テーマ:好きなクラシック(2334)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2024年10月14日(月・祝)13:00開演 入場料:9,900円(C席 4階1列) 【主催】(財)新国立劇場 新国立劇2024/2025シーズン オペラ「夢遊病の女」 ベッリーニ作曲 全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉 会場:新国立劇場オペラパレス 共同制作:テアトロ・レアル、リセウ大劇場、パレルモ・マッシモ劇場 スタッフ 指 揮 :マウリツィオ・ベニーニ 演 出 :バルバラ・リュック 美 術 :クリストフ・ヘッツァー 衣 裳 :クララ・ペルッフォ 照 明 :ウルス・シェーネバウム 振 付 :イラッツェ・アンサ、イガール・バコヴィッチ 演出補 :アンナ・ポンセ 舞台監督:髙橋尚史 合唱指揮:三澤洋史 合 唱 :新国立劇場合唱団 管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団 出演 ロドルフォ伯爵:妻屋秀和 テレーザ :谷口睦美 アミーナ :クローザ・フェオラ→ラウディア・ムスキオ エルヴィーノ :アントニーノ・シラグーザ リーザ :伊藤 晴 アレッシオ :近藤 圭 公証人 :渡辺正親 感想 新国立劇場の今シーズンは新作が増えており、オープニングはベッリーニ作品を初めて取り上げるとのことで、ようやく気温が真夏日から下がり始めた下、初台まで出掛けた。 オペラシティーでランチを食べ、開場時間を確かめるためチケットを確認した所、なんと開演時間が「13:00」。時計はジャスト「13:00」。 新国立劇場のマチネはこれまでほとんど全てが「14:00」だったので、今回も同じと勘違いしていたことに気づく。そう言えば、チケットを購入した際に「いつもと時間が違うので気をつけないと」と思っていたことをようやく思い出す。 今から走っても間に合う訳はなく1幕はあきらめるしかないかと、取り敢えず5分遅れで新国立劇場のオペラパレス入口に行った所、「しばらくお待ち頂けると、1幕途中からご案内します」との優しいお言葉。6人程で大型モニターの前で15分程待っていると、案内係に従って3階席ドア前へ移動し、アリアが終わった所で正面の最後列空席へ。買っていた席よりも良席で、1幕のほとんどを鑑賞することが出来た。同じように遅れて来る人も多く、1幕途中の場面転換では20人程が3階席壁際で立見となっていた。 休憩時間に係員に13:00開演の理由を聞いた所、今回演出、舞台装置が欧州からの借用であり、そのバラシと運搬で1時間早めたのではとのこと。借用期間を1日でも短くするためなのでしょう。 その演出は1幕は舞台中央に上まで届く大きな木が植えられ、その大木から左右手前奥の4方向へロープが張られている。そのロープに掛けられた白い布の枚数、位置を変えることで、広場や宿屋の室内の設定に変えられる。 2幕1場はロドルフォ伯爵の城館のはずだか、大きな歯車とその横に大きな釜があり蒸気機関か? 2幕2場は大きな小屋が中央に置かれ、その入口上に1m幅の張り出しがあり、そこへ夢遊状態のアミーナが登場(原作は水車小屋にかかった1本橋)。 3階以上の高さがあり、安全装置は付けられていると思われるが、ここで歌うのは確かに怖い。前役のクローザ・フェオラが「芸術上の理由により出演できなくなりました。」の理由はこの高さにあったとの噂も。 合唱の村人達とは別に10人のダンサーがアミーナの周囲を取り囲み、アミーナの心情にあわせた動きを見せる。アミーナの歌と動きで十分に伝わって来たので、必要だったのかは? 歌手はエルヴィーノ役アントニーノ・シラグーザが相変わらずの素晴らしいピンと張った歌声。以前より高音で少々力を入れているように感じられたが、本公演中に還暦を迎えたとのことで、歌声を聞けて良かった。 なんと言ってもアミーナ役ラウディア・ムスキオの美しい高音が稀有な歌声。声質としてはメゾ的で明るくはないのだが、コロラトゥーラやアジリタが正確で、高音に行くに従ってより頭声に持っていき弱音で響かせる所が素晴らしく、4階席奥まで十分に届く。アカペラ部分が最高に良い。 日本人歌手の力と勢いで高音を歌うのとは正反対。 また目鼻立ちがはっきりとした彫りの深い顔立ち、バレエをやっていたとのことでスタイルも良く、28歳とのことで今後が楽しみなベルカント・ソプラノと言えるでしょう。 オケも、ダイナミズムが大きく、クレッシェンドに向かってテンポを上げ盛り上げる所は、イタリア人指揮者のマウリツィオ・ベニーニの功績でしょう。 来シーズンはぜひベッリーニの「ノルマ」「清教徒」を聞きたい。 今シーズンはこの後、ロッシーニ「ギヨーム・テル」、細川俊夫新作「ナターシャ」の新作品があり、楽しみに。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.15 22:18:06
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