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先月の11月23日(勤労感謝の日)、いつか登りたいと思っていた「犬ヶ岳(いぬがたけ・標高 1,131m)」(福岡県豊前市)の登拝が許された。 不思議だったのは、登山当日の朝まで自身に登る気配は無かったのだが、晩秋の紅葉を楽しもうと山口から大分方面に車を走らせ当山の近くに差し掛かった時に、なぜかむくむくと「登るのは今日しかない!」という想いが湧いて急遽実現した登山であった。 登山にも使えるトレッキングシューズは常時車に積んでいたので、リュックに防寒着と飲食物を入れ軽い服装でチャレンジすることに・・・。登山口からの出発は午前11時頃だったと思う。 登山口から山頂までの標高差は約700m、かなり急勾配の山道が続く険しい道程だったこともあり、途中で写真撮影を楽しみながら休み休み登ることにして、ようやく山頂に到着したのは午後2時頃であった。 そこで冒頭画像の中央に聳える秀麗な山は、この「犬ケ岳」の山頂付近から、東南方向に見えた豊後富士「由布岳(標高 1,583m )」である。 この「由布岳」を展望できればと期待していたわけだが、やはりこの御山が眼前に現れた時は感動であった。さらに南方には祖母山系や九重連山、そして阿蘇山系も視認できたので、この「犬ヶ岳」の存在位置の重要性を現地で再認識することができた。 そして下の画像は、その山頂にある標識と展望台を兼ねた避難小屋を映したものである。当日の天候は曇りのち晴れだったと思うが、寒々とした道中には2~3cmの霜柱が散見され、たまに雲間から射す陽光が有難かったことを憶えている。 修験道の世界において、この地域で「犬ケ岳」といえば必ず抱き合わせで取り上げられる御山が「求菩提山(くぼてさん・標高 782m)」(福岡県豊前市)である。 かつて、この「求菩提山」の登拝が許されたのは2016年の4月だったのだが、その時以来「犬ヶ岳」への思いは募るばかりで、なかなか登拝の機会は訪れなかった・・・。 ここで改めて、「求菩提山」へ登拝後に書いた当時の記事を読んでみると、興味深い記述があったので、以下にリンクした関連記事より抜粋しておきたい。 …ところで、古代より「求菩堤山(標高782m)」は、隣り合う「犬ヶ岳(標高1130m)」とともに、一対の霊峰として栄えてきた経緯があるとのこと。 …ここで興味深いことは、この二つの山の関係が「犬ヶ岳が神の山で、求菩提山がそれを拝した山であろう」と古文献に記され、求菩提山は犬ヶ岳の遙拝山、つまり犬ヶ岳は求菩提山の奥宮的聖山とみなされているところだ。 …実は求菩提山の南方に聳える犬ヶ岳には、封印された「深秘の尊体」が存在し、それゆえに犬ヶ岳が絶対的な「神の山」とされ、山上に踏み込むことが許されず、求菩提山より遙拝するものとされてきたらしいのだ。 ◎関連記事・・・豊前国 修験道の中心(上) ◎関連記事・・・豊前国 修験道の中心(下) ◎関連記事・・・豊前国 修験道の中心(番外編) そこで上の画像は、「犬ヶ岳」の山頂部から遥拝した「求菩堤山」(手前の山ではなく全体画像の中央に位置する山)の山容である。この撮影地に立ち・・・ようやく、この時が来た・・・と実感した、感慨深い一時であった。 加えて「犬ヶ岳」については、今年の春に「御所ヶ岳」(福岡県行橋市)の山頂から遥拝して、いたく感動した経緯があった。以下の文章は、その時の記事(以下の☆関連記事)から抜き出したものである …この「御所ヶ岳」の「御所」という中央を意味する山の山頂から見た上記の「犬ヶ岳」の方位は、冬至の真夜中に天体「シリウス」が昇る真南から約20度東の「シリウス方位」に振れており、その「シリウス」には「ドッグ・スター(犬星)」という異名があることから、何故この山に「犬」の名称が付されたのか、その理由が分かった気がしたのであった。 …そもそも「犬ヶ岳」の「犬」とは、旧称である「威奴(いぬ)岳」の「威奴」に充てられた漢字であろうし、蔑称の意味合いも汲み取れるのだが、その時の私には「御所ヶ岳」から見てシリウスが昇る方位にある「犬ヶ岳」に、「犬星」たる「シリウス」が重ね合わせてあるように観えたのである。 …「御所ヶ谷神籠石」が造られた今から約1350年前、この御所ヶ岳の頂上から南天の夜空を展望すると、「南十字星」は「英彦山」の山上に確実に輝いて見えたであろうし、「シリウス」は冬至の頃に「犬ヶ岳」の山頂辺りから昇ったことであろう。 ☆関連記事・・・山口と九州を繋ぐ古代の「光」ネットワーク(3) ・・・「犬ヶ岳」の山頂にて一服・・・そして午後3時頃、登ってきた山道とは別のルートで下山を始める。このルートも私にとっては難所が多く、一歩一歩を着実に踏みしめて登山口に到着したのは午後5時頃であった。 体力の限界で崩れ落ちそうな体を癒すため、「求菩堤山」の麓にある宿泊施設「卜仙の郷」の日帰り温泉に入浴。つるつる・しっとりの求菩堤温泉の湯浴みを楽しんだ後、当施設で夕食をいただきつつ今回の「犬ヶ岳」への登拝に思いを馳せた。 そして帰りの道すがら、フト夜空を見上げると煌々と輝く大きな「満月」があった。当地の寒気と澄んだ空気が織り成すクッキリと浮かんだ望月は、別格の美しさを醸し出していた・・・。 そうか今夜は大輪の満月・・・やはり「犬ヶ岳」に登るのは、今日でなければならなかった・・・どうやらこれで懸案の「峠」を越えたことになるのであろう・・・との思いを胸に、帰路に就いたのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年12月09日 20時06分21秒
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