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KUROうさぎの『コンサートを聴いて』

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2022.04.24
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カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年4月24日(日)14:00開演
入場料:6,000円(BC席シーズンセット券/3階2列)

【主催】(財)東京二期会、Bunkamura
【後援】イタリア大使館、イタリア文化会館

《二期会創立70周年記念公演》
東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ 
オペラ「エドガール」(セミ・ステージ形式上演)

全3幕(イタリア語上演/日本語字幕付)
原作:アルフレッド・ド・ミュッセ『杯と唇』
台本:フェルディナンド・フォンターナ
作曲:ジャコモ・プッチーニ
会場:Bunkamuraオーチャードホール


スタッフ
指 揮 :アンドレア・バッティストーニ
舞台構成:飯塚励生
映 像 :栗山聡之
照 明 :八木麻紀
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:大野徹也
公演監督補:佐々木典子
合唱指揮:粂原裕介
合 唱 :二期会合唱団、TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団

出演
エドガール   :樋口達哉
グァルティエーロ:清水宏樹
フランク    :杉浦隆大
フィデーリア  :大山亜紀子
ティグラーナ  :成田伊美


感想
 東京二期会の演奏会形式のオペラ公演がオーチャードホールであるとのことで、小雨模様の中、渋谷まで出掛けた。
 渋谷駅の若者達の密集をかき分け、Bunkamuraへ着くのに一苦労。更に3階席まで階段をひたすら登り大変。なお当ホールは来年春より隣の百貨店建替えと合わせて大規模修繕のため長期休館のとのことで、ぜひエレベータ、エスカレータ等のバリアフリー導入をお願いしたい。

 入り口での体温測定、アルコール消毒、プログラムの自身ピックアップはあったものの、ロビー椅子の間空ける表示は無し。また2Fのビッフェも営業していた。客席は舞台張り出しの前まで空き席を設けてなかったが、1階席奥、2階席に空き席があり、7~8割程度の入り。

 舞台張り出しの部分に黒い山台が7つ程置かれ、歌手はそこで多少の演技を加えて歌う。児童合唱20人もその都度舞台に登場しその山台で歌う。その後ろに管弦楽が位置し、紗幕を挟んで更に後ろに2階建てで合唱が1m間隔で1列に並ぶ。1階、2階とも男声、女声各9人で合計36名。紗幕で見えずらかったがマスクは着けてない。唯一3幕に入る前の暗転中に山台中央へ祭壇のような棺桶が置かれる。あと2幕の間だけ山台4箇所にモニタースピーカーが置かれていたが、これは指揮が見えない歌手へのサポート用だったのか。

 オケと合唱の間の紗幕に場面に合わせた映像が映し出される。絵画調の絵が多く、花、街並み、教会等。火災の場面で炎、戦いに向かう場面で国旗がはためくCGが映され物語の理解に役立つが、直ぐに切り変わってしまう所がかえって目障りで、もう少し切り替えを減らしても良いと思われた。

 舞台真ん中で指揮者バッティストーニが大きな身振りでオケを引っ張っていく。テンポや音量の差など、イタリア・オペラを盛り上げるのは上手い。オケはチェロの独奏等それなりに良かったが、バンダのトランペット等で所々コケるところが残念。
 
 歌手は、男声陣は総じて良く、女声陣はビブラート、音程不安定、怒鳴るような発声があり残念。一番良かったのはフランク役の杉浦隆大の歌唱で、久しぶりに艶のあるバリトンの歌声を聞けた。タイトルロールの樋口達哉もよく届く歌声で良かった

 本作品を聞くのは初めて。プッチーニ2作目に当たり、本作曲の後に『マノン・レスコー』、『ラ・ボエーム』、『トスカ』、『蝶々夫人』が続くことになる。
 3幕ものだが、休憩は1幕後1回のみ、2幕が10分程度で短く3幕と続けて演奏され、演奏時間は全体で2時間弱と短め。
 主人公エドガールは1幕でムーア人のティグラーナに対し民衆から蔑まれた言葉を掛けられたことに腹を立てて自宅に火を付け、駆け落ち。2幕ではいきなりティグラーナとの恋愛に飽きて戦場へ、3幕では自身が戦場で亡くなりその葬儀の設定で神父に成りすまし、ティグラーナを真珠の宝石で釣って「エドガールが裏切り者」と言わせて、その後正体を明かし民衆となじる。なんとも身勝手な主人公になっている。
 ヒロインのフィデーリアとの恋愛感も余り感じられず、悪女ティグラーナの扱いもはっきりしない。
 観客には共感が困難な台本なので、余り演奏機会が無いのでしょう。ただ音楽は美しく2幕冒頭のエドガールの故郷を想うアリアは、トスカの「妙なる調和」を思わせるメロディー。3幕のミサ曲も美しかった。

 全体としては、オペラ「エドガール」を聞ける貴重な機会であり、その後の作品に続くプッチーニの音楽の美しさを感じることが出来た。東京二期会の今シーズン公演は7月「パルジファル」を残すのみで、ヴァイグレ指揮の読響を楽しみに。


