この楽しさもわけてやりたいという優しい歌。選者は後者だと言っていたが、すぐに前者を想像して後者を想像しがたい私の場合は、周囲にそういう女性しかいないということ? この地球の 柿沢市 伊藤京子 すすきのふわっとした感じは、月光を吸っているからだったのか! 私はそんなふうに考えたことはなかった。おもしろい感覚だ。歌の世界は物理的な因果関係じゃないんだな。イメージの因果関係だ。 いっぱいに蔵の 新発田市 渋谷和子 こういう短歌を見ると、農家では秋が新年という感じがする。蔵に入った予算をこれから使い始めるってことで。。。今でいう“年度替わり”というところだろうか。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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