カテゴリ:新語探検
ちょいと気になった新語から。。。 とうとう武道魂までアメリカから輸入しないとダメなんですか? (;´д`) 《budokon (ぶどこん)(Yahoo!辞書 新語探検 2007年8月10日)》 漢字で書くと「武道魂」。アメリカのヨガインストラクターのキャメロン・シェインが2002年に編み出した、ヨガと武道、瞑想を組み合わせたトレーニング法。前半はヨガ的なポーズで体をゆっくりと運動モードに導き、後半は空手の型を取り入れたポーズで体を素早く動かし、最後に静かに瞑想にふける。心(マインド)、体(ボディ)、力(パワー)、精神力(スピリット)を同時に鍛練することができるというのが、このBudokonトレーニングのうたい文句である。体を支える体幹の筋肉を鍛えるので姿勢がよくなり、疲れにくくなる。アメリカではハリウッドの女優、モデル、アスリートたちが実践したことで一躍有名となった。日本には05年にキャメロンが来日して、東京や大阪、名古屋でイベントやワークショップを開いて普及に努め、ヨガ愛好者たちがブログで宣伝したこともあって愛好者が増えている。 日本の武道魂は、そんなやわなもんじゃありませんぜ。(-_-; 日本の武道といっても大抵はスポーツ化してしまっていて、ボディとパワーを鍛えるだけで終わってしまうことが多いようだが、上位の競技選手になると勝つためにマインドを鍛えることをも重視している。さらに、むかし武道の達人・名人と言われた人は、スピリットもまた開発していた。こういう人たちは、現代のルールで勝負をすれば必ずしも優勝できるほど強くはないかもしれない。だから、現在の技術優先・勝負優先の意識がスピリットの軽視につながっていったのだろう。このようなスポーツ意識で武道を再構成していくならば、マインドまで外国から輸入しなければならなくなる。ボディとパワーでまさる外国選手のマインドこそ、学ぶべき手本であるからだ。 日本人は日本人にあったボディとパワーで技を作り上げ、その技にふさわしいマインドを養成するのが、本来の武道であるはずだ。スピリットは、技を究めていく過程でついてくる精神であり、その精神に基づいて未知の技が探し求められ、自らにふさわしい技がそこから生みだされてくる。 このような意味で、武道は他人に勝つために自分を変える道というよりは、自分を自分の最高度にもっていくために自分を変える道であると言えるだろう。武道の精神では、他人に負けるのは自分の運命だと諦めるのが本来のあり方ではないかと思う。ま、だから常に精進して技を磨いて他人より強くなり、それでも自分より強い相手からは身を隠すとか、師として従うとか、いろいろと延命策があってしかるべきなのだろうが。 日本の武道は敷居が高く、スピリットまで学ぼうとするとその武道に一生を捧げなければならないような感じになってしまうが、それは武道が全人的な修行だからである。ヨガと武道と瞑想を組み合わせたというのは、たしかに昔の日本の武道に近い。(ただし昔の日本の武道は、ストレッチングのようなことには積極的には取り組んでいないと思われる。) その意味で、現代の日本の武道よりも budokon のほうが日本の伝統に近いだろうとは思うが、おそらくこの人は三者とも極めていないだろうから、出発点はよくても表面的なものに終わるだろう。まあ、現代の日本人には、その程度の入門的なお遊びで十分なのかもしれないが。 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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