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KUROうさぎの『コンサートを聴いて』

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2021.10.31
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カテゴリ:オペラ


鑑賞日:2021年10月31日(日)15:00開演
入場料:5,000円(7列→12列)

【主催】神奈川県立音楽堂、(財)神奈川芸術文化財団

神奈川県立音楽堂
室内オペラ・プロジェクト第4弾
オペラ「シャルリー~茶色の朝~」
ブルーノ・ジネール作曲
フランク・パヴロフ原作
日本初演(フランス語上演・日本語字幕付)
会場:神奈川県立音楽堂


曲目
<第1部>
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル:『三文オペラ』より「メッキー・メッサ―の哀歌」
モーリス・マーグル/クルト・ヴァイル:「セーヌ哀歌」
ロジェ・フェルネ/クルト・ヴァイル:「ユーカリ」
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル:『三文オペラ』より「大砲ソング」
アルヴィン・シェルホフ「ヴァイオリンとチェロのための二重奏」より第二楽章ジンガレスカ
パウル・デッサウ:ゲルニカ~ピカソに捧げる
ブルーノ・ジネール:パウル・デッサウの‟ゲルニカ”のためのパラフレーズ(日本初演)

<第2部>
「シャルリー~フランク・パヴロフの小説『茶色の朝』にもとづくポケット・オペラ」
日本初演 (フランス語上演・字幕付)

スタッフ
演出:クリスチャン・レッツ 
照明・舞台監督:アントニー・オーベリクス
プロダクション:アンサンブルK/CCAMヴァンドゥーヴル・レ・ナンシー国立舞台センターの共同プロダクション

出演
アンサブルK
ソプラノ:アマンディーヌ・トラン→アデール・カルリエ
ヴァイオリン:エロディー・ハース
チェロ:マリー・ヴィアール
クラリネット:グザヴィエ・フェルタン
ピアノ:セバスチャン・デュブール
パーカッション:グレゴリー・マサット

<第3部>
作曲家ブルーノ・ジネール(オンライン)を囲むクロストーク
(日仏通訳付)
ゲスト・スピーカー:高橋哲哉(哲学者・東京大学名誉教授)
ブルーノ・ジネールは来日できなくなり、オンラインでのトーク出演


感想
 神奈川県立音楽堂主催の室内オペラ・プロジェクトで「シャルリー~茶色の朝」の日本初演があるとのことで小雨模様の中、紅葉坂を登って音楽堂まで出掛けた。

 開演の2時間前にメールが入り、字幕表示装置が見にくいため席の移動があるとのことで、開場直ぐにホールへ。振替デスクで7列から12列への移動だが、縦位置はそのままで通路側は確保されたので快諾し座席へ。客席は前7列を空席としたものの、ほぼ満席の状況。

 第1部は、第1次対戦から第2次対戦の間に書かれた反政府のユダヤ系の作曲家により書かれた小品。クルト・ヴァイルの「三文オペラ」や「ユーカリ」はシャンソン風でジャスの要素もある。後半3曲は現代音楽で、ピアノの弦を直接叩く特殊奏法もあり。
 舞台を緑のカーテンで仕切り、その前で演奏された。歌唱曲ではソプラノのアデール・カルリエ以外の奏者もコーラスとして参加。40分。

 第2部は白い紗幕の前に形の異なる6席の白い椅子が置かれ、右端にTV。楽器は全て紗幕の後ろでオペラ「シャルリー」が演奏される。
 シャルリーは登場せず、その友人女性により語られる設定。基本友人女性一人が歌い、語るのだが、5人の演奏者がコーラスに入ったり、語りや自警警察として登場するだけ。
 物語はペットの犬が茶色だけに制限され、他の色のペットは毒入りの餌で殺される。それが猫にも適用され、新聞や雑誌も廃刊され1誌に制限。そしてペット制限処罰は過去にも適用され、シャルリーも自警団の密告から捕まり、やがて友人女性宅にも警察がやって来るところで幕。
 日常の何気ない制限がやがて大変な事態になると言うナチスによるユダヤ人虐殺に通じる内容で、最初のゆったりとした静かな音楽から段々と緊張感が増し、恐怖が襲ってくる音楽になっている。50分程度。

 第3部は本作品を作曲したブルーノ・ジネール氏とオンラインでのトークとなっており、ブルーノ・ジネール氏は大型画面に登場し、通訳を介して、ゲストの哲学者、高橋哲哉氏との対談が行われた。
 原作「茶色の朝」の主人公シャルリーは男性だが、作曲を委託された劇場からソプラノ歌手の起用を要請されたため、その友人女性との設定でオペラ化したとのこと。この物語りの「法令不遡及の原則」を破る「法令の遡及適用」は先日の香港でも起こっている訳で遠い話では無い。

 フランスの現代小オペラを聞ける貴重な機会となった。

 プログラムには室内オペラ・プロジェクトの次回公演として、来年10月にファビオ・ビオンディ指揮、エウローパ・ガランテによるヘンデル「シッラ」の予告が掲載。
 昨年新型コロナ感染で来日リハーサルまで行って直前に中止となった公演であり、今から楽しみに。

End





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最終更新日  2021.11.14 10:47:42
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