テーマ:好きなクラシック(2066)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2022年4月24日(日)14:00開演 入場料:6,000円(BC席シーズンセット券/3階2列) 【主催】(財)東京二期会、Bunkamura 【後援】イタリア大使館、イタリア文化会館 《二期会創立70周年記念公演》 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ オペラ「エドガール」(セミ・ステージ形式上演) 全3幕(イタリア語上演/日本語字幕付) 原作:アルフレッド・ド・ミュッセ『杯と唇』 台本:フェルディナンド・フォンターナ 作曲:ジャコモ・プッチーニ 会場:Bunkamuraオーチャードホール スタッフ 指 揮 :アンドレア・バッティストーニ ![]() 舞台構成:飯塚励生 映 像 :栗山聡之 照 明 :八木麻紀 舞台監督:幸泉浩司 公演監督:大野徹也 公演監督補:佐々木典子 合唱指揮:粂原裕介 合 唱 :二期会合唱団、TOKYO FM 少年合唱団 管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団 出演 エドガール :樋口達哉 グァルティエーロ:清水宏樹 フランク :杉浦隆大 フィデーリア :大山亜紀子 ティグラーナ :成田伊美 感想 東京二期会の演奏会形式のオペラ公演がオーチャードホールであるとのことで、小雨模様の中、渋谷まで出掛けた。 渋谷駅の若者達の密集をかき分け、Bunkamuraへ着くのに一苦労。更に3階席まで階段をひたすら登り大変。なお当ホールは来年春より隣の百貨店建替えと合わせて大規模修繕のため長期休館のとのことで、ぜひエレベータ、エスカレータ等のバリアフリー導入をお願いしたい。 入り口での体温測定、アルコール消毒、プログラムの自身ピックアップはあったものの、ロビー椅子の間空ける表示は無し。また2Fのビッフェも営業していた。客席は舞台張り出しの前まで空き席を設けてなかったが、1階席奥、2階席に空き席があり、7~8割程度の入り。 舞台張り出しの部分に黒い山台が7つ程置かれ、歌手はそこで多少の演技を加えて歌う。児童合唱20人もその都度舞台に登場しその山台で歌う。その後ろに管弦楽が位置し、紗幕を挟んで更に後ろに2階建てで合唱が1m間隔で1列に並ぶ。1階、2階とも男声、女声各9人で合計36名。紗幕で見えずらかったがマスクは着けてない。唯一3幕に入る前の暗転中に山台中央へ祭壇のような棺桶が置かれる。あと2幕の間だけ山台4箇所にモニタースピーカーが置かれていたが、これは指揮が見えない歌手へのサポート用だったのか。 オケと合唱の間の紗幕に場面に合わせた映像が映し出される。絵画調の絵が多く、花、街並み、教会等。火災の場面で炎、戦いに向かう場面で国旗がはためくCGが映され物語の理解に役立つが、直ぐに切り変わってしまう所がかえって目障りで、もう少し切り替えを減らしても良いと思われた。 舞台真ん中で指揮者バッティストーニが大きな身振りでオケを引っ張っていく。テンポや音量の差など、イタリア・オペラを盛り上げるのは上手い。オケはチェロの独奏等それなりに良かったが、バンダのトランペット等で所々コケるところが残念。 歌手は、男声陣は総じて良く、女声陣はビブラート、音程不安定、怒鳴るような発声があり残念。一番良かったのはフランク役の杉浦隆大の歌唱で、久しぶりに艶のあるバリトンの歌声を聞けた。タイトルロールの樋口達哉もよく届く歌声で良かった 本作品を聞くのは初めて。プッチーニ2作目に当たり、本作曲の後に『マノン・レスコー』、『ラ・ボエーム』、『トスカ』、『蝶々夫人』が続くことになる。 3幕ものだが、休憩は1幕後1回のみ、2幕が10分程度で短く3幕と続けて演奏され、演奏時間は全体で2時間弱と短め。 主人公エドガールは1幕でムーア人のティグラーナに対し民衆から蔑まれた言葉を掛けられたことに腹を立てて自宅に火を付け、駆け落ち。2幕ではいきなりティグラーナとの恋愛に飽きて戦場へ、3幕では自身が戦場で亡くなりその葬儀の設定で神父に成りすまし、ティグラーナを真珠の宝石で釣って「エドガールが裏切り者」と言わせて、その後正体を明かし民衆となじる。なんとも身勝手な主人公になっている。 ヒロインのフィデーリアとの恋愛感も余り感じられず、悪女ティグラーナの扱いもはっきりしない。 観客には共感が困難な台本なので、余り演奏機会が無いのでしょう。ただ音楽は美しく2幕冒頭のエドガールの故郷を想うアリアは、トスカの「妙なる調和」を思わせるメロディー。3幕のミサ曲も美しかった。 全体としては、オペラ「エドガール」を聞ける貴重な機会であり、その後の作品に続くプッチーニの音楽の美しさを感じることが出来た。東京二期会の今シーズン公演は7月「パルジファル」を残すのみで、ヴァイグレ指揮の読響を楽しみに。 End
最終更新日
2022.04.26 10:48:13
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