入院させてくれないの?
水曜の朝から熱がある。体温計は測るたびに38度5分、きっかりで止まる。背中側からゼーゼーが聞こえる。分泌物は多くない。食欲はあるけれど、飲み込めないのでほとんど食べず水分はいちおう取れている。機嫌はすこぶる悪く、クタッとしている。ちょっとトイレ…と離れれば泣き思うものが食べられないと泣き遊びたい、出かけたいと泣き…泣いては鼻汁があふれ、吸引し、それがイヤでまた泣く。泣けば泣くほどにむせ込み、ゼーゼーが増し家庭での介護に限界を感じ、入院の準備をして病院へ連れて行くことにした。吸引機を充電すると何故か「やったー」と万歳した。オイオイ、遊びに行くのではないぞ。生憎の雨で、立体駐車場は混み混み。それでも運良く1階に駐車場を確保し始まる前に受付を済ませることができたので、待ち時間は少なかった。主治医は出張で不在。入院は滅多にさせないという先生に当たってしまい診察し、レントゲン、血液検査、点滴、吸入、とあらゆる指示される。そこまで外来でするなら、今日は入院できないなとガッカリ。それでも血液検査結果次第では入院もありかな…なんて思っていた。点滴に1時間半、処置室が混んでいたので廊下で吸入。しかもマスクなしで手に持って吸入する。咳き込みがいっそう激しくなり、廊下でサクションする。はて、この環境、絶対おかしい。もっと適切な場所を用意してくれたりしないわけ?入院すればすべてを狭いけれど確保された空間で人目も気にせずに処置できるのに廊下の長椅子に吸入器を置いて、しかも利き腕は点滴につながれて不自由な2歳の子どもにそれを喉に当てるように指示しなければならない。こちらは吸引の準備で、消毒液をこぼさないように不安定な長いすにそれを置き、カテーテルを汚さないように慎重に吸引する。そこを通る人たちに視線を向けられるのは言うまでもなく。こんな事なら、入院させてよ。ようやくすべての処置を終え、再診。(点滴して)ゼコゼコ、良くなったんじゃないですか。炎症反応は高いけれど…ほかに悪そうなところもないし、喘息様の気管支炎でしょうね。肺炎っぽくもないしね。これくらいなら家で見られますよね、お母さん。…「よね。」って言われてしまうと「そうですね」と言うほかない。明日は?看護士に尋ねる。休みだけど、ダメなようなら夕方もう一回来て。夕方出直すなんて馬鹿馬鹿しい。5日くらい入院してじっくり直して欲しかったけど。