End






最終更新日  2022.04.26 10:48:13
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2022.04.17
カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年4月17日(日)15:00開演
入場料:5,000円(E席/5階 L2列)

【主催】東京・春・音楽祭実行委員会
【共催】(財)東京都歴史文化財団 東京文化会館
【後援】イタリア大使館

東京・春・音楽祭2022
東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.3
歌劇「トゥーランドット」(演奏会形式/字幕付)

全3幕(イタリア語上演/日本語字幕付)
会場:東京文化会館大ホール




スタッフ
指 揮 :ピエール・ジョルジョ・モランディ
管弦楽 :読売日本交響楽団
合 唱 :東京オペラシンガーズ
児童合唱:東京少年少女合唱隊
合唱指揮:宮松重紀
児童合唱指揮:長谷川久恵

出演
トゥーランドット:リカルダ・メルベート
カラフ     :ステファノ・ラ・コッラ
リュー     :セレーネ・ザネッティ
ティムール   :シム・インスン
皇帝アルトゥム :市川和彦
ピン      :萩原 潤
パン      :児玉和弘
ポン      :糸賀修平
役人      :井出壮志朗

感想
 東京春祭プッチーニ・シリーズは、一昨年vol.1「三部作」、昨年vol.2「ラ・ボエーム」が新型コロナ感染症の影響で相次ぎ中止となり、今年は遂に「トゥーランドット」が公演されるとのことで、曇り空の中、人出多い上野まで出掛けた。

 客席は1階奥、3、4階席に空き席多く、6~7割程度の入。舞台は張り出しが出され反響板あり。ローエングリンと同じく照明で色が付けられ、夜の場面では舞台上手壁面に丸スポットで月が表されていた。

 オケは6プルト約80名、合唱は各パート13~18名で総勢約60名で女声が多少多く、衣装は上下黒。ローエングリンと同じく合唱は舞台奥の反響板前に5列、1.5m程間を空けた上で全員マスクなし、並びは通常の下手側からSATB配列。

 (つい上野のカレーランチに並んで時間掛りギリギリに)開演2分前に客席に着いた時点で既に合唱、オケが舞台上に登場。指揮者登場し、まずはオケと合唱の音量、音圧に圧倒される。

 今回舞台上には譜面台は置かれず、歌手は全て暗譜。来日歌手4名は何れも素晴らしい。
 カラフ役ステファノ・ラ・コッラは突き抜けた声で最後まで歌い切り、有名アリア「誰も寝てはならぬ」も素晴らしい。場面に合わせ、合唱=民衆の方を向いたり、3幕最後はトゥーランドットと抱き合ったりと演技も加えていた。
 リュー役セレーネ・ザネッティはリリコだが感情を込めた歌声。
 ティムール役シム・インスンも役に合った存在感のある歌声。
 そしてタイトルロールのリカルダ・メルベートはワーグナー、R.シュトラウス歌手だが、役に合わせ力を入れすぎず超高音を歌い続ける所はさすが。
 日本人歌手の皆さんも大変良かった。
 衣装は、男声人は黒の燕尾服、リューは黒のノースリーブドレス、トゥーランドットは2幕は水色のドレス、3幕はゴールドに近い茶色のドレスで如何にも王女らしい。

 所々出てくる児童合唱は、ブレザー姿の20名程が舞台前に並んで歌う。

 オーケストラは1幕目最初はゆっくりのテンポで入ったが、どんどんとテンポアップして盛り上げて行く。3幕アリア「誰も寝てはならぬ」では、一度音楽を止め客先からの拍手を受け、プッチーニが筆を止めた3幕リューが亡くなった所で音楽を止めて十数秒程間を空けた所は演奏会形式では違和感なく、歌手との呼吸もぴったり、大きな指揮で音楽の盛り上げ方が上手いのは経験豊富なイタリア人指揮者ならでは。

 本オペラは合唱が歌う所が多く、それも高音、大音量が要求され難曲。東京オペラシンガーズは、静かな場面では座ったまま歌い、フォルテ部分では立ち上がり80人のオーケストラを圧倒する声量で、3幕フィナーレを盛り上げていた。

 先日のワーグナー「ローエングリン」に続いて大満足の公演だったが、客先に空席が多かったのは残念。ぜひワーグナーだけでなく、プッチーニ・シリーズも続けてほしい。

 本音楽祭は目玉の一つバス・バリトンのブリン・ターフェルが来日する直前のPCR検査で陽性となり来日取りやめとなったとのことだが、数々の困難を乗り越えて素晴らしい音楽祭を開催している関係者、スタッフの皆さんに重ねて感謝したい。


End






最終更新日  2022.04.18 21:36:16
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2022.04.09
カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年4月9日(土)14:00開演
入場料:4,950円(D席 4階2列)

【主催】(財)新国立劇場

新国立劇場2021/2022シーズン
オペラ『ばらの騎士』
リヒャルト・シュトラウス作曲

全3幕(ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付)
会場:新国立劇場オペラパレス


スタッフ
指 揮  :サッシャ・ゲッツェル
演 出  :ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照 明  :磯野 睦
再演演出 :三浦安浩
舞台監督 :髙橋尚史
合唱指揮 :三澤洋史
合 唱  :新国立劇場合唱団
児童合唱 :多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽  :東京フィルハーモニー交響楽団

