山本ふみこさんのうふふ日記

2007/11/13(火)10:00

「天才ですから」と、つぶやいています。

  久しぶりに、あれを読んだ。 読みはじめると、どうしてもつづけて全31巻読み切ることになる。読み切るための時間が不足しているような気がしたが、とにかくパワーがほしかった。 ええい、読んじまえっ。 暮らしのバランスがくずれることが、ある。家のこと。仕事。その他。それぞれの量に問題があるのよ、と文句を言いながら、バランスがくずれているのは、暮らしではなく、自分自身のここ(胸)。わかってる……。 疲れ? たぶんそうだ。 倦怠? それも、ある。 とにかく、なんだかみーんないやになっちゃって、することなすこと、うまくいかない。つい最近、そういうことが起きた。 そんな場面での、「読んじまえっ」だった。 この全31巻の正体は、『スラムダンク(SLAM DUNK)』(集英社)。 まんがだ。バスケットボールのまんが。  しびれるような名せりふが、いくつもある。 これまで30回は読んだが、何度読んでも力をもらえる。読むたびに、ぐっと来る場面が、変化しているようでもある。自分の弱っている部分に、ドン、とくる。 このたび、ドンときたのは、こんなやりとり。  「もう勝てねーとでも 思ってんのか」(桜木)  「何だと…」(赤木)  「おめーが 簡単に言うよーな点差じゃねーぜ…」(三井)  「あ?バカめ」(桜木)  「おめーらバスケかぶれの常識は オレには通用しねえ!!」(桜木)  「シロートだからよ!!」(桜木)(『スラムダンク』28巻より)〈ちょっとだけ、あらすじ〉                                神奈川県立湘北高校1年生の桜木花道(はなみち)は、かわいい同級生「ハルコさん」の「バスケットは… お好きですか?」というひと言に誘われ、バスケット部に入った。赤いリーゼントのヤンキーとしてならしていた桜木は、はたしてバスケットマンになれるのか……。 しかし。すったもんだはあったものの、桜木は基礎練習に励んだ。部員たちが全国制覇を目標に練習する体育館のすみっこで。 湘北高校は県大会を勝ちすすみ、ついに悲願の全国大会出場を決めた……。 ああ、待って。『スラムダンク』を知らないアナタ。 バスケットには興味ないって? そうじゃないんですってば。 バスケットをまったく知らなくても、胸のあたりをがしっとつかまれる。 自分の毎日を、考えさせられる。 掲出のやりとりも、然り。なにかをつづけてきて壁に突き当たるときって、中途半端にクロート(玄人)化していることが、ある。 そうして簡単に、「そんなの無理よ」とか、言う。「もう手いっぱいよ」と、嘆く。『スラムダンク』の桜木花道クンは、ちがうんだな。口癖のように、「天才ですから」とつぶやきながら、常に、挑戦している。練習している。バスケットがうまくなりたい一心で。 『スラムダンク』。 くりかえしを生きることの意味を、そのすばらしさを思いださせてくれる。 くりかえしのなかで、自分にもきっと何かが見えてくるだろう。 ——そんな気持ちになる。 上達しているんじゃないか。 ——と、いう気もしてくる。 だから、このマンガは、「日日のくりかえしに疲れている場合じゃないわたしたち」の必読書なんじゃないか、と思うわけだ。 主将赤木、メガネ君(木暮)、三井、宮城、流川(るかわ)にも、是非、アナタを会わせたい。そうだ、監督の安西先生を忘れては、いけないな。 安西先生の名せりふも書いておこう。  「あきらめたら そこで試合終了ですよ…?」(『スラム ダンク』27巻より) ああ、元気でたでた! それにしても、ページを繰るほか、なんにもしていないはずなのに、読破したあと、どうして、こんなに汗かいているんだろう、わたしは。  長女、小6のクリスマス。サンタクロースが『スラムダンク』全31巻を枕元に届けてくれました。その苦労、その重み、なぜだかわからないけど、わが事のように思い返すことができます。サンタクロースさん、アナタは、えらいっ。 ついでに。子どもたちの本棚に、頑丈なフックを1つずつつけました。出かけるとき着ようと決めた服(ほかの誰か——きょうだいや、母に先に着られてしまわないように)や、持ち物を下げておくフックです。

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