カテゴリ:短歌
4月19日『NHK短歌』 題「自転車」または自由 選者 東 直子 今年度からは『NHK短歌』のホームページには特選三席以外の入選歌も掲載されるようになっていた! そこで、これからは入選十二首の中から、私が注目した歌にコメント。その代わりに下手な自作はほとんどなくなる。(^^; “いつときのちから”というからには、現在は再び寝たきりになっているとか、ひょっとして既に亡くなってしまったかもしれない。いずれにせよ、“さくら咲く”下を走るのは晴れやかで嬉しくもあり、また、“さくら散る”いっときの夢のサイクリングでもあり、喜びと悲しみが表裏一体のイメージである。思い出としては妻のそのときの笑顔が印象に強く残っていることだろう。 一通の手紙をかごに入れている 走りだしたいはずの自転車“はず”というからにはなかなか走り出せない。手紙を出すのが不安とかこわいとか。ラブレターとはかぎらないだろうが、きっと人生の大勝負とかチャレンジのような内容なのだろう。 自転車で坂道降りる少年達次々脚の翼を開く“脚の翼”という表現は、いかにも空に飛んで行きそうな気分を象徴していて上手い。なんだか宮崎アニメの1シーンに出てきそうな場面だ。(^^ゞ 結婚のとあるところに水たまり自転車で過ぐ飛沫をあげて泥がつかずにサーッと通り過ぎられてよかったね。飛沫をあげたからには、周囲はけっこう波立ったのかも。(^^; 抜歯され出づれば空に春の雲浮きをり自転車忘れて帰る春の雲が浮いている時期なんて、普通でもポーッとしているが、この作者は抜歯が終わってホッと一安心しているし、麻酔も切れてなかったりするので、なんでも忘れちゃうんだな。(笑) なんだか暖かそうでいいわ。 自転車の後ろで触れた君の背に銃持たされし時代の傷が実際の傷か心の傷かはわからないが、女性にはわからない何かを背負っているのを感じたのだろう。 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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