出演
元帥夫人   :アンネッテ・ダッシュ
オックス男爵:クリスティン・ジクムントソン→妻屋秀和
オクタヴィアン:マリア・カターエワ → 小林由佳
ファーニナル :与那城 敬
ゾフィー   :安井陽子
マリアンネ  :森谷真理
ヴァルツァッキ:内山信吾
アンニーナ  :加納悦子
警 部    :妻屋秀和 → 大塚博章
元帥夫人の執事:升島唯博
ファーニナル家の執事:濱松孝行
公証人    :晴 雅彦
料理屋の主人 :青地英幸
テノール歌手 :宮里直樹
帽子屋    :佐藤路子
動物商    :土崎 譲
3人の孤児  :肥沼涼子、小酒部晶子、長澤美希

感想
 大好きな「ばらの騎士」の公演があるとのことで、20℃を超え初夏を思わせる天候の中、初台まで出掛けた。
 ロビーに人も多く、テラスビッフェでは、ワインやシャンパンも飲める。ようやく日常が戻って来た印象。客席も1階前2列のみ空席のみで、Z席を含めほぼ満席の状況。 

 新国立劇場「ばらの騎士」の本演出は、過去に3シーズン観ており本日で4回目。1幕、2幕とも時代設定にあった舞台装置で3幕の居酒屋の仕掛けも奇をてらったものでなく、衣装含め、安心して観られる演出。2011年4月大震災後の公演は特に印象に残っている。
 今回上手側の席だったため、1,2幕は上手の廊下部分がよく観え、1幕終わりにオクタヴィアンが駆けて出て行く所も見えたが、3幕は廊下が下手側になるので廊下は全く観えず。
 
 時間となり指揮者登場で序曲が始まる。ホルンも無事に奏でられ幕が開き、伯爵夫人の寝室。ここでの伯爵夫人とオクタヴィアンのやり取りがぎこちなく恋仲に見えない。歌の方も独唱はそれなりに聞こえるものの重唱にバラバラ感あり綺麗に聞こえてこない。これは3幕終わりの3重唱まで全てに共通して感じた。
 これまで観たシーズンの歌手との違い、代役日本人歌手の影響も大きいだろうが、演出変更の影響もあると思われる。

 新型コロナ対策で歌っている時は距離を空ける演出になっているため、1幕のベッドの上で一緒に歌うことは出来ず、二人の恋愛感が伝わってこない。
 2幕のオックス男爵はオクタヴィアンと剣で争い、過去シーズンでは足を怪我する設定だったが腕を怪我する設定に変更。これも従者を側に寄せないためと思われるが、ソファーに横になり大げさに痛がる設定と合わず、従者も周囲をウロウロしているだけで違和感あり。

 オーケストラも新型コロナ対策でオケピットを浅くしているためか、少々迫力不足に感じてしまった。

 ぜひ新型コロナの影響がない状態での再演を観たい。  

End
 






最終更新日  2022.04.11 21:40:46
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2022.04.02
カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年4月2日(土)15:00開演
入場料:8,000円(D席/4階 R3列)

【主催】東京・春・音楽祭実行委員会
【共催】(財)東京都歴史文化財団 東京文化会館

東京・春・音楽祭2022
東京春祭ワーグナー・シリーズvol.13
楽劇「ローエングリン」<演奏会形式>
ワーグナー作曲

全3幕(ドイツ語上演/日本語字幕付)
会場:東京文化会館大ホール



スタッフ
指 揮 :マレク・ヤノフスキ
管弦楽 :NHK交響楽団
コンサートマスター:白井 圭
合 唱 :東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

出演
ローエングリン :ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー
エルザ     :マリータ・ソルベルグ→ヨハンニ・フォン・オオストラム
テルラムント  :エギルス・シリンス
オルトルート  :エレーナ・ツィトコーワ→アンナ・マリア・キウリ
ハインリヒ王  :タレク・ナズミ
王の伝令    :リヴュー・ホレンダー
ブラバントの貴族:大槻孝志、髙梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一
小  姓    :斉藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子


感想
 新型コロナ第6波のまん延防止の影響と、歌手や演目まで変更で魅力乏しく、しばらくオペラ鑑賞を中断。3年ぶりの東京春祭ワーグナー・シリーズ開催、ようやく海外一流歌手が舞台上で聞けそうとのことで、桜満開の上野へ出掛けた。

 クロークやドリンクサービスは無いものの、ロビーは結構な人混みで、客席はほぼ満席。舞台は張り出しが出され、今回映像がないため後部は反響板あり。映像が無い代わりに場面毎に照明で色が付けられ、これでも十分効果あり。

 オケは6プルト3管編成で約80名、合唱は各パート14~16名で総勢60名。これにバンダが加わる。2018年の同音楽祭、同公演はオケ7プルト、合唱100人だったので少し小規模になっているが、合唱は1.5m程間を空けた上で全員マスクなし、オケの弦もコンマス始めマスク無しの方も見られた。

