2021/10/18(月)22:15
内田光子のベートーヴェンはすごかった
鑑賞日:2021年10月17日(日)16:00開演
入場料:13,000円(A席 G列)
【主催】(財)水戸市芸術振興財団
内田光子ピアノ・リサイタル
会場:水戸芸術館・コンサートホールATM
曲目:
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15番
ヘ長調 K.533+K.494 [旧全集第18番]
ベートーヴェン:ディアベッリのワルツの
主題による33の変奏曲 ハ長調 作品120
感想
世界的ピアニストの内田光子さんの来日公演が水戸であるとのことで、急に気温が下がった小雨模様の中、水戸芸術館まで出掛けた。
地方はコロナの影響がまだ根強く、会館入口でカメラで体温チェック、手のアルコール消毒、更にホール入口で手首での再度の体温測定、チケット半券自らもぎりと厳重。客席は620席の客席の前後左右を空けた千鳥格子配列のため300人位の観客。なぜか2階のホールのロビー、トイレは使えなく不便な状況。
舞台上にはホールのスタインウェイのピアノが置かれているのみ。時間となり、客席暗転で内田光子さん登場。ベージュ色の七分袖セーター、黒色のパンツ、金色のハイヒール姿。ピアノの上に置かれたメガネを掛けて演奏開始。
前半はモーツアルトのピアノソナタ。極端なテンポの揺れや誇張された強弱は無く、楽譜通りの演奏だが、なめらかな指の動きで、旋律が浮き上がってくる。
約30分の大変心地よい演奏。
20分の休憩を挟んで、後半はベートーヴェンの変奏曲。1曲目冒頭のフォルテから耳を掴まれる。プログラムに書かれている各曲の特徴を明確に次々と演奏される。途中2回ほどペットボトルの水を含む間があり。22曲目の「ドン・ジョバンニ」の旋律が出てくるところは正しくモーツアルトのように。
各曲でのテンポの揺れは殆ど感じないが、一小節の中で微妙な揺れがあり、単調さを感じさせない。あっという間の33曲1時間だった。
72歳とは思えない完成度の高さは、ベートーヴェンの書いた楽譜の隅々まで分析し、自分の中へ取り込んだ上で、再度曲として組み立てた上で作り上げた演奏のように感じた。
演奏が終わると4度のカーテンコール、最後は客席の半分がスタンディングオベーションとなった。
大曲のピアノソナタでなくても、十分に感動できる演奏が聞けることを認識できたコンサートだった。
End