東京春音楽祭「ローエングリン」は歌手、オケ、合唱が揃って素晴ら良い
鑑賞日:2018年04月8日(日)15:00開演入場料:¥7,700 (D席:4階L3列) 【主催】東京・春・音楽祭実行委員会東京・春・音楽祭ワーグナー・シリーズ vol.9楽劇「ローエングリン」ワーグナー作曲全3幕(演奏会形式・ドイツ語上演/字幕・映像付)会場:東京文化会館大ホール指 揮 :ウルフ・シルマー管弦楽 :NHK交響楽団ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル合 唱 :東京オペラシンガーズ合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀音楽コーチ:トーマス・ラウスマン映 像 :田村吾郎(RamAir.LLC)出演ローエングリン :クラウス・フロリアン・フォークトエルザ :レジーネ・ハングラーテルラムント :エギルス・シリンスオルトルート :ペトラ・ラングハインリヒ王 :アイン・アンガー王の伝令 :甲斐栄次郎ブラバントの貴族:大槻孝志、髙梨英次郎、青山 貴、狩野賢一小 姓 :今野沙知恵、中須美喜、杉山由紀、中山茉莉 感想: 葉桜になり、春風が吹く中、上野へ向かった。 5分前に到着し、慌てて席に着くと、場内アナウンスが流れ「ローエングリン役を歌うクラウス・フロリアン・フォークトは体調が悪く、数日前から熱が出て・・・」で場内がざわつき、一瞬また降板かと思ったが「本日は歌います」となりまずは一安心。 合唱が登場、男女50人づつで総勢100人。オーケストラも、14型3管編成でハープ、オルガンも入り大掛かり。更に3階席の正面、左右舞台寄り空席で場面に合わせトランペット4本づつ合計12本が入って立体的に聞かせる。 舞台背面一杯にスクリーンが貼られ、場面に合わせ、湖、森、城内が映し出され、ほとんど静止画のため音楽の邪魔にならない。 歌手は皆さんよく声が出てて、舞台上のオケにも負けていない。その中でもタイトルロール役のフォークとの歌声が素晴らしかった。全て暗譜で身振りを加えて歌い、柔らかい高音の歌声や場面に合わせた強弱の幅など、とても発熱があったとは思えない。流れる金色の長髪で正しく白鳥に乗った王子様の印象。 オルトルート役のペトラ・ラングは恐ろしさを秘めた歌声に加え、その雰囲気からも正しく魔女。日本人含め残りの方もよく通る歌声で、演奏会形式でも十分に各場面を表現出来ていた。 合唱は一番奥で、反響板が無い状況だったが、分厚いハーモニーで舞台を支え、さすが東京オペラシンガーズ。 本音楽祭は来年以降もワーグナーシリーズを続けるようで「さまよえるオランダ人」「トリスタンとイゾルデ」を予定しているとのこと。更にリッカルド・ムーティによるイタリア・オペラ・アカデミーを行い、来年はヴェルディ「リゴレット」とのことで、今から楽しみ。 End