 開演時間となり合唱、オケが舞台上に登場しチューニング。指揮者登場し、前奏曲が奏でられ、まずはその音量、音圧に圧倒される。

 合唱は中央が女声でその上手バス、下手テノールの配置。今回合唱人数を絞った関係で音量落ちる女声を中央に配置したと思われる。
 フォルテ部分ではオケに負けずに聞こえており、反響板も加わってその効果あり。但し男声合唱の弱音部はパート離れた事による多少のズレを感じた。

 3幕最初は、舞台上合唱は女声8人のみ。婚礼の合唱は裏歌で厳かに響き、その後女声8人の美しい合唱。3場の間奏曲の間に合唱団全員が再登場し、「ハインリヒ王、万歳」の大合唱に続く音の厚みが素晴らしい。プロのオペラ歌手の方々の顔も多く見られさすが。
 オケも、バンダのトランペットを3幕3場で舞台上手下手の前後に配置させ、音楽の立体感を浮き出させており、舞台装置がなくても演出が出来ている。

 歌手は、皆さん素晴らしい。タイトルロールのヴォルフシュタイナーは、2幕後半から声が若干危なくなったが、3幕長い「グラール語り」まで力で歌いきりさすが。エルザ役オオストラムはワーグナー歌手程力強さは無いものの、オケに負けること無くリリコの美しく響く高音域と安定した中音域で素晴らしい。オルトルート役キウリは、高音部で金切り声的な所もあったが、魔女悪役にあった歌い方。ハインリヒ王役ナズミ、テルラムント役シリンス、伝令役ホレンダーは役に合わせた安定した歌声だった。

 やはり本公演の一番の功労者は指揮者マレク・ヤノフスキで、一糸乱さない指揮でどんどん音楽を引っ張って行く。3幕は登場し指揮台に立つやいなや、拍手が鳴り止まない内に間奏曲を始め、婚礼の合唱へ続けることで音楽の緊張感を保っていた。80歳を超えるご高齢だが、年齢を全く感じさせない指揮だった。
 終演後は、拍手が鳴り止まず何度もカーテンコールが行われ、最後に指揮者登場でお開きに。

 新型コロナ感染の魔法・制限を解き放すような公演で、やっとオペラの日常が戻って来たことを実感出来た。
 来年は「マイスタジンガー」が予定されており、今から楽しみ。また本シリーズで楽劇未演奏の「トリスタンとイゾルデ」もぜひ聴きたい。

 何よりも、新型コロナ禍の中、ムーティー始め多くの海外著名演奏家を来日させ、数々の困難を乗り越えて音楽祭を開催している関係者、スタッフの皆さんに感謝したい。


End

2024/4/8追記
 本公演の歌手変更2名あり、『マリータ・ソルベルグは、健康上の理由により出演ができなくなりました。』と記載あったが、もう一人は『当初出演を予定しておりましたエレーナ・ツィトコーワは、本人の都合により出演ができなくなりました。』
 ツィトコーワ本人の都合が気になってプロフィールを見た所、出生地がサンクト・ペテルブルグとなっており、ロシアのウクライナ侵略戦争の影響でしょう。
 当面ロシア出身の音楽家の演奏は聞けない状況で、早く終わることを祈るばかりです。






最終更新日  2022.04.08 10:42:20
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2022.01.30
カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年1月30日(日)14:00開演
入場料:2,500円(E席/5階 R2列)

【主催】(財)日本オペラ振興会、(社)日本演奏連盟

2022都民芸術フェスティバル参加公演
藤原歌劇団公演
歌劇「イル・トロヴァトーレ」
ヴェルディ作曲

全4幕(イタリア語上演/日本語字幕付)
会場:東京文化会館大ホール


スタッフ
指 揮 :山下一史
演 出 :粟國 淳
総監督 :折江忠道
美 術 :横田あつみ
衣 裳 :増田恵美
照 明 :大島祐夫
舞台監督:齋藤美穂
合唱指揮:安部克彦
合 唱 :藤原歌劇団合唱部
管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団

出演
レオノーラ :西本真子
マンリーコ :村上敏明
ルーナ伯爵 :上江隼人
アズチェーナ:桜井 万祐子
フェランド :相沢 創
イネス   :髙橋未来子
ルイス   :工藤翔陽
ロマの老人 :江原 実
伝 令   :濱田 翔


感想
 新型コロナ・オミクロン株の流行で「まん延防止等重点措置」が出されている中、藤原歌劇団の新春公演を聴きに上野まで出掛けた。
 アクシデントを予想し、早めに移動し、開場時間にはホール到着。入り口の「本日の出演者」掲示に変更なくまずは一安心。
 13:15分からの作品解説は総監督の折江忠道さんが登場。何時もの大声で、コロナ禍での準備、練習の苦労状況を聞くことが出来た。
 客席は1階席両サイド、3階席に空席が多く、都民芸術祭で安価に設定されているE席にも空席が見られ6~7割程度でコロナの影響大。

