カテゴリ:文具
先日、「プラチナ万年筆」の本社を訪問しました。
プラチナ万年筆といえば、 1919年創業、日本の万年筆メーカーの老舗。 世界で初めて、インクカートリッジを発売し、 世界の万年筆の歴史を変えたとも言われる 日本が世界に誇るメーカーの一つです。 個人的には、私の父の形見の万年筆が、 プラチナ万年筆だったこともあり、 以前より、とても親しみを感じていたメーカーでもあります。 お若くダンディな中田社長に初めてお会いし(実は同い年)、 プラチナ万年筆の現在のモデルを沢山見せていただきながら、 万年筆談義に花を咲かせたあと、 「プラチナ万年筆」が母体という手作り万年筆の会社、 「中屋万年筆」の工房へ案内していただきました。 ここは、プラチナ万年筆に長年勤めていた 一流の職人さんたちによって一本一本 丁寧に作られるオーダー万年筆の工房。 パンフレットの中身の一部がこちら。 その匠の技は世界中に知れ渡っていて、 海外の万年筆ファンからの注文は後を絶ちません。 どきどきしながら、職人さんの様子を眺めていたら、 中田社長が、 「堤さん、調整したい万年筆あったらこの機会にどうぞ」 と言ってくださったので、カバンにしのばせていた、 昔のモデルっぽいプラチナ万年筆と、 今は存在しない英国のブランド、 スワン万年筆(1930年モデル)をそっと差し出しました。 まず、それを見た瞬間、一人の職人さんが 「あ、このプラチナ万年筆は昭和41年発売の 人気モデル、PB3000ですね」 うーん、さすがです。 自分で調べても全然わからなかった正体不明のモデル、 一発で謎が解けました。 「これを今持っているのは貴重ですよ、大事にしてくださいね」 とおっしゃりながら、ペンデザイナーの吉田さんが、 見事な手さばきで万年筆をどんどん分解し、 ペン先の割れ目の部分まで綺麗にクリーニングし、 ペン先を滑らかにやすりで削って すぐに使えるよう調整してくださいました。 ずっと眠っていた万年筆が、 眠りから覚め、この上なく快適な書き心地に。 スワン万年筆のほうも、 ペン先をはずしてクリーニング、、 インクを入れられるようにしてくださいました。 ただ相当古いものなので、無理せず、 つけペンのような使い方をするのも いいのではとのアドバイスも。 普段は入ることができない工房で、 なんという貴重な体験。 世界中の中屋万年筆ファンが憧れる職人さんと話をしながら、 自分の万年筆を調整してもらえるなんて、贅沢ですよね。 中田社長、本当に有難うございました。 そして、この時、私は心に決めました。 この素晴らしい職人さんたちに、 世界でたった一つの自分の万年筆をオーダーすることを。 次の出版本のテーマは、京都とパリ。 その取材旅行に連れて行く一本の万年筆を注文するつもりです。 どんなものにするか、考えるだけでわくわくが止まりません。 万年筆は、美しく奥の深い文房具、 あなたも是非、お気に入りの一本探してみてはいかがですか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013/10/15 09:57:49 AM
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