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真理探究と歴史探訪

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2020年07月03日
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伝わる情報によると、今年は「夏至」と「部分日食」が重なるという珍しい現象が、372年ぶりに起きるという特別な日取りであった。

今年に入って既に三回目となる出雲行脚が、たまたま稀有な「夏至の日」になったわけだが、せっかく稀有な日取りとなったので、その部分日食を体感できる良い場所があればと、当日もその候補地を模索していた。

その部分日食(最大で約40%の食)により太陽が最も欠ける時間が、松江市内では午後5時頃(17:09)と分かっており、当日は快晴にて日暮れも一年間で最も遅いので、午後から登拝する予定だった神名火山「朝日山(標高342m)」の山頂で「最大食」を体感することになった。

その前に少し時間があったので、その「朝日山」の登山口にも近い「古墳の丘 古曽志(こそし)公園」(松江市古曽志町)の園内に移築復元(※)された「古曽志 大谷1号墳」(全長約46mの前方後方墳)を訪ねてみることにした。

(※ ここで移築復元と書いたのは、近隣の住宅団地を造成するために、当初の発見場所から約200mほど東に移築し復元されたということである。)

かつてこの古墳を訪れたのは、かれこれ四半世紀前になろうが、当古墳が建造された特別な立地等を含めて、かねてより改めてもう一度訪ねてみたいとは思っていた。

そこで冒頭の画像は、出雲地方に多く見られる「前方後方墳」の、その前方部の上に立ち、さらに一段高い後方部を含めた背後の「朝日山」を撮影したものである。

周辺の地理を知った上で冒頭画像を見れば一目瞭然なのだが、やはりこの古墳を貫く中心軸は、当地の〔神名火山〕である北方の「朝日山」山頂を確かに見定めていた。

それでは古墳から見た南方の展望はどうだろうと、反転して宍道湖方面を見遣ると、東方には待ってましたの雄々しき「大山」、中央部には手前の中海・宍道湖から高原状のなだらかな中国山地、そして西方には相変わらず優美な佇まいの「三瓶山」が輝いていた。

・・・ということで、やはりこの「古曽志大谷1号墳」は、あらかじめ期待していた通りの格別な聖地に建造されていたことを確認でき、短い時間ではあったが感無量のひとときを過ごせたのであった。

(※古墳から撮影した南方方面の画像は、もっと見栄えが良くて美しい朝日山山頂からの展望画像に譲ることとし、ここでは割愛することにした次第。)



さて午後4時頃だったであろう、「朝日山」の山頂近くに鎮座する「朝日寺」の駐車場を兼ねた登山口(7合目辺り)に到着。(上の画像)

いよいよ日食の「食」の開始時間に合わせるかのように、ここから「朝日山」の頂上に向かって登拝を始めた。

登り始めると、下山途中の登山者から「日食はご存知でしたか?太陽が欠け始めましたよ!」などと声を掛けられたので、持参していた「日食グラス」をかけて、試しに木漏れ日を凝視すると、本当に太陽の「〇」が少し欠けていたのには感動した。



晴天のもと夕方の涼しい風にも助けられて、ようやく午後5時前に「朝日山」の山頂に到着。

午後5時過ぎの「最大食」の時間帯の景色を、西方の日本海に向かって太陽と共に撮影した画像が上である。

画像の太陽は欠けたようには見えないが、その下方に映る小さな青い反射光は、「欠けた太陽」を明示していた。




そして上の画像は、携帯のカメラレンズの前に「日食グラス」を置いて撮影したものである。何枚も撮影を試みたが、「最大食」の太陽が映った綺麗な画像は得られず、この一枚がベストショットとなった。

しかし、そんなことよりも、あの時空で触れた「ひびき」こそ、貴重な体験であった。

・・・周囲を取り巻く自然は、まるで「その時」を知っていたかのように、全体が凛とした静けさに包まれた気配となり、この朝日山の山頂で大自然と「ひとつ」になって「日食」を体感できたことは、普通では有り得ない…まさしく有り難き幸せを噛み締めることのできた…人生の節目とも言える出来事であった。・・・



ところで、この度の夏至が絡んだ出雲行脚は、当初は「恵曇」地域の散策が主体と思いきや、当日を迎えると部分日食の観察を含めた当地域の「神名火山」である「朝日山」への登拝が主軸の目的となっていった。

実はこの「朝日山」は、その山頂からほぼ真東へ約2㎞の山麓に鎮座する出雲国二ノ宮「佐太(さた)神社」の神体山である。そこで上の画像は、今回の出雲行脚で最初に参拝した「佐太神社」の全体像を、その駐車場から撮影したものである。

当社の主祭神である「佐太大神」は、由緒において「猿田彦(サルタヒコ)大神」と同神とされている。

何度も引用してきた富家の伝承によると、この大神は、三柱の家族神として構成された「サイノカミ 三神」の一柱で、父神の「クナト大神」と母神の「サイヒメ命」との間に生まれた子神の「サルタヒコ大神」ということなので、やはりこの「佐太神社」の主祭神となる。