 1幕と2幕は連続して演奏され、途中休憩は2回。幕が開くと舞台前面の左右5m程は上までの壁で、中央部分を囲むように舞台装置を配置。
 場面に合わせ、階段や扉、木々等が配置され、奥に大きな月が映される。
 事前の作品解説でコロナ対策で人の動きを制約して演出するため、舞台上を狭くしたとのこと。また左右と奥の上部に人が並べるようになっており、そこに合唱が加わり、距離を取った上で歌、演技をしていた。
 3幕フィナーレのマンリーコのカヴァレッタ「見よ、恐ろしい炎を」では、奥の壁が3箇所開いて、赤い照明とともに兵士たちが登場し盛り上がる演出に。
 4幕レオノーラのカヴァティーナ「恋は薔薇色の翼に乗って」で、途中指輪の中の毒を飲む場面で、舞台奥の月が赤色に変わるなど、歌に合わせた演出が取られていた。

 以前本作品を鑑賞した際は、4幕が呆気なく終わってしまう印象だったが、今回3幕フィナーレと4幕で音楽のテンポ、ダイナミクスを大きく変えるオケの演奏と、演出も加わり、違和感なく4幕を理解することが出来た。

 歌手の方は、レオノーラのビブラートが大きく音程が不明瞭な部分があったり、マンリーコが途中で音が届かなくなった所もあったが、全体としては各役を歌えていた。
 有名なマンリーコのカバレッタ「見よ、恐ろしい炎を」ではハイCが出ていたので良かった。1幕フィナーレの三重唱はバランス、テンポも良く、ヴェルディらしさを感じることが出来た。
 歌手の中ではアズチェーナ役の桜井万祐子が恐ろしさを感じさせるよく通る歌声で素晴らしかった。
 合唱は残念ながら全員マスク装着、「見よ、恐ろしい炎を」の男声合唱は少々迫力不足に。

 コロナ禍のオペラ公演、準備、練習、演出等、ご苦労も多かったかと思われれるが、その中でオケ、歌手、演出がバランス良くまとめられた公演だった。


End






最終更新日  2022.02.01 21:22:25
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2022.01.23
カテゴリ:オペラ

まずは昨年末の「第九」演奏会ですが、首都圏、大阪の主な公演の指揮者、合唱は下記の状況。

新日フィル シモーネ・ヤング→鈴木秀美   二期会合唱団
読響    フランチェスコ・アンジェリコ→ジョン・アクセルロッド
                      新国立劇場合唱団
東フィル  ケンショウ・ワタナベ→角田鋼亮 新国立劇場合唱団
東響    秋山和慶、ジョナサン・ノット  新国立劇場合唱団
日フィル  角田鋼亮、小林研一郎  東京音楽大学,日本フィルハーモニー協会合唱団
都響    準・メルクル          二期会合唱団
東京シティ 高関 健            東京シティ・フィル・コーア
N響    ファビオ・ルイージ→尾高忠明  東京オペラシンガーズ
神奈川フィル 川瀬賢太郎       プロ歌手による神奈川フィル第九合唱団(28名)

大阪フィル  ラルフ・ワイケルト→ガエタノ・デスピノーサ
                     大阪フィルハーモニー合唱団
関西フィル  ヴァハン・マルディロシアン→大友 直人
                     関西フィルハーモニー合唱団
日本センチュリー 瀬山智博        日本センチュリー合唱団

11月末に突如外国人入国禁止となり、急遽、指揮者、ソリストの変更が相次ぎ、大変な状況。

合唱は、マスクなしで人数絞ったプロ合唱団か、マスクを付けて関連合唱団、大学のアマチュアを歌わせていました。
また一部の地域主体の演奏会(札幌、仙台、川崎、他)も行われ、市民公募合唱団はほぼマスク着用のようです。

「少ない人数で良いのか」、「マスクをして第九が歌えるのか」等々言われてますが、クラスター発生は聞こえてこず、なにはともあれ関係者の皆様はご苦労さまでした。

マエストロ井上道義は、マスクを理由に指揮を降りたようで。
大阪フィル 躍動の第九


年明けても外国人入国禁止は続き、オペラ公演も大変な状況に。

楽しみにしていた2月の東京二期会「影のない女」は演出スタッフが入国できず、何度も公演されている宮本亜門演出「フィガロの結婚」へ変更

新国立の
「さまよえるオランダ人」
「愛の妙薬
も相次ぎ日本人歌手に変更で、興味は激減。

2年連続でオペラ公演を中止している東京春祭は、4月「ローエングリン」「トゥーランドット」を予定しており、演奏会形式のため主役級の日本人歌手への変更はしないでしょうから、それまでに入国制限を緩和してもらいたい。
ムーティーも聞けないのでは・・・。

WHOも「コロナ渡航制限「価値ない」撤廃・緩和勧告」を出しているので。


End






最終更新日  2022.01.23 18:39:49
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2021.12.29
カテゴリ:オーケストラ

鑑賞日:2021年12月29日(水)15:00開演
入場料:7,500円(S席ペア 1階7列)

