テーマ:好きなクラシック(2282)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2022年6月13日(日)14:00開演 入場料:10,000円(S席 1階F列) 【主催】(財)ニッセイ文化振興財団[日生劇場] NISSAY OPERA 2022 オペラ「セビリアの理髪師」 ロッシーニ作曲 全2幕(イタリア語上演/日本語字幕付) 会場:日生劇場 スタッフ 指 揮 :沼尻 竜典 演 出 :粟國 淳 美 術 :横田 あつみ 照 明 :大島 祐夫 衣 裳 :増田 恵美 振 付 :伊藤 範子 舞台監督:幸泉 浩司 演出助手:上原 真希、橋本 英志 合唱指揮:及川 貢 副指揮 :大川 修司、鈴木 恵理奈、石崎 真弥奈、 松川 智哉 コレペティトゥア:平塚 洋子、星 和代、湯浅 加奈子 管弦楽 :東京交響楽団 ギター :黄 敬 チェンバロ :平塚 洋子 合 唱 : C.ヴィレッジシンガーズ 出演 アルマヴィーヴァ伯爵:小堀 勇介 ロジーナ :山下 裕賀 フィガロ :黒田 祐貴 バルトロ :久保田 真澄 ドン・バジリオ :斉木 健詞 ベルタ :守谷 由香 フィオレッロ :川野 貴之 感想 日生劇場で「セビリアの理髪師」公演があるとのことで、楽譜購入で銀座に寄った後、霧雨の降る中、日比谷へ向かった。 ロッシーニ・テノールの小堀さんが伯爵を歌うとのことで、発売日にS席を確保。一列目は無観客で5列目となり、双眼鏡無しで細かい動きまでよく見える。 舞台上には赤い幕が描かれた大きな木板が円形の台の上に置かれている。舞台左右には手巻きの付いた高い木の柱が置かれ、民衆役の合唱人が手巻きを動かすことで、幕が開いたり、舞台が回転し、正しく芝居をしているとの設定。 違和感のない良い演出で、2016年に観たことを思い出した。 ただ、演技中、部屋に入るシーンで手をアルコールで消毒したり、魔笛の夜の女王のアリアを入れたりと、今回独自のアドリブが入り笑いを誘う。 この後、11月に滋賀びわ湖ホール、12月に大阪フェニーチェ堺、山形やまぎん県民ホールで公演予定となっている。 指揮者登場で序曲が始まる。オケは全体的にテンポは極端に早くなることがないが、強弱付けられ、安定した演奏。 レスタティーヴォはチェンバロで。2幕「嵐の場面」では雷板、ウインドマシーンが舞台上下に置かれ演奏されていた。 今回歌手の皆さんが総じて素晴らしい。 タイトルロール・フィガロ役の黒田祐貴は父親似の背の高い2枚目だが、「おいらは街の何でも屋」ではよく響く歌に加え、ミュージカルの様に動き回る演技でバッチリ決めて拍手喝采。 ロジーナ役の山下裕賀は安定した歌声でアジリタも軽々とこなす。演技含め勝ち気なロジーナを上手く表現していた。 バルトロ役の久保田真澄は早口の「わしのような医者に向かって」も難なく歌い、演技も良く、高齢で欲深な医者を演じていた。 ドン・バジリオ役の斉木健詞は超低音のバスの歌声で「中傷とはそよ風です」はコミカルさも加わり楽しい。 ベルタ役の守谷由香はよく通るソプラノの歌声でアリアに加え、男声ばかりのフィナーレでもよく聞こえた。 何と言っても素晴らしかったのはアルマヴィーヴァ伯爵役の小堀勇介。最初は少々抑え気味に聞こえたが、場面が進むに連れて声がどんどん出て来る。本作品は伯爵はほぼ出突っ張りで、歌う部分がやたら多いが、最後まで音程やテンポのズレも無い。1幕では自らギターを弾いて歌う。省略されることも多い2幕フィナーレ前の大アリア「もう逆らうのをやめろ」はハイCも決め、アジリタも遅れることなく自然に聞こえて最高!S席を購入した甲斐があった。 唯一残念だったのは、合唱団が全員マスク着けていたいたこと。せっかくの舞台上の芝居の演出も現実に戻された気分になり興ざめに。 逆に、歌手、指揮者、演出家皆さんで手を取り合ってのカーテンコールとなり、盛り上がった。こうでなくては。 やはり歌手が揃うと相乗効果で音楽がどんどん良くなり、作品本来の楽しさが倍増され、あっと言う間の3時間強。分かりやすい演出や安定したオケも加わり、久しぶりに満足出来たオペラ公演だった。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.06.15 13:15:22
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