カテゴリ:短歌
中川佐和子「自選五十首」から、私の注目した歌にコメント。 小面の笑みを見おればありありとこころに生るる不敵なるもの能面の小面は少女の顔であり、少女というのはじつに不敵な一面がある。現代でいえば怖いもの知らずの女子高生といったところだろうか。まあ、私としては小面には小学生くらいのイメージもあるのだが、あの精神のまま大きくなったら不敵だ。(^^; わが母のひとりのときの顔を見し擦れ違いたる車の中にこういうのはなかなか見られない一瞬で、別人な感じがする。 半世紀青酸カリを捨てざりし父に兵士の日が帯電す帯電という表現が斬新だなと思った。その覚悟のようなものには、ちょっとビリビリした感じもあるのだろう。 こめかみにピアスの美容師 入りたいほど磨かれた鏡へ誘う私は男なので美容院のことはよくわからないのだが、“入りたいほど磨かれた鏡”というのは何だかよくわかる。御殿に入っていくような感じなんだろうね。(^^ゞ 白焼きのあなごの串をぬくときの手加減に助詞をけずりていたり全体の形が崩れてしまわないように、そっとぬく。助詞は文の意味をしっかり補強するような働きをするが、詩の文には、助詞の綿密な配置で意味を厳密に固定する論理性は無用であり、むしろ多義的であればあるほど文に含蓄が出てきて面白い。その多義性を含めつつも文全体としての意味が崩れないようにギリギリのところで助詞をけずっていくのは、確かに微妙な作業である。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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