カテゴリ:個人情報保護とか
では再開しよう。前回に引き続き、個人情報をトレースできる社会システムが如何に実現困難かを考えたい。 時間を空けた分、推敲できたのでよしとしましょう。……って、一回分減ったはずが、再び元の長さに戻ってませんか?! 多少減ってるはずだが……もう少し削らねばいかんかもしれんな。それに『法的』と言う部分は前回でほとんど使ってしまった気がするから、第二回はちょっと誇大広告気味か?…まあ、とりあえず再開しよう。 さて、前回は小倉君が提唱した『匿名禁止社会システム』設立の為に、議論の参加者の住所氏名を勅使河原君に集めてもらったわけだが。 すみません。誰も教えてくれませんでした…。 まぁ、無理だろうな。片方が「弁護士先生」もう片方が「匿名」と言う状況の議論で「議論で名前を隠すなんて」と言う反論が出てくるのは良くあるパターンだが、実際に住所氏名を公表してよいか、と言われれば話は別だ。 現在のIT業界を見ていればどれほど個人情報にナーバスになっているか良くわかるはず。小倉君は知らないのかもしれないが「個人情報が漏洩して損害賠償」なんて言う事件はもう既に山ほど存在している。ちなみに個人情報の価値だが――例えば2004年2月のYahoo! BBの顧客情報470万人分が漏洩した事件で500円配られてたことは有名だろう。個人情報を明かさないことに『価値』が存在しているのは明白なのだ。ちょうどよく秘書の柏崎君がその他の事件もまとまった資料を見つけたのでこれを提示したい。一部を抜粋する。
(この基本4情報全てを小倉君は必要としているか?あるいは漏洩は基本4情報全てだった場合に限らないのか?という問題もあるが、)小倉君が「明かすべき」としている情報価値は10000円程度の価値は公的にあるようだ。 どうやらマイクロソフトもほぼ同じ見解のようですね。 金額が一致しているな。それをユルイ条件で公開できる状態にしますというわけだから反発もでる。私の経験上でも「自分が別に構わない」と思っているからか、議論に相手の個人情報を求める輩は小倉君以外にも多かったが、彼らは他人の認識の尊重どころか法的に認められるようになったモノの価値すら満足に認識できていないだけだ。 しかし隊長、これでは匿名禁止社会システムなんてどうやっても作れません。 だから小倉君は法改正まで持ち出したのだろう。何故なら『小倉君の言う社会的なシステム』とするためには、全ユーザ―それは無理でも日本国の管轄においてできる範囲全てのユーザを対象にしなければならない。ならば公開を個人の好き好きに任せるわけにはいかない。匿名は議論に参加できないなどという選択的な状況が作れるわけがないのだからな。 やっぱり議論の参加者だけで良いってわけにはいかないんでしょうか? 駄目にきまっとる。批判を受けたら、と言っているのだから議論が始まって後追いでログ取得してもしょうがないからな。始まる前に網は張り終えていなければならん。 議論が起きているサーバで取得…は無理ですねぇ。海外サーバまで法律及ばせられないでしょうし、個人のサーバなんかにログ管理を義務付けるのも無茶ですし。となるとやっぱり、プロバイダが管理するんですか?こんな話もありましたけど…
これ、何が言いたいのかよく分からん上に無茶な文だな。ADSL接続ユーザに限定したいわけでもないと思うのだが―小倉君がADSLユーザなのかな?ともあれ、一般的にインターネットに接続する際にはインターネット接続業者―プロバイダを介するわけだから、リソース(議論のある場所)で採らなくても入り口で採ってしまえばよい。私もこのあたりどのレベルまでログが取れるかは詳しくないが、プロバイダであればどこにいつアクセスしたかは認識できるはずだ。技術的問題は既にクリアできているのだから無理して他に振る業務でもない。それは小倉君も認識している。
つまり、法的にプロバイダを『匿名禁止社会システム』のデータ管理業者にしてしまうわけだ。おそらくこれが最良―というかこれしかない。ここで非現実的なのは運転免許証のほうだな。わざわざ運転免許証の提示まで求めているのだから、偽装されないようにと考えているのだろうが…。 ……はぁ。議論のためにそこまで確認がいりますか。 その考えも分からないでもないが、そこで思考停止してはいけない。そんな作業が必要か?と言うよりそんな作業をやってられるか、と言う部分のほうが問題として大きいのだ。 あ――そういえば、遠い過去には郵送で、ここ最近はメールで契約してましたね。プロバイダの人と会話したことなんてゼロでした。 そこでもまた管理コストが増える。ユーザの負担もな。単なる本人確認で流すのではなく『写真付きの身分証明書で本人確認』とまで言ってるから曲解や大げさな受け取りではないと思う。小倉君の考える本人確認に必要なレベルが読み取れる重要個所だ。 もうむちゃくちゃですな……。 他の問題に漫画喫茶等をあげているが…そんなもの―未登録でインターネットアクセスのできる入り口の問題などまだしも簡単に解決できる、どうでもいいことだ。今もやっている漫画喫茶の身分証提示義務をより厳しくすれば良い。本当の問題はその「厳しくする」ためのコストだ。オンとかオフとかじゃないんだ。カネと手間。それを忌避する反対意見の抹殺こそ問題だよ 今よりめんどくさくなってお金もかかる…当然業者負担もユーザの負担に跳ね返ってくるでしょうしね。 でなければ税金でまかなうか、だな。それも結局ユーザ負担みたいなものだが。 こりゃ実現させようとしても賛同者出てきませんよ?コストの割りに得られる価値が「匿名が相手で議論が成り立たない」っていう主張のためだけでは。本当に成り立ってないと証明できてるわけでもないのに。 第一回で述べたが匿名性を排除するシステムは既にできているがな。ビジネスでどうしても必要になるからな。問題はどこにでもあるインターネット上の揉め事にまでそれを持ち込もうとしていることだよ。 結局だな。小倉君のこの意見を実現しようとするなら、『プロバイダに問い合わせたら(ほぼ)無条件で住所氏名を教えてくれるサービス』を法律で無理やりに強制するしかない。国家の方策なのだからコストの問題も無視させる。公社だかなんだかを作ってな。 議論一つでここまで非現実的なサービスが必要になってきちゃうんですか……。 なっちゃうと小倉君は主張しているのだ。『オフラインで議論するときはできているが、オンラインではできていない。だから議論のためにこのサービスが必要だ』と強硬に主張している。しかも現実的なレベルだと。さて、一休みして更に推敲したらまたしても文字数制限に引っかかってしまった。 ……大作ですね。第4回までいったら笑いますよ流石に。 もう残りも僅か―小さなネタが一つあるだけだったが…ここで再度休憩としよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[個人情報保護とか] カテゴリの最新記事
|