【主催】(財)神奈川芸術文化財団

神奈川県民ホール 年末年越スペシャル
ファンタスティック・ガラコンサート2021

会場:神奈川県民ホール・大ホール


出演
指 揮 :三ツ橋敬子
司会・バリトン:宮本益光
ソプラノ:高橋 維、伊藤 晴
テノール:望月哲也→村上公太
バレエ:上野水香、厚地康雄、ブラウリオ・アルバレス
ヴァイオリン/コンサートマスター:石田泰尚
チェロ :森脇大樹
ピアノ :中島 剛
管弦楽 :神奈川フィルハーモニー管弦楽団

曲目
<第1部>
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠れる森の美女」より 序奏とリラの精
チャイコフスキー:バレエ『眠れる森の美女』より グラン・パ・ド・ドゥ
 (上野水香、厚地康雄)
プッチーニ:交響的奇想曲
プッチーニ:オペラ『ラ・ボエーム』より
 「冷たき手を」(村上公太)
 「私の名はミミ」(伊藤晴)
 「私が街を歩くと」(高橋維)
 「さようなら、朝の甘い目覚めよ」(伊藤晴、高橋維、村上公太、宮本益光)

<第2部>
ニーノ・ロータ:映画『ロミオとジュリエット』より 愛のテーマ
グノー:オペラ『ロメオとジュリエット』より「私は夢に生きたい」(伊藤晴)
ビゼー:オペラ『カルメン』より「花の歌」(村上公太)
ヘンデル(ハルヴォルセン編曲):パッサカリア(石田泰尚、門脇大樹)
ロシア民謡:黒い瞳(上野水香/ブラウリオ・アルバレス/石田泰尚/中島剛)
マイアベーア:オペラ『ディノーラ』より「軽やかな影(影の歌)」(高橋維)
マスネ:オペラ『エロディア―ド』より「はかない幻」(宮本益光)
R.シュトラウス:交響的幻想曲「イタリアから」より 第4楽章

<アンコール>
ヴェルディ:オペラ『椿姫』より「乾杯の歌」
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲

感想
 東京二期会から手紙が届き、楽しみにしていた来年2月公演リヒャルト・シュトラウス「影のない女」がオミクロン株による入国制限で外国からのスタッフが入れず演目が宮本亜門演出「フィガロの結婚」へ変更。
 年末恒例の第九も海外指揮者、ソリストが相次ぎ変更に。サントリーホールのニューイヤーも取りやめ。
 外国人全て入国禁止処置は日本だけ。このままでは来年前半のオペラ公演も日本人歌手だけになりそう。

 取り敢えず音楽を楽しむために、年末恒例の神奈川県民ホール主催のファンタスティック・ガラコンサートを鑑賞のために、山の神と山下公園沿いのホールへ。
 客席はほぼ満席。当方座席は7列目だったが、バレエのために舞台が5列目まで張り出され、6列目が新型コロナのため空席となったので、最前列に。

 今回の指揮者とホール側で選曲したとのことで、第1部序曲の後、直ぐにバレエ。上野水香、厚地康雄の踊りを目の前で見られ、その迫力と美しさに圧倒された。
 その後は「ラ・ボエーム」。有名アリアに加え3幕の4重唱を聞けてオペラを感じることが出来た。

 開演前、休憩中のドリンクサービスはなく、ワインは飲めず。

 第2部はフランス系の音楽を集め、その中に石田泰尚と門脇大樹でパッサカリア、そして石田泰尚と中島剛の「黒い瞳」の演奏に、上野水香とアルバレスの創作ダンスが加わり素晴らしい芸術に。

 アンコールはいつもの「乾杯の歌」とラデツキー行進曲で終演。

 来年は、ロビーでワインやシャンパンを飲んで海外演奏家の音楽が楽しめるような状況になることを期待。


End






最終更新日  2022.01.01 00:29:16
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2021.11.28
カテゴリ:その他
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鑑賞日:2021年11月28日(日)18:00開演
入場料:16,000円(S席:1階25列)

【企画・制作・招聘】クリエイティブマンプロダクション

​​キング・クリムゾン JAPAN2021
MUSIC IS OUR FRIEND
会場:東京国際フォーラム・ホールA​​


出演
ギター、キーボード:ロバート・フリップ
ボーカル、ギター :ジャッコ・ジャクジク
サックス:メル・コリンズ
ベース :トニー・レヴィン
ドラム :パット・マステロット、ギャヴィン・ハリソン、ジェレミー・ステイシー

曲目
<第1部>
01. Devil Dogs of Tessellation Row
02. Neurotica
03. Red
04. Epitaph
05. One More Red Nightmare
06. Tony's Cadenza
07. Peace - An End
08. Larks' Tongues in Aspic, Part Two
09. Moonchild
10. Radical Action II
11. Level Five

<第2部>
12. Drumzilla
13. The ConstruKction of Light
14. Peace - An End
15. Pictures of a City
16. Islands
17. The Court of the Crimson King
18. Indiscipline