そこで上記の「サイノカミ 三神」を念頭に置き、上の地図をご覧いただきたい。

今年(2020年)になって三度の出雲行脚を経て私なりに見出せた、主要な山々を結んでできる三角形を基盤とした図形である。

つまり、父神「クナト大神」の宿る「大山(標高 1,729m)」と母神「サイヒメ命」の宿る「三瓶山(標高 1,126m)」を結んだ直線(緑色)を底辺とする二等辺三角形の頂点と、私的に感得した父神系の「天狗山(標高610m)」と母神系の「仏経山(標高366m)」を結んだ直線(青色)を底辺とする二等辺三角形の頂点の、この二つの三角形の頂点が、「サルタヒコ大神」を主祭神として祀る「佐太神社」の神体山、つまり父神と母神の間に生まれた子神「サルタヒコ大神」の宿る「朝日山(標高342m)」に重なっており、そのことを明確に示す図形こそが、上の画像の地図に描かれているということになろう。

実は、以下にリンクした過去の記事では、富家の伝承にならい「サルタヒコ大神」の宿る御山を「鼻高山(標高536m)」として地図上に示したが、今回の旅路で「朝日山」の山頂にて夏至日の、しかも日食の太陽の「ひびき」を体感したことでスイッチが入ったのか・・・どうしても「サルタヒコ大神」を神名火山の「朝日山」に宿る大神として描きたかったというわけである。

おそらく以上の件は、出雲国二ノ宮「佐太神社」の神体山「朝日山」に宿る主祭神「サルタヒコ大神」として、当社の由緒に基づく常識的な見解として認識されることであろう。

※関連記事・・・​令和二年【春】出雲行脚の巻(三)


さてここで、上記の「夏至」と「サルタヒコ大神」の関係性について、天体の運行という側面から紐解いてみよう。

それは日本神話の「天孫降臨」の段に登場する「神々」を、天空を運行する「星々」として解釈し、夜明けの晩に夏至の「日の出」の太陽(ニニギ命)を、毎年まるで導くかのように昇ってくる「おうし座」の一等星「アルデバラン(和名=赤星)」に、天狗の面に象徴される赤ら顔をした「導きの神」たる「サルタヒコ」という神名が付けられたという説である。

この「夏至の太陽」と「アルデバラン」が絡む天体運行は、日本では縄文時代から年間でも大切な節目とされた形跡があり、この縄文期の夏至の観測で重要視されたのは、夏至の日の出の直前に、その地域で目星の山とされた山頂から赤色の「アルデバラン」が出現した途端に、昇る朝日の光芒で(輝くアルデバランの赤い星の光が)掻き消される瞬間(フラッシング・ポイント)であったとのことである。

そんな厳密な天体観測が行われてきた形跡が残る縄文遺跡が、有名なところでは青森の「三内丸山遺跡」なのだそうだ。あの印象深い太い柱が6本で構成された大型堀立柱建物のそもそもの建築目的は、現地を綿密に調査すると、上記の「夏至の日の出」と「アルデバラン」の関係が生み出す「フラッシング・ポイント」だったということである。

☆参考文献・・・書名『 縄文の星と祀り 』 堀田聰八郎 著・中央アート出版(1997年 初版)

☆参考文献・・・書名『 星座で読み解く日本神話 』 勝俣隆 著・大修館書店(2000年 初版)

おそらく、この山の名称に「朝日」が入る「朝日山」の山頂では、年間の重要な節目であったであろう夏至の日の出の観測を、赤い星の「アルデバラン(サルタヒコ)」を頼りに行ってきたのではあるまいか・・・などと、この「朝日山」の山頂にて、夏至日にして日食という特別な太陽光を浴びた私は、以上のような感想を抱くに至るのであった。



ここから掲げる上下三枚の画像は、すべて「朝日山」の山頂から撮影したもので、上掲の地図を参照しつつご覧いただけたらと思う。

まず上の画像は、「朝日山」と東方の「大山」を結ぶ軸線に沿うように、朝日山山頂から展望し撮影したものだ。

画像中央の遠方に微かに映る雄大な御山が、伯耆富士と謳われる「大山(標高 1,729m)」である。



次の画像は、「朝日山」と「天狗山」を結ぶ軸線を想定して、同じく朝日山山頂からその方向を展望し撮影したものだ。

この画像には、中国山地を形成する山岳の数々が映り込んでいるので、あの「天狗山(標高610m)」を特定するのは難しいのだが、この画像中央部の山並みに、確実に視認できるはずである。



そして上の画像は、「朝日山」と西方の「三瓶山」を結ぶ軸線に沿うように、同じく朝日山山頂から展望し撮影したものだ。

この「朝日山」・「仏経山」・「三瓶山」という三山を、三点一直線で結ぶ軸線が物語っているように、画像中央部には宍道湖を挟んで手前に「仏経山(標高366m)」、その遠方には薄っすらと たおやかな「三瓶山(標高 1,126m)」を確認することができる。


今これらの展望画像を見つつ、ここ「朝日山」の山頂部は、東方の「3」たる「大山」からの距離と、西方の「7」たる「三瓶山」からの距離が、ほぼ同じ長さの距離の場所にあって、この「朝日山」で結ばれていたことを想う時、感慨無量の心境になると同時に、いよいよ「3」と「7」を超えた【統合】の段階に立つべき時節を迎えたと、如実に感じるようになった今日この頃である。

(つづく)





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最終更新日  2020年07月03日 11時55分50秒


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