2017/04/23(日)11:58
レッドリストとワシントン条約など、保護と規制に関する雑学。
このブログではレッドリストの記載を行っているが、国際評価と環境省評価また都道府県評価などレッドリストは複数の段階に分かれ、理解が曖昧になりがちなのでまとめてみる事とした。
まず、レッドリストとレッドデータブックの違い。
レッドリストは、データとしてまとめる前の段階で、即時性のあるホットなデータ。野生動物の環境は激変しているため、危急を要する個別の個体状況をまずリスト化する。これがレッドリスト。
レッドリストはVerが更新されていて、このブログではVer3.1から引用している。各分類は下記のとおり。
絶滅 EX
野生種絶滅 EW
絶滅寸前 絶滅危惧ⅠA類 CR
絶滅危惧 絶滅危惧ⅠB類 EN
絶滅危急 絶滅危惧Ⅱ類 VU
保全対象依存 CD
準絶滅危惧 NT
軽度懸念 LC
データ不足 DD
未評価 NE
レッドデータブックは、レッドリストでデータ化された物を体系化し整理した物で完成まで時間を要する。その分、生態や分布地など細かな情報まで記載されている。
レッドリスト国際評価、地球規模で俯瞰して種の生息状況を大まかに把握する基準値。
レッドリスト環境省評価、日本国内の生息状況から判断する基準値、国際評価に比べ情報が細部に至る。
レッドリスト都道府県評価、南北に長い日本の国土では地域によって野生種の偏りが大きい為、都道府県では生息数に大きな隔たりが生まれる。一例としてオナガドリは関東ではよく見る野鳥だが、関西では極めて数が少ない。このようなデータを都道府県ごとにまとめたリスト。環境省評価よりさらに一歩踏み込んだ情報。
ワシントン条約「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、野生動植物の保護のため国際間商取引に関する条約。附属書1から附属書3まで3段階に分かれる。
附属書Ⅰ、きわめて絶滅の危機に瀕している動植物、商業取引は原則禁止。取引には繁殖・研究のみ輸出国と輸入国の許可が必要。
附属書Ⅱ、必ずしも絶滅の危機に瀕している動植物ではないが予防的に取引を規制している種。取引には輸出国の許可が必要。
附属書Ⅲ、絶滅の危機に瀕している分けではないが、それぞれの国で特別な動植物である。取引には該当国の許可が必要。