真理探究と歴史探訪
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さて次に、展示スペースの壁隅に並べた造形について解説してみよう。 まず冒頭画像の上方の壁面に並べて展示した黒緑色の作品群だが、これは数の「1」から「9」までの数理を、私なりの解釈で形に置き換えたもので、左下方の一番小さい造形が「1」を意味する。 つまり数をあらわす構成単位を「正四面体」(6本の軸線構成)とし、例えばこの「正四面体」が6つあれば一番奥の壁隅に置いた6角形状の立体表現となり、これが数の「6」を意味するという捉え方で、右上の端にある9個の正四面体で構成された9角形状の立体が、「9」を意味するというわけだ。 ある構成条件の元に、言わば「1角形」から「9角形」までの立体的表現(画像では向かって左下から右上へ)を展開したわけだが、この展開方法だと何故か「立体的9角形」で全開になってしまうために、「10角形」以上の立体的な角形表現が構成できないことが分かったのであった。 ということから、この「1」から「9」までの数と形の関係が「10進法」を意味するのではないかと感じて、冒頭画像の左端にある青紫色が主体の造形を、数の「0」として加え『十理(とり)』と名付けた。 その「1角形」から「9角形」までの作品の色合いを「黒緑色」にしたのは、日本神話の「天之岩戸(あまのいわと)」の段で、早朝に「岩戸開き」を告げる「長鳴鳥(長尾鳥)」の、格調の高い羽の色合いを意識したもので、現今の未だ暗澹たる世の中(岩戸閉め)から燦然と輝く光の世界(岩戸開き)へ向けて、全体として一本の「道しるべ」を象徴している。 そして、上述では「0」と表現したが、単体では『変容(へんよう)』と名付けた作品が、上の画像に映る複合立体だ。 この造形に『変容』と名付けたのは、立体表現に関する凡そ全ての要素を孕んでいることから、「あらゆる事象に変幻自在と姿を変えることのできる器」との意味合いが汲み取れたからだ。また、その変幻自在の器という意味合いから、中心部より赤から紫へと、言わば「虹の七色」を配色した次第である。 以上のことから、この造形を数の「0」と解釈することは、それなりに的を射ていると言えよう。 次に上の画像は、手前の『剣菱』(菱形12面体)の向こうの壁隅に置かれた全部で5つの造形を映したもので、その5つの造形を全体として『関係(かんけい)』と名付けた作品群である。 下の画像は、上の画像の中央部にある3つの造形を拡大したもので、向かって右の青色の造形は「準正32面体」の軸線構成、それから向かって左の赤色の造形は「菱形30面体」の軸線構成、そして中央の青と赤の入り交じった造形は、左右の2つの造形を「ひとつ」に組み合わせた作品である。 これを別の表現でいえば・・・「太極」から「陰」と「陽」が分かれた世界・・・つまり中央の造形が「太極」、そして青の造形が「陰」、赤の造形が「陽」と認識することができよう。 そこで、上の画像の両脇にある赤と青を程よく組み合わせた2つの造形に関しては、以下のリンクを参考にしていただけたらと思う。 ◎右端の造形の関連記事・・・「立春」に繋がる ◎左端の造形の関連記事・・・心身のバランス調整に向けて 加えて、上の画像の中央の構造に関しては、以下のリンクを参考にしていただけたらと思う。 ◎関連記事・・・新作の造形『 慈 愛 』の公開 いずれにしても今回の美術展で、この『関係』と名付けた5つの作品を一堂に会して展示できたのは、私にとっては意義深く、感慨無量である。 さて最後の作品紹介となる上の画像は、『諸星(もろぼし)』と名付けた小物の作品群で、言わば五芒星系の立体を主とする造形の数々を、竹軸で構成した『星籠(ほしかご)』と名付けた造形に飾り付けた展示を映したものである。(最下段にある画像の向かって左端の作品群) それぞれ小物ではあるが、軸線の編み方によって生じる曲がりなどの「ゆらぎ」には、何となく神秘性が宿っているように思えて、自分でも興味を惹かれる表現の数々だと感じている。 美術展の会場では、現役作家の絵画・彫刻・工芸・コレクションなど、それこそ「みんなちがって みんないい」の作品たちが、居心地の良い雰囲気で配置され、御縁ある方々のご来場を待ち望んでいた。 ☆美術展の告知・・・美術展『燦然たるオブジェたち』のご案内
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