<アンコール>
19. Starless

感想
 2018年来日公演は聞き逃したため、2015年名古屋以来、6年振りの来日公演。日生劇場から日比谷のクリスマスイルミネーションを通り徒歩で東京国際フォーラムへ、近くてよかった。
 8月のオフィシャル先行抽選に申し込みSS席外れたもののS席当選。チケットは公演1週間前に郵送され、座席位置は期待してなかったものの、SS席の4列後ろ1階25列で下手側でも通路側でステージがよく見えるgoodな席。

 客層は前のオペラ公演とは打って変わって、男性が7~8割。開演前、休憩中の男性トイレは長蛇の列。また年齢層が高く、当方も全く違和感なく聞ける。

 薄暗いホールに入ると、鐘の音が間隔を置いて流れる。舞台上には6年前と同じくドラムセットが3台置かれ、その後ろの山台に、ギター、シンセが準備されている。

 開演時間となり、ステージ上の注意書きが外され、メンバー入場。まずはトリプルドラムから始まり、40年前LPレコードで聴いたプログレが流れ、意識は一気に学生時代へ。

 ロバート・フィリップの生演奏が聞けるだけで最高の気分に。曲が終わると時々目の上に手をかざし、客席を眺めている。



 来日公演は今回ツアーが最後との話も出ているが、新型コロナ感染が収まった後、来年もぜひ!


End
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最終更新日  2021.12.01 21:24:25
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カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2021年11月28日(日)14:00開演
入場料:6,000円(BC席シーズンセット券/2階F列)

【主催】(財)東京二期会、
【共催】(財)ニッセイ文化振興財団

《二期会創立70周年記念公演》
ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演
東京二期会オペラ劇場〈二期会名作オペラ祭〉
NISSAY OPERA 2021提携
オペレッタ「こうもり」
ヨハン・シュトラウスII世作曲

(ドイツ語歌唱、日本語台詞上演/日本語字幕付)
会場:日生劇場

スタッフ
指 揮 :川瀬賢太郎
演 出 :アンドレアス・ホモキ
舞台美術:ヴォルフガング・グスマン
照 明 :フランク・エヴィン
合唱指揮:根本卓也
演出助手:上原真希
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:加賀清孝
合 唱 :二期会合唱団
管弦楽 :東京交響楽団


キャスト
アイゼンシュタイン:小林啓倫
ロザリンデ  :森谷真理→木下美穂子
フランク   :杉浦隆大
オルロフスキー:成田伊美
アルフレード :金山京介
ファルケ   :加耒 徹
ブリント   :大川信之
アデーレ   :雨笠佳奈
イダ     :内山侑紀
フロッシュ  :森 公美子


感想
 11月は所要が入り、日生オペラ「カプレーティとモンテッキ」、新国立「マイスタージンガー」と相次ぎ聞きに行けず。
 東京二期会シーズンセット券に入っている公演、年末も近づき「こうもり」を観に、新型コロナがすっかり収まり急激に人出が増えている中、日比谷、日生劇場へ出掛けた。

 1年振りの日生劇場は、入り口でのアルコール消毒、遠隔カメラによる検温、チケット半券自身もぎり、チラシピックアップ、ドリンクサービス中止(ペットボトル販売のみ)等の新型コロナ感染対策はこれまで通り。

 客席は前2列以外は全席販売で、ほぼ満席。オケピットには管楽器も入り、通常のオペラ公演を聞くことが出来た。

 舞台は幕が開いた状態で、装置全てがベージュ色のカバーに覆われた状態で、序曲が始まる。序曲途中でカバーが除かれ、アイゼンシュタイン邸宅の居間が表れる。
 家具の配置や奥の壁が動いて、そのままオルロフスキー公爵邸の舞踏会場に転換。
 本来3幕物を2部構成にしており、2幕ハンガリーの伯爵夫人に変装したロザリンデがフランス人侯爵ルナールに扮したアイゼンシュタインから懐中時計を取り上げ、オルロフスキー公爵の
シャンパンの唄で第1部が幕。20分の休憩を挟み、まだ客席が暗転になる前から演奏が始まり、堅苦しくないオペレッタならではの演出。
 再び家具などの舞台装置が動かされ、天井の巨大シャンデリアが降ろされた状態で監獄の所長フランクの部屋となる。オルロフスキー公爵はファルケが雇った女性を男装させた偽物程度の読み替えで、全体的に違和感のない演出。

 オケはスピーディな演奏で、どんどん物語が進められるのは、指揮者の功績でしょう。

 ロザリンデ役の森谷真理さんが東京二期会退会伴い木下美穂子さんへ変更あったものの、歌手は皆さん役に合った歌声で、日本語の台詞も解り易い。2017年公演の再演とのことで、演技もスムーズ。フロッシュ役の森公美子の講釈は、自らの歌声とオペラに絡めたお話で面白い。

 やはりオペレッタはこのような肩肘張らない演出が良いと思った公演だった。

 すでに東京二期会の「2022-2023シーズンラインアップ」が発表されており、11月の日生劇場オペレッタは「天国と地獄」とのことで楽しみに。


End






最終更新日  2021.12.01 21:05:18
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2021.10.31
カテゴリ:オペラ


