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真理探究と歴史探訪

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2018年03月21日
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連載の総括となる本日の冒頭画像は、かつて「火の山連峰」の麓から「冬至」の日の出を撮影したものである。

ちなみに、その清々しい朝日の光芒から見て左端となる山が「火の山」、そして右側の山が「亀山」だ。

ここで思い返せば、地元の新山口駅に繋がる鉄道路線を越えて、北側から南側に渡るアーチ状の道路があるのだが、その道を車で走るたびに、意識しなくても視野に入っていたのが「火の山連峰」であった。

あのノコギリの歯のような特異な景観を毎日のように見ているうちに、かつて福岡県の糸島市で見た印象に強く残る山並みと、いつの間にか重ね合わせている自分に気づくのだった。



その糸島市の山並みとは、「高祖山(たかすやま/標高 416m)」を主峰とする「高祖山連峰」のことである。

つまり今回、地元の「火の山連峰」に登ろうとした発端や、この連載記事を書くようになった動機の背景に、「高祖山連峰」への特別な思い入れがあったというわけである。

そこで上の画像は、「火の山連峰」と同様に南北に連なる「高祖山連峰」を、西側の平地から東方に向かって撮影したものだ。


実はこの高祖山の西側の平地には、 弥生時代の古墳で日本最大の銅鏡「内行花文鏡(直径46.5cm)」が5枚も出土した国指定史跡「平原(ひらばる)遺跡」がある。

ちなみに、同じ遺跡から出土した上記の大鏡を含む銅鏡40面や玉類等は、国宝に指定されている。

この弥生時代の後期とされる遺跡に、年間の「日の出」を観測していたと思われる痕跡があり、その痕跡を観測点として「高祖山連峰」の山稜から昇る一年間の太陽運行を観測し、「暦」としていたとする着想で描かれた図が下の2点である。
(※掲載した2点の図は、以下に紹介の参考書籍から抜粋)

◎参考書籍・・・書名『 実在した神話 』・原田大六 著・学生社(1988年 初版)

この「平原遺跡」の出土物の数々が常設展示してある糸島市の「伊都国歴史博物館」に、縁あって何度か足を運ぶうちに、館内に展示された下の2点の図を見る機会があった。

もちろん「太陽信仰」にちなむ一つの説ではあるのだが、私にはとりわけ強い印象として脳裏に刻まれ、実際に同遺跡から「高祖山連峰」を眺めたことも数回あったことを憶えている。

◎関連記事・・・​伊都国の「高祖山(たかすやま)」に登る




上の画像は前回の日記にも掲載した、「御伊勢山」の山頂から「火の山連峰」を映したものである。

そこで、例えばこの画像の撮影地点を、年間の太陽運行を観測するための観測点とすれば、およそではあるが連峰の左端が「夏至の日の出」、連峰中央の「火の山」の山頂が「春分と秋分の日の出」、そして連峰の右端が「冬至の日の出」のそれぞれの出現位置となり、つまり「火の山連峰」の左端から右端までの範囲の一往復が、この地域の年間の太陽運行をあらわす自然の地形を利用した「暦」ということになるわけだ。

この「火の山連峰」から見出される年間の「暦」は、この上と下の「高祖山連峰」の稜線が描かれた2つの図と見比べることで、それなりの見当がつくだろうし、例えば測量の経験のある人が御伊勢山の山頂部等で詳しく調査すれば、より正確な「観測点」が特定できるであろう。

ちなみに「御伊勢山連峰」の麓では、近年の道路工事にともない計33基の古墳が発掘調査され、その内の数基が集められ道路沿いに古墳公園ができている。

もしかすると被葬者の中には、御伊勢山の山上で天体観測を専門とする祭祀氏族がいたのかもしれない。



繰り返しとなるが、この連載の背景には「山口と九州を貫く《冬》の南北軸」という構想があり、私にとっては季節の「冬(冬至)」にまつわる地域として「山口県」を意識してきた。

そこで今回の連載では、その県央部の山口市南部(​小郡宰判​)に属する二つの連峰(火の山連峰と御伊勢山連峰)を主に取り上げることにした。

そして、二つの連峰の主峰を地図上で結んでみると、おそらく自然界からの導きであろう・・・「春分」と「秋分」の日の出と日の入を示す「太陽信仰」の主軸たる東西軸・・・が浮かび上がるのであった。

折しも本日は、真東から太陽が昇り真西に太陽が沈む「春分の日」である。いよいよ「冬」の季節から、本格的な「春」の季節の到来だ。

綴ってきた連載『ふるさと「山口」の山野を歩く』が、読者の皆さまの心の安寧と地域の活性につながりますようお祈り申し上げる。






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最終更新日  2018年03月21日 00時03分02秒


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