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KUROうさぎの『コンサートを聴いて』

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2022.04.02
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カテゴリ:オペラ

鑑賞日:2022年4月2日(土)15:00開演
入場料:8,000円(D席/4階 R3列)

【主催】東京・春・音楽祭実行委員会
【共催】(財)東京都歴史文化財団 東京文化会館

東京・春・音楽祭2022
東京春祭ワーグナー・シリーズvol.13
楽劇「ローエングリン」<演奏会形式>
ワーグナー作曲

全3幕(ドイツ語上演/日本語字幕付)
会場:東京文化会館大ホール



スタッフ
指 揮 :マレク・ヤノフスキ
管弦楽 :NHK交響楽団
コンサートマスター:白井 圭
合 唱 :東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

出演
ローエングリン :ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー
エルザ     :マリータ・ソルベルグ→ヨハンニ・フォン・オオストラム
テルラムント  :エギルス・シリンス
オルトルート  :エレーナ・ツィトコーワ→アンナ・マリア・キウリ
ハインリヒ王  :タレク・ナズミ
王の伝令    :リヴュー・ホレンダー
ブラバントの貴族:大槻孝志、髙梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一
小  姓    :斉藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子


感想
 新型コロナ第6波のまん延防止の影響と、歌手や演目まで変更で魅力乏しく、しばらくオペラ鑑賞を中断。3年ぶりの東京春祭ワーグナー・シリーズ開催、ようやく海外一流歌手が舞台上で聞けそうとのことで、桜満開の上野へ出掛けた。

 クロークやドリンクサービスは無いものの、ロビーは結構な人混みで、客席はほぼ満席。舞台は張り出しが出され、今回映像がないため後部は反響板あり。映像が無い代わりに場面毎に照明で色が付けられ、これでも十分効果あり。

 オケは6プルト3管編成で約80名、合唱は各パート14~16名で総勢60名。これにバンダが加わる。2018年の同音楽祭、同公演はオケ7プルト、合唱100人だったので少し小規模になっているが、合唱は1.5m程間を空けた上で全員マスクなし、オケの弦もコンマス始めマスク無しの方も見られた。

 開演時間となり合唱、オケが舞台上に登場しチューニング。指揮者登場し、前奏曲が奏でられ、まずはその音量、音圧に圧倒される。

 合唱は中央が女声でその上手バス、下手テノールの配置。今回合唱人数を絞った関係で音量落ちる女声を中央に配置したと思われる。
 フォルテ部分ではオケに負けずに聞こえており、反響板も加わってその効果あり。但し男声合唱の弱音部はパート離れた事による多少のズレを感じた。

 3幕最初は、舞台上合唱は女声8人のみ。婚礼の合唱は裏歌で厳かに響き、その後女声8人の美しい合唱。3場の間奏曲の間に合唱団全員が再登場し、「ハインリヒ王、万歳」の大合唱に続く音の厚みが素晴らしい。プロのオペラ歌手の方々の顔も多く見られさすが。
 オケも、バンダのトランペットを3幕3場で舞台上手下手の前後に配置させ、音楽の立体感を浮き出させており、舞台装置がなくても演出が出来ている。

 歌手は、皆さん素晴らしい。タイトルロールのヴォルフシュタイナーは、2幕後半から声が若干危なくなったが、3幕長い「グラール語り」まで力で歌いきりさすが。エルザ役オオストラムはワーグナー歌手程力強さは無いものの、オケに負けること無くリリコの美しく響く高音域と安定した中音域で素晴らしい。オルトルート役キウリは、高音部で金切り声的な所もあったが、魔女悪役にあった歌い方。ハインリヒ王役ナズミ、テルラムント役シリンス、伝令役ホレンダーは役に合わせた安定した歌声だった。

 やはり本公演の一番の功労者は指揮者マレク・ヤノフスキで、一糸乱さない指揮でどんどん音楽を引っ張って行く。3幕は登場し指揮台に立つやいなや、拍手が鳴り止まない内に間奏曲を始め、婚礼の合唱へ続けることで音楽の緊張感を保っていた。80歳を超えるご高齢だが、年齢を全く感じさせない指揮だった。
 終演後は、拍手が鳴り止まず何度もカーテンコールが行われ、最後に指揮者登場でお開きに。

 新型コロナ感染の魔法・制限を解き放すような公演で、やっとオペラの日常が戻って来たことを実感出来た。
 来年は「マイスタジンガー」が予定されており、今から楽しみ。また本シリーズで楽劇未演奏の「トリスタンとイゾルデ」もぜひ聴きたい。

 何よりも、新型コロナ禍の中、ムーティー始め多くの海外著名演奏家を来日させ、数々の困難を乗り越えて音楽祭を開催している関係者、スタッフの皆さんに感謝したい。


End

2024/4/8追記
 本公演の歌手変更2名あり、『マリータ・ソルベルグは、健康上の理由により出演ができなくなりました。』と記載あったが、もう一人は『当初出演を予定しておりましたエレーナ・ツィトコーワは、本人の都合により出演ができなくなりました。』
 ツィトコーワ本人の都合が気になってプロフィールを見た所、出生地がサンクト・ペテルブルグとなっており、ロシアのウクライナ侵略戦争の影響でしょう。
 当面ロシア出身の音楽家の演奏は聞けない状況で、早く終わることを祈るばかりです。





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最終更新日  2022.04.08 10:42:20
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