鑑賞日:2021年10月31日(日)15:00開演
入場料:5,000円(7列→12列)

【主催】神奈川県立音楽堂、(財)神奈川芸術文化財団

神奈川県立音楽堂
室内オペラ・プロジェクト第4弾
オペラ「シャルリー~茶色の朝~」
ブルーノ・ジネール作曲
フランク・パヴロフ原作
日本初演(フランス語上演・日本語字幕付)
会場:神奈川県立音楽堂


曲目
<第1部>
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル:『三文オペラ』より「メッキー・メッサ―の哀歌」
モーリス・マーグル/クルト・ヴァイル:「セーヌ哀歌」
ロジェ・フェルネ/クルト・ヴァイル:「ユーカリ」
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル:『三文オペラ』より「大砲ソング」
アルヴィン・シェルホフ「ヴァイオリンとチェロのための二重奏」より第二楽章ジンガレスカ
パウル・デッサウ:ゲルニカ~ピカソに捧げる
ブルーノ・ジネール:パウル・デッサウの‟ゲルニカ”のためのパラフレーズ(日本初演)

<第2部>
「シャルリー~フランク・パヴロフの小説『茶色の朝』にもとづくポケット・オペラ」
日本初演 (フランス語上演・字幕付)

スタッフ
演出:クリスチャン・レッツ 
照明・舞台監督:アントニー・オーベリクス
プロダクション:アンサンブルK/CCAMヴァンドゥーヴル・レ・ナンシー国立舞台センターの共同プロダクション

出演
アンサブルK
ソプラノ:アマンディーヌ・トラン→アデール・カルリエ
ヴァイオリン:エロディー・ハース
チェロ:マリー・ヴィアール
クラリネット:グザヴィエ・フェルタン
ピアノ:セバスチャン・デュブール
パーカッション:グレゴリー・マサット

<第3部>
作曲家ブルーノ・ジネール(オンライン)を囲むクロストーク
(日仏通訳付)
ゲスト・スピーカー:高橋哲哉(哲学者・東京大学名誉教授)
ブルーノ・ジネールは来日できなくなり、オンラインでのトーク出演


感想
 神奈川県立音楽堂主催の室内オペラ・プロジェクトで「シャルリー~茶色の朝」の日本初演があるとのことで小雨模様の中、紅葉坂を登って音楽堂まで出掛けた。

 開演の2時間前にメールが入り、字幕表示装置が見にくいため席の移動があるとのことで、開場直ぐにホールへ。振替デスクで7列から12列への移動だが、縦位置はそのままで通路側は確保されたので快諾し座席へ。客席は前7列を空席としたものの、ほぼ満席の状況。

 第1部は、第1次対戦から第2次対戦の間に書かれた反政府のユダヤ系の作曲家により書かれた小品。クルト・ヴァイルの「三文オペラ」や「ユーカリ」はシャンソン風でジャスの要素もある。後半3曲は現代音楽で、ピアノの弦を直接叩く特殊奏法もあり。
 舞台を緑のカーテンで仕切り、その前で演奏された。歌唱曲ではソプラノのアデール・カルリエ以外の奏者もコーラスとして参加。40分。

 第2部は白い紗幕の前に形の異なる6席の白い椅子が置かれ、右端にTV。楽器は全て紗幕の後ろでオペラ「シャルリー」が演奏される。
 シャルリーは登場せず、その友人女性により語られる設定。基本友人女性一人が歌い、語るのだが、5人の演奏者がコーラスに入ったり、語りや自警警察として登場するだけ。
 物語はペットの犬が茶色だけに制限され、他の色のペットは毒入りの餌で殺される。それが猫にも適用され、新聞や雑誌も廃刊され1誌に制限。そしてペット制限処罰は過去にも適用され、シャルリーも自警団の密告から捕まり、やがて友人女性宅にも警察がやって来るところで幕。
 日常の何気ない制限がやがて大変な事態になると言うナチスによるユダヤ人虐殺に通じる内容で、最初のゆったりとした静かな音楽から段々と緊張感が増し、恐怖が襲ってくる音楽になっている。50分程度。

 第3部は本作品を作曲したブルーノ・ジネール氏とオンラインでのトークとなっており、ブルーノ・ジネール氏は大型画面に登場し、通訳を介して、ゲストの哲学者、高橋哲哉氏との対談が行われた。
 原作「茶色の朝」の主人公シャルリーは男性だが、作曲を委託された劇場からソプラノ歌手の起用を要請されたため、その友人女性との設定でオペラ化したとのこと。この物語りの「法令不遡及の原則」を破る「法令の遡及適用」は先日の香港でも起こっている訳で遠い話では無い。

 フランスの現代小オペラを聞ける貴重な機会となった。

 プログラムには室内オペラ・プロジェクトの次回公演として、来年10月にファビオ・ビオンディ指揮、エウローパ・ガランテによるヘンデル「シッラ」の予告が掲載。
 昨年新型コロナ感染で来日リハーサルまで行って直前に中止となった公演であり、今から楽しみに。

End






最終更新日  2021.11.14 10:47:42
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