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カテゴリ:うふふ日記
ある日。
漫画を読みながら昼寝。 朝からからだがだるく、その上からだの節節が痛むので、思いきって仕事もよし、雑用もよして、まるくなった。救いをもとめるようにして本棚から引きぬいたは、『陰陽師』(岡野玲子 原作:夢枕獏/白泉社)。 読んでいるかと思えばまどろみ、まどろみながらも喰いついていたら、夕方台所に立ったとき、はっきりと胸に灯るものがあった。「実感」と呼んでかまわないような気がした。忘れないように、手帖に書きつける。 「揺るぎなき純粋さは、ひとのこころをつよくする」 ある日。 昼に友だちと待ち合わせして、豆カレーを食べる。 泣きだしそうな空だ。一度泣きだしたら大泣きになりそうな、そしてなかなか泣き止まぬような気配。 友だちがふと、「吉祥寺美術館*1に行きましょう」と云う。いいね、行こう行こう。吉祥寺美術館には常設の「浜口陽三記念室」*2と「萩原英雄記念室」*3があり、そこに行きさえすれば満足できる。 企画展の「佐藤真生(さとうまさお)展」は最終日だった。すべりこみだなと、軽い気持ちで入室して驚いた。不可思議でありながら、なつかしくもあり、何とも云えない心持ちにさせられる。油彩画のほか、立体作品もある。端的に云うなら、好き。「流れる雲」という絵をことに好きになる。 よかった、よかったと云いながら友だちと、井の頭公園の池のまわりを一周し、銭洗弁天で小銭を洗う。帰り道、不思議なモノばかりならべている店でエジプトの駱駝の骨でできているというボタンを5個買う。店のひとに、「銭洗弁天で洗いたてのお金です」と云って小銭をわたす。店のひとは、ニコニコ笑って、「うれしいなあ」と云う。 友だちと駅前で別れるとき、とうとう空が泣きだした。 ある日。 家に長女とふたりきりになる。 「ちょっと歌いに行こう」と誘われて、夕方家を出る。歌いたいうたがあるのだと、長女が話す。三鷹の駅向こうのカラオケ店に行く途中、異国を思わせる屋台風の店に入り、夏野菜のマリネ、コールドポーク、マッシュルーム入りのオムレツで、白ワインを1杯ずつ飲む。 カラオケ店で長女が歌ったのは「ひこうき雲」(荒井由実)。映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督作品/スタジオジブリ)を観て、歌いたくなったと云う。わたしはまだ観ていないが、荒井由実の「ひこうき雲」が40年の時を隔てて、映画の主題曲に選ばれたことには、驚いた。そのことが、映画に何かとてつもないものを与えているような気がする。 長女が聞かせてくれた宝塚歌劇の「エリザベート」の劇中歌「私だけに」がよかった。お礼にわたしは嵐の「感謝カンゲキ雨嵐」を歌う。 ふたりで、来た道をぶらぶら帰る。 * この世は、日常的に不可思議なことで満ちている。尊く、不可思議な事ごとで満ち満ちている。 *1吉祥寺美術館 武蔵野市立吉祥寺美術館 東京都武蔵野市吉祥寺本町1−8−16 FFビル7階 入館料100円(小学生以下・65歳以上・障害者は無料) *2浜口陽三 銅版画家。銅版画の技法のひとつであるメゾチントから、カラー メゾチントを開拓した。「浜口陽三記念室」は、吉祥寺美術館内の常設展。 *3萩原英雄 油彩画家。抽象木版画家。「萩原英雄記念室」は吉祥寺美術館内 の木版画を中心とする常設展。 ある日。 庭に出たら、にらの花が咲いていた。 (にらの芽は、とてもとてもおいしい)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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